1. 本課程の目的は,I)自然現象とそれを支配する物理学の基本法則を体系的に理解する基礎学力を養うことにあるが,それと共に II)全体を把握する思考力と新しい問題を解決する創造力,そして異なった分野にも視野を広げる好奇心を育てることにもある。これらは共に講義,実験,演習そして個人指導等を通して行われるが,特に後者は失敗を恐れず,失敗を通じて学ぶ積極的な取り組みの中で養われるものである。なお,物理学科に所属を志望する1年生は物理学A, B, Cの3科目をすべて履修しておくことが望ましい。
2. 付表は標準的編成である。以下に科目選択のための指針を示す。
(イ) 以下の科目は◎必修科目で物理学全ての分野に必要な基礎科目である。付表に示した学期での修得を標準とする。
◎必修科目 以下の22単位
数物地学系2年次科目 計5科目10単位
解析力学,電磁気学第一,量子力学第一,熱・統計力学第一の4科目および物理数学第一,集合と位相第一,解析概論第一,応用解析序論の内1科目
物理学科専門科目 計4科目12単位
物理学実験第一,量子力学第二,物理学実験第二,物理学コロキウム第一
(ロ) 以下の科目は○推奨科目で,主として◎必修科目の理解を深めるための基礎科目である。そのためにできるだけ多く修得することが望ましい。特に演習科目は講義と密接な関係があるので修得が望ましい。
○推奨科目 以下の16科目32単位
解析力学演習,電磁気学演習,物理数学演習第一,現代物理学序論第一,物理実験学,量子力学演習第一,熱・統計力学演習第一,物理数学第二,電磁気学第二,量子力学演習第二,電磁気学第三,熱・統計力学第二,熱・統計力学演習第二,量子力学第三,量子力学演習第三,物理学コロキウム第二
(ハ) 無印は,色々な内容の科目を含み選択の対象となる専門科目である。その中には大学院の専門分野によっては基礎になるもの,物理学の多くの分野での主要な成果や最先端の研究等を紹介する概論がある。後者は進路選択,および大学院への橋渡しとして役に立つ。
3. 学士論文研究を申請(卒研所属)するためには,6学期以上在学し,原則として次の単位を修得していなければならない。事情によっては学年後期10月からの卒研所属も可能である。
(イ) 物理学コロキウム第一を除く◎必修科目全て(20単位)と○推奨科目の中から14単位以上を含む専門科目(理工系広域科目,基礎専門科目,Fゼミ科目およびLゼミ科目)54単位以上,この中には他学科の専門科目(物理学専修課程の付表に載っていない理工系広域科目,基礎専門科目,Fゼミ科目およびLゼミ科目)から計8単位まで含めることができる。一年次の理学セミナーは課程の専門科目に含めてよい。
(ロ) 上記イを含めて総修得単位数が103単位以上。(4ページ表2の注を参照のこと)
4. 本課程を履修して卒業するためには,次の単位を修得しなければならない。
(イ) ◎必修科目全て(22単位)と○推奨科目の中から16単位以上を含む専門科目(理工系広域科目,基礎専門科目,Fゼミ科目およびLゼミ科目)63単位以上。この中には他学科の専門科目(物理学専修課程の付表に載っていない理工系広域科目,基礎専門科目,Fゼミ科目およびLゼミ科目)から計12単位まで含めることができる。一年次の理学セミナーは課程の専門科目に含めてよい。
(ロ) 学士論文研究(8単位)
(ハ) 上記(イ),(ロ)を含む総修得単位数が124単位以上。(4ページ表2の注を参照のこと)
(ニ) 前項の規定にかかわらず,「東京工業大学早期卒業に関する規則」の要件を満たした場合,卒業と認定する。ただし,物理学コロキウム第二(物理学コロキウム第一に振り替える)に合格することが必要である。早期卒業の場合,学士論文研究は半年間で終えることが出来るものとし,その場合も8単位を認定する。
5. 数物地学系内で仮所属が物理学でない学生が3年次の本所属時に物理学を希望する場合には卒研所属までに◎必修科目20単位を取得することが可能でなければならない。そのため,原則として◎必修科目5科目中3科目程度は履修済みであることが必要である。またこの場合には,○推奨科目の履修条件は卒業時までに満たせばよいものとし,さらに学科長に申請すれば,○推奨科目を他課程の専門科目(理工系広域科目,基礎専門科目,Fゼミ科目およびLゼミ科目)によって代替することを認める場合がある。
6. 学士論文研究を許可された学生は大学院の授業科目も受講できる。但し,大学院の単位としてのみ認定される。
(詳細は21章,大学院授業科目等の受講案内を参照のこと)。
7. 本学科における国際コミュニケーションI「英語5,英語6又は英語7」の単位認定のための基準設定点(TOEIC試験の点数で示される)は,500点である。
8. 理工系基礎科目の取得単位数の取扱いについて
卒業資格に必要な理工系基礎科目の単位数16単位を超えた単位数については,卒業に必要な単位数124単位に含めることはできない。
付 表
第 3 学 期 |
第 4 学 期 |
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理広 理広 理広 基専 理広 基専 理広 基専 理広 理広 |
☆集合と位相第一 ☆解析概論第一 ◎解析力学 ○解析力学演習 ◎電磁気学第一 ○電磁気学演習 ☆物理数学第一 ○物理数学演習第一 ○現代物理学序論第一 ○物理実験学 |
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理広 理広 基専 理広 基専 理広 基専 理広 理広 理広 |
☆応用解析序論 ◎量子力学第一 ○量子力学演習第一 ◎熱・統計力学第一 ○熱・統計力学演習第一 ○物理数学第二 物理数学演習第二 現代物理学序論第二 ○電磁気学第二 一般機械工作実習(機械) |
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第 5 学 期 |
第 6 学 期 |
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基専 理広 基専 理広 理広 基専 理広 理広 |
◎物理学実験第一 ◎量子力学第二 ○量子力学演習第二 ○電磁気学第三 ○熱・統計力学第二 ○熱・統計力学演習第二 化学物理第一 流体・弾性体力学序論(地惑) |
0−0−4 2−0−0 0−2−0 2−0−0 2−0−0 0−2−0 2−0−0 2−0−0 |
基専 基専 基専 基専 基専 基専 基専 |
◎物理学実験第二 ○注1)量子力学第三 ○注1)量子力学演習第三 注2)相対論的量子力学 基礎固体物理第一 注3)原子核物理学概論 数値処理・計算物理学 |
0−0−4 2−0−0 0−2−0 2−0−0 2−0−0 2−0−0 1−1−0 |
第 7 学 期 |
第 8 学 期 |
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基専 基専 基専 基専 Lゼ 学論 理広 |
基礎固体物理第二 素粒子物理学概論 一般相対論 生物物理学概論 ◎物理学コロキウム第一 学士論文研究 注4)放射線の基礎と応用 |
2−0−0 2−0−0 2−0−0 2−0−0 0−2−0 4 2−0−0 |
基専 理広 基専 学論 基専 基専 |
注5)物理数学特論 化学物理第二 ○物理学コロキウム第二 学士論文研究 注5)現代物性物理 注5)宇宙物理学概論
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2−2−0 2−0−0 0−2−0 4 2−0−0 2−0−0 |
◎必修科目 ○推奨科目
☆印の4科目から1科目必修
注1)平成23年度から開講する。
注2)平成24年度から第7学期に開講する。
注3)推奨学期は第6,8学期である。
注4)推奨学期は第7,5学期である。
注5)推奨学期は第8,6学期である。