機械知能システム学課程

 

1. 目 的

 機械知能システム学科では,「人間にやさしくかしこいものを,人間を大切にするシステムで生み出すための新しい工学の創造」を目指している。この理念に沿って,機械知能システム学課程では,機械工学の基礎分野に加え,高度な生産・加工技術,情報・知能化システムなどに及ぶ広範囲な分野の学問を学習し,これらを総合する能力を身に付け,自ら新しい分野を開拓できる豊かな感性と創造性をもつ技術者・研究者および教育者の育成を目的としている。

 

2. 学習目標

 本課程では,以下の項目を学習目標として,付表1に示す専門科目について履修学期を定めている。

⑴ 科学技術ならびに機械技術の役割・使命および社会的・文化的影響について理解し,新しい時代を先導するにふさわしい素養を身につける。

⑵ 基礎工学ならびに機械工学の基盤分野の知識を体系的に学習するとともに,それらを活用する能力を身につける。

⑶ 自然科学・社会科学ならびに高度な生産・加工技術や情報・知能化システムなどの機械工学の先進分野・周辺分野についての知識を,自ら選択して学習し,それらを活用できる能力を身につける。

⑷ プロジェクトの立案・遂行を主導的に進めるための能力を身につける。

⑸ 未知・未解決の問題に対して,創造性を発揮して対処できる能力を身につける。

⑹ 自らが創造したアイデアを他者に伝える表現能力および相互理解するための論理的議論能力を身につける。

 

3. 学習内容

 本課程を希望する学生および本課程に所属した学生は下記の科目を付表1および2に従って計画的に履修すること。とくに,低学年では,機械工学の軸となる基礎概念が着実に身につけられるように,講義・演習・実習・実験を一体化した授業が用意されている。また,高学年に進むと,総合力の養成と創造力の開発を目的とした授業や,数名の学生を個々の教員が細かく指導する授業が主となる。そして,より幅広い知識の獲得を志す学生のために,電気・電子,情報,生体,環境,社会科学などの分野の授業も自由に選択できるように配慮されている。

⑴ 文系科目,総合科目,文明科目,国際コミュニケーション科目,健康・スポーツ科目,環境教育科目

 幅広い知識・素養,コミュニケーション能力を身に付けるために必要な科目であるので,各自の学習目的に則して計画的に履修すること。

⑵ 理工系基礎科目,情報ネットワーク科目

 自然科学,情報科学の基礎的な知識と応用力を身につけるために必要な科目であるので,できるだけ多くの科目を履修すること。

⑶ 機械知能システム学必須科目

 付表1の◎印を付けた科目および学士論文研究は,機械知能システム学課程を履修する上で,必須な科目であるので,推奨された学期に履修すること。

⑷ 基礎工学・機械工学基礎科目

 機械工学系リテラシー,工業力学第一,第二および付表1の○印を付けた科目は,機械知能システム学課程の基本的な科目であるので,推奨された学期に履修すること。

⑸ 機械工学先端科目・周辺科目

 付表1の無印の専門科目は,機械知能システム学課程の推奨選択科目であるので,他学科の開講科目も含めて,各自の学習目的に則して選択し,履修すること。

4. 本課程の学士論文研究申請資格

 学士論文研究履修を申請するためには,6学期以上在学し,原則として以下の単位を修得していなければならない。

⒜ 付表1に示す◎印の科目(9単位)のすべて,および○印の科目(45単位)中から32単位以上。

⒝ 前項 ⒜ の単位を含め付表1に示す科目を50単位以上。

⒞ 前項 ⒝ の単位に他学科の理工系科目(Fゼミ,理工系広域科目,基礎専門科目およびLゼミ)の単位を含めて56単位以上。

⒟ 前項 ⒞ の単位を含め総修得単位数が105単位以上。[下記(注1)参照]

 

5. 本課程の卒業資格

 本課程を履修して卒業するためには,次の単位を修得しなければならない。

⒠ 学士論文研究の10単位。

⒡ 前項 ⒠ の単位に理工系科目(Fゼミ,理工系広域科目,基礎専門科目およびLゼミ)の単位を含めて71単位以上。

⒢ 前項 ⒡ の単位を含めて総修得単位数が124単位以上。[下記(注1)参照]

 

6. 早期卒業に関する要件等

6. 1 早期卒業のための学士論文研究申請資格

 以下の要件を満たした場合,第4項の規定にかかわらず,早期卒業のための学士論文研究申請資格が得られ,6学期から学士論文研究を履修できる。

⒣ 「東京工業大学早期卒業に関する規則」に定める早期卒業希望者の認定を受けること。

⒤ 付表1に示す◎印の科目(9単位)から6学期開講分をのぞく5単位および○印の科目(45単位)中から32単位以上 修得していること。

⒥ 前項 ⒤ の単位を含め付表1に示す科目50単位以上を修得していること。

⒦ 前項 ⒥ の単位に他学科の理工系科目(Fゼミ,理工系広域科目,基礎専門科目およびLゼミ)の単位を含めて56単位以上を修得していること。

⒧ 前項 ⒦ の単位を含め総修得単位数が105単位以上であること。[下記(注1)参照]

6. 2 学士論文研究の履修期間

 早期卒業適格の認定を受けた学生については,学士論文研究を半年履修した時点で評価を行うことがある。この評価の結果,合格の判定を受けた場合は,履修学期によらず学士論文研究として10単位を認定する。

6. 3 早期卒業の要件

 本課程における早期卒業の要件は以下の通りとする。

⒨ 「東京工業大学早期卒業に関する規則」に定める早期卒業の要件を満足していること。

⒩ 第5項の要件を満足すること。

 

(注1) 国際コミュニケーション科目T・U,理工系基礎科目および健康・スポーツ科目の修得単位については,それぞれ学士論文研究資格および卒業に必要な単位数として,それぞれ14単位,16単位,5単位までの計35単位を総修得単位数として数えるが,それ以上修得しても上記⒟,⒢,⒧の総修得単位数には算入しない。

(注2) 本学科における国際コミュニケーションI「英語5,英語6又は英語7」の単位認定のための基準設定点(TOEIC試験の点数で示される)は,500点である。

 

付表1 機械知能システム学課程の専門科目

第  1  学  期

第  2  学  期

Fゼ

理広

 機械工学系リテラシー(通年)

 工業力学第一

2−1−1

1−1−0

Fゼ

理広

 機械工学系リテラシー(通年)

 工業力学第二

2−1−1

1−1−0

第  3  学  期

第  4  学  期

Lゼ

理広

理広

理広

基専

◎機械知能システム学セミナー

○変形と振動の力学第一

○エネルギーと流れ第一

○工学数学第一

 情報数理工学第一

1−1−0

3−1−1

3−1−1

2−2−0

2−0−1

理広

理広

理広

理広

○設計と生産の工学第一

○変形と振動の力学第二

○エネルギーと流れ第二

○工学数学第二

3−1−1

3−1−1

3−1−1

2−0−0

第  5  学  期

第  6  学  期

Lゼ

Lゼ

理広

理広

基専

基専

基専

基専

基専

◎プロジェクト研究

◎機械知能システム創造第一

○設計と生産の工学第二

○メカトロニクス工学

○計測と統計

 工業量子力学

 基礎トライボシステム

 人工知能概論

 機械知能システム学実習

0−2−0

0−0−1

3−1−2

3−1−1

2−1−0

2−0−0

2−0−0

2−0−0

0−0−2

Lゼ

理広

基専

基専

基専

基専

基専

基専

基専

基専

基専

基専

◎機械知能システム創造第二

 科学技術者実践英語

 情報数理工学第二

 知的制御設計

 マイコン制御演習

 知的生産システム

 CAD/CAM創造実習

 マイクロ・ナノシステム

 振動・音響とその制御

 先進アクチュエータ工学

 電子・情報機器設計論

 感性の評価と設計

0−0−4

1−0−0

1−1−1

2−0−0

0−0.5−0.5

1−0−0

0−0.5−0.5

1−0−0

2−0−0

1−0−0

1−0−0

1−0−0

第  7  学  期

第  8  学  期

理広

理広
 

基専

学論

 人間関係論

 Fundamentals of Mechanical
Engineering A

 生産管理

 学士論文研究

2−0−0

2−0−0
 

2−0−0

4

理広

理広

基専

基専

基専

基専
 

学論

 タグチメソッド

 現代日本の企業と社会

 宇宙開発工学

 生体工学第二

 地球環境科学

 Fundamentals of Mechanical
Engineering B

 学士論文研究

2−0−0

2−0−0

2−0−0

2−0−0

2−0−0

2−0−0
 

6

◎印:9単位 ○印:45単位 無印:62単位 の総計 116単位

学士論文研究の前後学期の単位数は目安であり,通年で10単位を与えるものとする。

 

付表2 機械知能システム学課程の授業科目と学習内容の関連 [PDF]