材料工学課程

材料工学課程は,金属,有機,無機など各種の工業材料について,それらの構造,物性,開発,製造,精製,加工などを取扱い,広く産業の基礎である材料を対象とする研究者,技術者及び教育者を養成することを目的とする。その教育は材料科学を基礎として,各種材料の普遍的な知識の体系を与え,かつ独創的な力を養い得るよう計画されている。

本課程は金属工学専修課程,有機材料工学専修課程及び無機材料工学専修課程に分れているが,第3及び第4学期では材料の基礎となる理工系広域科目を主に履修し,第4学期以後において,次第に各専修課程の基礎専門科目を履修するようになる。

なお,本課程の目的から材料科学セミナー(Fゼ)は一年次に履修することが望ましい。

1. 金属工学専修課程

(1) 金属工学専修課程は現代及び将来の工業に必要なすべての金属の精製,材料としての金属・合金・金属間化合物・半導体・金属酸化物・複合材料などの構造と物性,機能材料・構造材料及び新素材ならびに金属製品の開発と製造などに関連する技術者,研究者及び教育者の養成を目的とする。また,技術者としての英語力を重視し,国際性豊かな人材の養成を目的とする。

(2) 金属工学専修課程の推奨科目及び履修学期は付表1のとおりである。他学科の理工系広域科目及び基礎専門科目を履修する場合には,前もって助言教員に申し出たうえ学習計画を立てること。他学科の理工系広域科目および基礎専門科目を付表1の科目に換える場合には,履修申告の前に助言教員の承認を受ける必要がある。なお,本課程の目的から,材料科学セミナー(Fゼ)は1年次に履修することが望ましい。

(3) 6学期以上在学し,次の2学期間で卒業に必要とされる単位を修得できる見込みの者は,指導教員を選んで学士論文研究を申請することができる。ただし,それまでに,次の条件を満足していない者は原則として,学士論文研究の履修は許可されない。

(イ) 付表1の◎印の科目14単位を修得していること。

(ロ) ◎印の科目を含み,付表1に示す科目から,理工系広域科目(理広)16単位以上,基礎専門科目(基専)34単位以上修得していること。

(ハ) 上記(ロ)を含み,総修得単位が107単位以上であること〔下記(注)参照〕。

(4) 卒業に際しては,次のいずれかの条件を満たさない場合には原則として金属工学専修課程を履修したものとは認められない。

(イ) 付表1の◎,○印の科目19単位を修得していること。

(ロ) ◎,○印の科目を含み,付表1に示す科目から,理工系広域科目(理広)16単位以上,基礎専門科目(基専)39単位以上修得していること。

(ハ) 上記(ロ)および学士論文研究8単位を含めて総修得単位が124単位以上であること〔下記(注)参照〕。

(5) 早期卒業については,上記(4)及び「東京工業大学早期卒業に関する規則」の要件を満たした場合に卒業と認定する。

(注) 国際コミュニケーション科目I・II,理工系基礎科目及び健康・スポーツ科目の修得単位については,それぞれ学士論文研究申請資格及び卒業に必要な単位数として,14単位,16単位,3単位の計33単位を総修得単位数として数えるが,それ以上修得しても上記(3),(4)の総修得単位数には算入しない。
本学科における国際コミュニケーションI「英語5,英語6又は英語7」の単位認定のための基準設定点(TOEIC試験の点数で示される)は,600点です。


付表1

第  1  学  期

第  2  学  期

Fゼ

 材料科学セミナー

2−0−0

理広

 材料科学A

2−0−0

第  3  学  期

第  4  学  期

理広

基専

◎材料科学実験 第一

 基礎工業数学 第一

 材料科学B

 情報処理概論演習(材)

 電気学 第一

 物理学D

 物理化学(材) 第一

 結晶学概論A

 結晶学概論B

 金属の状態図

0−0−3

2−0−0

2−0−0

2−0−0

2−0−0

2−0−0

2−0−0

1−0−0

1−0−0

2−0−0

理広

基専

 物理化学(材) 第二

◎材料科学実験 第二

 一般材料力学

 基礎工業数学 第二

 電気学 第二

 応力とひずみの基礎

 金属の変形

 回析結晶学

 金属・合金の凝固

 化学反応の速度

2−0−0

0−0−3

2−0−0

2−0−0

2−0−0

1−0−0

1−0−0

2−0−0

2−0−0

2−0−0

第  5  学  期

第  6  学  期

基専

 金属工学インターンシップ

◎金属工学創成実験

 機器分析概論(金属)

 エレクトロニクス材料A

 エレクトロニクス材料B

 材料と社会

 格子欠陥と転位

 移動速度論

 金属の相安定と相変化

◯金属工学英語セミナー

 技術英語A(金属)

 金属物性

 鉄鋼材料学 第一

 表面物理化学

 高温反応の熱力学

0−0−2

0−0−4

1−0−0

1−0−0

1−0−0

1−0−0

2−0−0

2−0−0

2−0−0

2−0−0

0−1−0

2−0−0

2−0−0

2−0−0

2−0−0

基専

理広

◎金属工学実験

 材料精錬プロセス 第一

 材料精錬プロセス 第二

 材料製造プロセス

 金属の疲労と破壊

 複合材料科学

 技術英語B(金属)

 鉄鋼材料学 第二

 軽合金材料

 材料物性特別実験

◎科学技術者実践英語

 一般機械工作実習

0−0−4

1−0−0

1−0−0

1−0−0

1−0−0

1−0−0

0−1−0

2−0−0

2−0−0

2−0−1

1−0−0

1−0−1

第  7  学  期

第  8  学  期

理広

基専



Lゼ

学論

 一般電気工学実験

 一般機械工学

 アドバンスト・マテリアルズ・
 アンド・プロセッシング 第一

 アドバンスト・マテリアルズ・
 アンド・プロセッシング 第二

◎金属工学コロキウム

 学士論文研究

0−0−1

2−0−0

1−0−0


1−0−0


2−0−0

4

理広

学論

 現代日本の企業経営

 学士論文研究

2−0−0

4


2. 有機材料工学専修課程

(1) 有機材料工学専修課程は,天然及び合成の有機化合物を原料とした高機能性材料の構造,物性並びに製造に関連する技術者や研究者の養成を目的とする。

(2) 有機材料工学専修課程を履修するのに望ましい標準科目及び推奨履修学期は付表に示す通りである。有機材料工学に関連する特色のある分野,あるいは有機材料工学と他の分野との境界領域を専攻しようとする場合には,助言教員と相談して,履修系統図を参考に標準科目より適宜選択履修するとともに,他の課程の科目を取り入れて学習計画を立てることが望ましい。

(3) 学士論文研究を申請するためには,6学期以上在学し,原則として次の条件を満たしていなければならない。

(イ) 付表2の科目中から◎印の科目全て(16単位)を含め,44単位以上を修得していること

(ロ) 上記(イ)を含め,Fゼミ科目,理工系広域科目,基礎専門科目,Lゼミ科目の総修得単位数が55単位以上であること

(ハ) 上記(ロ)を含め,総修得単位数が108単位以上であること〔下記(注)参照〕

(ニ) 前項(イ)の規程にかかわらず,5学期以上在学し,「東京工業大学早期卒業に関する規則」の要件を満たした場合,有機材料工学実験 第二,有機材料工学コロキウム 第二が未修であっても学士論文研究を申請できるものとする。

(4) 本課程を履修して卒業するためには,次の条件を満たしていなければならない。

(イ) 付表2に示す◎印の科目全て(16単位)を修得していること

(ロ) 学士論文研究(8単位)を修得していること

(ハ) 上記(イ),(ロ)を含め総修得単位数が124単位以上であること〔下記(注)参照〕

(ニ) 早期卒業の場合,学士論文研究は半年間で終えることができるものとし,その場合も8単位を認定する。

(5) 有機材料工学実験 第一と有機材料工学コロキウム 第一,有機材料工学実験 第二と有機材料工学コロキウム 第二はそれぞれ同学期に履修することを原則とする。

(6) 本課程の目的から, 第一学期に材料科学セミナー(Fゼミ科目)を修得するとともに,付表2に示す科目区分のうち,◎印の科目を含め次のように履修することが望ましい。

Fゼミ(Fゼ)2単位

理工系広域科目(理広)16単位以上

基礎専門科目(基専)22単位以上

Lゼミ(Lゼ)4単位

学士論文研究(学論)8単位

(7) 本課程の目的から,総合科目・文系基礎科目から卒業に必要とされる18単位以外に6単位以上を履修することが望ましい。

(注) 国際コミュニケーション科目I・II,理工系基礎科目及び健康・スポーツ科目の修得単位については,それぞれ学士論文研究申請資格及び卒業に必要な単位数として,14単位,16単位,5単位の計35単位を総修得単位数として数えるが,それ以上修得しても上記(3),(4)の総修得単位数には算入しない。
本学科における国際コミュニケーションI「英語5,英語6又は英語7」の単位認定のための基準設定点(TOEIC試験の点数で示される)は,500点です。

有機材料工学科履修系統図 [PDF]

付表2

 第  1  学  期

 第  2  学  期

Fゼ

 材料科学セミナー

2−0−0

理広

 材料科学A

2−0−0

 第  3  学  期

 第  4  学  期

理広

基専

 材料科学B

 物理化学(材) 第一

 基礎工業数学 第一

 物理学D

 電気学 第一

 情報処理概論演習(材)

◎材料科学実験 第一

 有機化学(材) 第一

 有機材料物理化学 第一

2−0−0

2−0−0

2−0−0

2−0−0

2−0−0

0−2−0

0−0−3

2−0−0

2−0−0

理広

基専

 物理化学(材) 第二

 基礎工業数学 第二

 一般材料力学A

 電気学 第二

 分析化学(工)

◎材料科学実験 第二

 有機化学(材) 第二

 有機材料物理化学 第二

2−0−0

2−0−0

2−0−0

2−0−0

2−0−0

0−0−3

2−0−0

2−0−0

 第  5  学  期

 第  6  学  期

基専

Lゼ

 有機材料合成化学A

 有機材料合成化学B

 有機材料物性 第一

 有機材料構造解析

 量子材料物性 第一

 量子材料物性 第二

 有機材料界面物性

 有機材料成形工学

 有機材料設計

◎有機材料工学実験 第一

◎有機材料工学コロキウム 第一

2−0−0

2−0−0

2−0−0

2−0−0

2−0−0

2−0−0

2−0−0

2−0−0

1−0−0

0−0−3

0−2−0

理広

基専

Lゼ

 一般機械工作実習

 科学技術者実践英語

 有機化学(材) 第三

 有機材料物性 第二

 量子材料物性 第三

 繊維・複合材料

 有機機能材料物理

 有機機能材料化学

 生体材料

 分子間力と凝集力

 有機機能生化学

 企業と倫理

◎有機材料工学実験 第二

◎有機材料工学コロキウム 第二

1−0−1

1−0−0

2−0−0

2−0−0

2−0−0

2−0−0

1−0−0

1−0−0

1−0−0

1−0−0

1−0−0

1−0−0

0−0−3

0−2−0

 第  7  学  期

 第  8  学  期

学論

 学士論文研究

2

学論

 学士論文研究

6


3. 無機材料工学専修課程

(1) 無機材料工学専修課程は,材料科学の幅広い知識と無機系工業材料の製造,利用などに関する基礎的知識を修得すると共に,豊かな人間性と総合的判断力を有し,将来指導的技術者,研究者となる人材を養成することを目的とする。

(2) 無機材料工学専修課程の標準科目および推奨履修学期は付表3に示すとおりである。表中で◎印を付した科目は必修である。また,本課程の目的から「材料科学セミナー」(Fゼ)は 第1学期に,「セラミックスセミナー」(Lゼ)は 第6学期に履修することが望ましい。

(3) 学士論文研究の申請資格は次の場合に与えられる。

(イ) 6学期以上在学し,付表3の科目のうち6学期までの◎の科目14単位を全て修得していること。

(ロ) 上記(イ)を含め理工系広域科目(理広)16単位以上,基礎専門科目(基専)30単位以上を修得していること。

(ハ) 上記(ロ)および表2*に記載された学士論文研究申請資格の最低必要単位を含めて総修得単位が107単位以上**であること。

(4) 卒業に際しては,下記の条件を満足する必要がある。

(イ) 付表3の◎の科目22単位を全て修得していること。

(ロ) 上記(イ)および表2*に記載された卒業資格の最低必要単位を含めて総修得単位が124単位以上**であること。

(5) 前項(4)の規定にかかわらず,下記の各条件を満足した場合,早期卒業を認める。

(イ) 「東京工業大学早期卒業に関する規則」の要件を満たしていること。

(ロ) 付表3の科目のうち,学士論文研究(早期卒業)6単位***を含む◎の科目20単位を修得し,かつ理工系広域科目(理広)16単位以上,基礎専門科目(基専)30単位以上を修得していること。

(注)

*:p.4を参照

**:国際コミュニケーション科目I・II,理工系基礎科目および健康・スポーツ科目の修得単位については,それぞれ学士論文研究資格および卒業に必要な単位数として,それぞれ14単位,16単位,5単位の計35単位を総修得単位数として数えるが,それ以上修得しても上記3,4の総修得単位数には算入しない。

***:早期卒業の場合,学士論文研究の申請資格は,前項(3)(イ)の規定にかかわらず,5学期以上在学し,付表3の科目のうち,5学期までの◎の科目10単位を全て修得し,かつ(3)(ロ),(3)(ハ)を満足した場合に与えられる。

****:早期卒業の場合,学士論文研究は半年間で終えることができるものとし,その場合6単位を認定する。


本学科における国際コミュニケーションI「英語5,英語6又は英語7」の単位認定のための基準設定点(TOEIC試験の点数で示される)は,500点です。


付表3

 第  1  学  期

 第  2  学  期

Fゼ

 材料科学セミナー

2−0−0

理広

 材料科学A

2−0−0

 第  3  学  期

 第  4  学  期

理広

基専

◎材料科学実験 第一

 基礎工業数学 第一

 物理化学(材) 第一

 材料科学B

 電気学 第一

 情報処理概論演習(材)

 有機化学(材) 第一

 セラミックス概論

0−0−3

2−0−0

2−0−0

2−0−0

2−0−0

2−0−0

2−0−0

2−0−0

理広

基専

◎材料科学実験 第二

 基礎工業数学 第二

 物理化学(材) 第二

 分析化学(工)

 セラミック材料化学 第一

 無機化学(工)

 結晶化学

0−0−3

2−0−0

2−0−0

2−0−0

2−0−0

2−0−0

2−0−0

 第  5  学  期

 第  6  学  期

基専

◎セラミックス実験 第一

 セラミック材料化学 第二

 セラミックプロセッシング

 セラミックス電子物性 第一

 セラミックス機械物性 第一

 セラミックス基礎計測

 地質鉱物学

 エレクトロニクス材料

0−0−4

2−0−0

2−0−0

2−0−0

2−0−0

2−0−0

2−0−0

2−0−0

基専

理広

Lゼ

学論

◎セラミックス実験 第二

 セラミック電子物性 第二

 セラミックス特別講義

 界面化学(材)

 セラミックス機械物性 第二

 技術者倫理

 複合材料科学

 科学技術者実践英語

 セラミックスセミナー

◎学士論文研究(早期卒業)

0−0−4

2−0−0

2−0−0

2−0−0

2−0−0

1−0−0

1−0−0

1−0−0

0−1−0

6

 第  7  学  期

 第  8  学  期

基専

学論

 エレクトロニクス材料

◎学士論文研究

2−0−0

3

学論

理広

◎学士論文研究

 現代日本の企業と社会

5

2−0−0