VIII 文明科目

グローバルメディア文化論(Global Media and Culture)
藤田 結子 非常勤講師  前学期  2−0−0
この授業では,今日,メディアがグローバル化するにつれ,私たちの社会や文化にどのような影響が及ぼされるのかを考察する。授業では,日本や欧米・東アジア諸国の映画やテレビ番組などを題材とし,社会学,文化人類学,カルチュラル・スタディーズなどの学際的アプローチから,グローバルなメディアの構造,内容,影響を分析していく。また,メディア業界からゲストスピーカーを招き,メディア産業の現状について話を聞く予定である。

アート環境論(Art Environment Method)
°石井 勢津子 特任教授  中嶋 正之 教授  佐野 清彦 非常勤講師  前学期  1−1−0
従来のアート技術に立脚し,インスタレーション,デジタルアート,デジタルミュージック,ホログラフィなど新しいメディアアートの理論について講義する。後期に開講される,「メディアアート入門」の前に受講し,その学問背景などについて学習する。目的としては,21世紀をリードする新しいアートマインドを持つエンジニア系の学部学生を教育することである。まさに東工大が誇る21世紀文明を担う人材を育成する。

日本文化特論(Special Study of Japanese Culture)
大久保 喬樹 非常勤講師  前学期  2−0−0
日本文化の可能性−日本人が伝統的に育んできた文化のうちにはさまざまなユニークな発想が見られます。そうした発想は,明治以降,近代化,西欧化が進む中でも継承され,また西欧文化に影響を与えてきました。とりわけ,近年,これまでの近代西欧文化が行き詰まりに達し,それを乗り越える新たなポストモダン文化のありかたが模索されるようになってきた状況において,こうした伝統日本文化の発想がはらむ現代的,世界的可能性はおおいに注目すべきものとなっています。この授業では,そうした例をさまざまな角度から紹介し,考察してみようと思います。

ポストモダンと情報社会(Postmodernity and Information Society)
東  浩紀 特任教授  後学期  2−0−0
「ポストモダン」「ポストモダニティ」は,毀誉褒貶があるが,現代社会・現代文化を考えるうえでいちどは理解しておきたい概念である。本講義では,「ポストモダン」の意味を明確にしたうえで,その条件として情報社会化を捉え直し,ポストモダンの概念の再構築を図る。参照される固有名は,リオタール,フーコー,ローティ,ノージック,レッシングなど。初心者向けなので,これらの著作を読んでいる必要はない。

日本の近代(The Distinctive Character of Japanese Modernization)
猪瀬 直樹 特任教授  後学期  2−0−0
「敵の幾機かはついに東京の上空に進んだ。ガス弾と焼夷弾は随所に投ぜられた。(略)火災は二昼夜継続し,焼くべきものを焼きつくしたのち,自然に消鎮した。後はただ灰の町,焦土の町,死骸の町である。大建物の残骸がローマの廃墟のごとく突っ立ている。」という米軍による東京大空襲を描いた文章は,終戦の15年も前に正確に書かれている。未来はどこまで予測できるのか。明治時代,大正時代,昭和時代に刊行された「日米未来戦記」をテキストに考察する。

映像文化論(Image Study)
高橋 世織 特任教授  後学期  2−0−0
20世紀の文化を検証する際,映像メディアを抜きには考えられないでしょう。サイレント映画が誕生したての頃は,身体感覚(視覚)が,当時のハイテクであるこの視覚メディアに対応出来ていませんでした。今日では想像出来ないような,たじろぎや戸惑い恐れの感覚が引き起こされました。また世界をフレームに掻き取って見たり考えたり,クローズアップする手法は映像が教えもたらしたものです。単なる映画史の授業とはちがいます。人は何を見せられ,見てきたのか,という視覚表象,感覚の文化史を取り扱います。

現代アメリカ文化論(American Culture in the Twentieth Century)
江崎 聡子 非常勤講師  後学期  2−0−0
自動車,ロック,ハリウッド映画,高層建築,野球,郊外都市,ショッピングモール,テーマパーク,テレビ,ジーンズ…。こういったものは現代のアメリカ文化の象徴であり,また同時にアメリカ文化が浸透した他地域の社会や文化を読み解くためのキーワードとなっている。授業では,こういったアメリカ文化の要素が,どういった社会的文化的背景のもとに形成され,その特質とは何か,そしてどのように世界的に浸透し偏在し,同時代,あるいは現代に生きる我々の思考や行動様式に影響を与え続けてきたのかという問題を考察する。とりわけ,美術,装飾美術(インダストリアルデザイン等も含む),写真,映画,建築,ポップカルチャーといった視覚文化に焦点をあて,この問題を議論したい。

精神医学入門(Introduction to Psychiatry)
松本 聡子 非常勤講師  後学期  2−0−0
人はそれぞれ異なる物事の捉え方(=認知)をするため,物質的な意味で同じ世界に存在していても,こころというフィルターを通して見る世界は十人十色です。
本講では,心理検査や心理療法などを実際に体験して頂く傍ら,脳や遺伝子,診断基準に関するトピックスも交えて幅広く精神医学というものを説明していく中で,こころの働きの不思議さを皆さんにご紹介する予定です。

21世紀の記号思想(Semiotic Thought in the 21st Century)
菅野 盾樹 非常勤講師  後学期  2−0−0
〈言語〉は〈記号〉の一形態に過ぎない(言うまでもなく,絵画,音楽,ダンスなども記号の形態である)。〈記号〉のあり方とその働きを解明することを通じて,いまいちど〈言語〉の正しいイメージを創出する必要がある。
だが問題はそれほど単純ではない。ソシュールとパースが創設した〈記号学〉そのものが多くの難点をかかえているからだ。この授業では,まず 20世紀型の記号学の批判的検討を行う。次いで,21世紀にあるべき記号学の方向性を具体的に模索する。

メディアアート入門(Introduction to Media Art)
°中嶋 正之 教授  石井 勢津子 特任教授  中村 泰清 非常勤講師  深野 暁雄 非常勤講師
後学期  1−1−0
従来のアート技術に立脚し,コンピュータを利用するメディアアート作品の制作に取り組む。目的として,21世紀をリードする新しいアートマインドを持つエンジニア系の学部学生を教育することである。まさに東工大が誇る21世紀文明を担う人材を育成する。

ミュージックサウンド入門(Introduction to Music Sound)
河野 土洋 非常勤講師  伊賀 健一 非常勤講師  後学期  1−1−0
コンピュータを利用して,デジタル的な作曲に取り組む。コンピュータを利用して映像を作成するメディアアート系の講義は開講したが,さらにデジタル・ミュージック作品の制作に取り組むことにより映像と音響の感性を養うことができる。本講義は,まずサウンド理論について講義し,最終的には,自ら作曲ができるように指導する。
前半は従来の理論によるミュージックについて学び,後半は作品の制作に取り組む。チームを組んで,実際に作品を作成する。定員は機材の関係で15名程度が理想であるが,場合により多少の定員オーバーの場合も考慮する。第1回目の講義中に行う試行テスト+アンケートの成績により決定する。

クリエイティブ・ライティング 2007 B(Creative Writing 2007 B)
柴田 元幸 非常勤講師  小野 正嗣 非常勤講師  後学期  0−2−0
毎回,英語で書かれた 2〜3ページの小説・エッセイを訳し,教室では提出された訳文を叩き台にして行うディスカッションが中心。毎回全員が翻訳文を提出。翻訳文は添削して返却する。(柴田)
毎回,ある主題に基づいてテクストを執筆。教室では,作者から自作について解説してもらい,みんなで議論する。読書課題が出され,エッセイや書評を書いてもらう週もある。提出テクストにはコメントをつけて返却する。(小野)

パフォーマンスとコミュニケーションワークショップ 2007 A, B
(Performance and Communication Workshop 2007 A, B)
たんげ さちこ 非常勤講師  前学期A  後学期B   各0−2−0
社会人のためのパフォーマンス技術をベースに,自分自身をどのように開放し,表現するかを学ぶコースです。
具体的に体を動かしながら単純なゲームをとおし,個々のコミュニケーションや表現を妨げるものは何なのか,また Relaxation, Voice Production, Improvisation,等 acting テクニックを用いて想像力を刺激しヒューマンコミュニケーション能力を高めることを,目的とします。

能楽ワークショップ 2007 A, B(Noh Performance Workshop 2007 A, B)
中村 一路  非常勤講師   前学期A  後学期B  各0−2−0
能は絶対音感も運動神経も不要で,シンプルに強い声を出し,体の奥深い力で動いて表現します。ここでは,能の謡と舞の響きの美しさと表現の無限の広がりを体験し,能を歴史・演劇・音楽・文学・美術・哲学などの観点で分析します。
また,時の磨耗に耐えて磨かれた能の美とそこに込められる演者の力を味わう事で日本の文化芸術への興味と理解が深まればと思います。この時間を楽しむコツは,見えざるを見,聞こえざるを聞く感性−想像力と創造力を発揮することです。

出版ワークショップ 2007 A, B(Publication Workshop 2007 A, B)
吉田  弘 非常勤講師  前学期A  後学期B  各0−2−0
「出版は文化のバロメーターである」と言われています。
その出版が新しいメディアの台頭,活字離れの中で揺れ動いています。新しいトレンドを創出するユニークなアイディアが切望されているのです。この出版・編集ワークショップでは,出版界の現状を知り,今後の展望を考えることに始まり,それぞれが選択したテーマに沿った書物,小雑誌を制作してみます。

歌舞伎ワークショップ 2007(Kabuki Workshop 2007)
未定  後学期  0−2−0
未定

ミュージックプロダクションワークショップ 2007(Music Production Workshop 2007)
未定  後学期  0−2−0
未定

芸術ワークショップ 2007A(Art Workshop 2007 A)
フローレンス・シトラック 特任教授  前学期  0−1−0
音楽と技術の関係に関する,ワークショップ。音楽に深い興味のある学生に対して,集中講義形式でおこなうもので,ギリシャ時代から現代にいたる,音楽の発展と技術の関係について超一流のハープ奏者として,またヨーロッパ音楽学に造詣が深いシトラック教授が,特に,ハープを含め楽器の構造と音楽の相乗的発展について毎回,講義,鑑賞と討論を行う。英語で行うが日本語の簡単な通訳がつく予定。

世界文明 2007A(World Civilizations 2007 A)
°ロジャー・パルバース 教授  橋爪 大三郎 教授  前学期  1−0−0
世界文明センターの講座,講演会,シンポジウムなどに数多く参加して,人類文明の達成と将来を展望し,思索を深めるなかから,21世紀に生きる科学者・技術者・ひとりの人間としての各自の課題を掘り下げる。

世界文明 2007B(World Civilizations 2007 B)
°ロジャー・パルバース 教授  橋爪 大三郎 教授  後学期  1−0−0
世界文明センターの講座,講演会,シンポジウムなどに数多く参加して,人類文明の達成と将来を展望し,思索を深めるなかから,21世紀に生きる科学者・技術者・ひとりの人間としての各自の課題を掘り下げる。