1. 土木・環境工学は,社会・経済活動の発展や人間生活環境の向上の基盤となるさまざまな社会資本形成に関連した総合的な学問体系である。この分野において十分に活躍できる技術者・研究者を養成するために,土木・環境工学課程の学習教育目標として,以下の事項を定めた。
(A) 土木・環境工学のみならず,自然科学,人文科学,社会科学など,幅広い学識を身につけ,技術者としての教養を修得する。(B) 土木技術が人間,自然,社会などのさまざまな環境に及ぼす影響を理解し,技術者倫理を修得する。(C) 日本語によるコミュニケーション能力,ならびに,国際的に通用するコミュニケーション基礎能力を修得する。(D) 土木工学の主要6分野のうち,4分野以上を修得し,土木技術者としての知識と応用能力を身に付ける。(E) 大学院との密な連携のもとに,大学院において学ぶために必要なより高度な知識や技術を修得する。(F) 土木・環境技術に要求されている課題や問題点を発見し,必要となる情報を入手して解決していく能力を修得する。(G) 技術のみならず,環境,コスト,時間,安全,品質などを考慮した総合的なマネージメント能力を修得する。(H) 最新の技術に目を向け,常に自己の持つ技術を向上させる能力を身に付ける。(I) 将来,高度な技術者あるいは研究者として国内外の土木分野をリードすることを自覚し,そのための素養を修得する。
2. 土木・環境工学課程の推奨科目を付表に示す。◎印は実験,演習,技術者倫理科目,○印は土木・環境工学の基礎事項を順序だてて修得する科目である。
3. 本課程の学士論文研究を申請するためには次の条件を満足しなければならない。
(イ) 原則として6学期以上在学していること。
(ロ) 付表中の◎印の科目から8単位以上,○印の科目から26単位以上,無印の科目から18単位以上修得していること。
(ハ) 科学技術者実践英語を修得する,またはそれと同等以上の英語力があると土木・環境工学科が認定すること。
4. 卒業するためには次の条件を満足しなければならない。
(イ) 付表中の◎印の全科目,○印の科目から29単位以上,無印の科目から20単位以上を修得すること。
(ロ) 学士論文研究(6単位)。(ただし,3年次3月卒業の場合,学士論文研究は4単位とする。)
(ハ) 上記(イ)(ロ)を含め総単位数が124単位以上〔下記(注)参照〕
(ニ) 前項の規定にかかわらず,「東京工業大学早期卒業に関する規則」の要件を満たした場合,卒業と認定する。ただし,3年次3月卒業の場合は第5学期または第6学期において,4年次9月卒業の場合は第6学期または第7学期において,土木・環境工学特別演習に合格することが必要である。3年次3月早期卒業の場合,学士論文研究は半年間でも終えることができるものとし,その場合4単位を認定する。
(ホ) 土木・環境工学課程の学習教育目標に対応し,以下の科目群より最低1科目履習すること。
(A)工業数学第一・演習,同第二,数値解析基礎・演習,材料と部材の力学,水理学原理,土木計画の理論と数理,公共経済学,都市計画学
(C)6類特別講義第一,同第二,土木・環境工学コロキウム,フィールドワーク
(F)6類特別講義第一,同第二,土木・環境工学コロキウム,土木計画の理論と数理,国土計画特別講義
(G)必修以外の科目名に「演習」のつく科目,空間デザイン
(ヘ) ○印を付した科目のうち,構造,水理,地盤,計画,材料,環境の6分野のうち最低4分野から各1科目以上履習すること。
(注) 国際コミュニケーション科目I・II,理工系基礎科目及び健康・スポーツ科目の修得単位については,それぞれ学士論文研究申請資格及び卒業に必要な単位数として,14単位,16単位,5単位の計35単位を総取得単位数として数えるが,それ以上修得しても上記3,4の総修得単位数には算入しない。
本学科における国際コミュニケーションI「英語5,英語6又は英語7」の単位認定のための基準設定点(TOEIC試験の点数で示される)は,600点である。
付表 |
第1学期 |
第2学期 |
||||
Fゼ |
6類特別講義第一 |
2−0−0 |
Fゼ |
6類特別講義第二 |
2−0−0 |
第3学期 |
第4学期 |
||||
理広 〃 〃 基専 理広 〃 〃 基専 |
○材料と部材の力学 ○水理学原理 ○土質力学第一 ○土木計画の理論と数理 ○工業数学第一・演習 ○数値解析基礎・演習 ○工学と環境T ◎環境計画演習
|
2−0−0 2−0−0 2−0−0 3−0−0 1−1−0 1−1−0 2−0−0 0−0−1.5
|
理広 基専 〃 〃 理広 基専 理広 〃 基専 〃 〃 |
○構造力学第一 ○水理学第一 ○土質力学第二 ○コンクリート工学 ○測量学 ◎測量学実習 ○工業数学第二・演習 ○工学と環境U 空間デザイン ◎インフラストラクチャーの計画と設計 ★Civil Engineering English 1 |
2−0−0 2−0−0 2−0−0 2−0−0 2−0−0 0−0−1 1−1−0 2−0−0 1−1−0 0−0−⒈5 2−0−0 |
第5学期 |
第6学期 |
||||
基専 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 理広 Lゼ 〃 〃 基専 〃 |
○構造力学第二 ○水理学第二 ○土質基礎工学 ○コンクリート構造 ○交通計画 水環境計画 ○鋼構造の設計 公共経済学 環境ジレンマ論 土木・環境工学コロキウム ◎コンクリート実験 ◎地盤工学実験 フィールドワ−ク ★Civil Engineering English 2 |
2−0−0 2−0−0 2−0−0 2−0−0 2−0−0 2−0−0 2−0−0 2−0−0 2−0−0 2−0−0 0−0−1 0−0−1 0−0−2 2−0−0 |
理広 基専 〃 〃 理広 基専 Lゼ 〃 基専 〃 〃 〃 Lゼ 学論 〃 |
○科学技術者実践英語 ◎土木史・土木技術者倫理 地震工学 水文・河川工学 環境アセスメント論 ○応用数値解析・演習 ◎構造力学実験 ◎水理学実験 地盤調査・施工学 都市計画学 海岸・海洋工学 国土計画特別講義 ◎土木・環境工学特別演習 学士論文研究a 学士論文研究b |
1−0−0 2−0−0 2−0−0 2−0−0 2−0−0 1−1−0 0−0−1 0−0−1 3−0−0 2−0−0 2−0−0 2−0−0 0−1−0 4 1 |
第7学期 |
第8学期 |
||||
Lゼ 学論 〃 |
◎土木・環境工学特別演習 学士論文研究c 学士論文研究b |
0−1−0 1 5 |
学論 |
学士論文研究c |
5 |
学士論文研究a,b,cはそれぞれ,3年次3月,4年次9月,4年次3月の各卒業予定者を対象とする。
★印は英語による講義。