日本文化特論II(Special Study of Japanese CultureII)
大久保 喬樹 非常勤講師 前学期 2−0−0
<近代日本文化と伝統的発想>
本講義では日本文化が有するさまざまな可能性を考えることをねらいとするが,今年度は近代日本文化のうちに変形されて継承されている伝統的発想の諸相を検討していく。表面的には近代化,西欧化によって近代以前のありかたから大きく断絶したかにみえる近代日本文化に引き継がれたこれらの要素を再確認することによって日本文化のポテンシャリティを考えてみたい。昨年度の「日本文化持論―世界の中の日本文化」を受講した諸君の再訪も歓迎する。
グローバルメディア文化論(Global Media and Culture)
藤田 結子 非常勤講師 前学期 2−0−0
この授業では,今日,メディアがグローバル化するにつれ,私たちの社会や文化にどのような影響が及ぼされるのかを考察する。授業では,日本や欧米・東アジア諸国の映画やテレビ番組などを題材とし,社会学,文化人類学,カルチュラル・スタディーズなどの学際的アプローチから,グローバルなメディアの構造,内容,影響を分析していく。また,受講者の希望に応じて,ゲストスピーカーにメディア産業の現状について話を聞く機会を設けたい。
現代アメリカ文化論(American Culture in the Twentieth Century)
江崎 聡子 非常勤講師 前学期 2−0−0
自動車,ロック,ハリウッド映画,高層建築,野球,郊外都市,ショッピングモール,テーマパーク,テレビ,ジーンズ…。こういったものは現代のアメリカ文化の代表的要素であり,また同時にアメリカ文化が浸透した他地域の社会や文化を読み解くためのキーワードとなっている。授業では,こういったアメリカ文化の要素が,どういった社会的文化的背景のもとに誕生し形成され,その特質とは何か,そしてどのように世界的に浸透し偏在し,同時代,あるいは現代に生きる我々の思考や行動様式に影響を与え続けてきたのかという問題を考察する。とりわけ,美術,装飾美術(インダストリアルデザイン等も含む),写真,映画,建築,TVドラマやマンガなどのポップカルチャーに焦点をあて,視覚文化の方法論を念頭におきながら,これらのもつ問題を議論したい。
アート環境論(Art Environment Method)
°石井 勢津子 特任教授 佐野 清彦 非常勤講師 前学期 1−1−0
多様化する現在形のアートを切り口に多角的な視点からアートを見つめ,創造性と自由な発想について考え,学ぶことを目的とする。
前半ではヴィジュアルアートを中心に講義する。現代において,インスタレーション,ディジタルアート,ホログラフィなど表現方法は多様化し,コンセプチュアルアートから環境アートなどアートの概念も大きな広がりを見せている。講義では多数の作品のイメージドキュメントを紹介し,その創造性と発想について考え,学ぶ。後半では,音のアートを中心に講義する。音響・音楽文化を,人類の音への認識の深化として構造的に捉える。そして環境音楽デザインとそれをささえる東洋の芸術思想を学ぶ。
科学技術を目指す学生が,対岸のジャンルとしてではなく芸術を捉え見つめることで,しなやかな感性と考え方を育むことを目指している。
American Literature,
1850-Present
Stephen H.
Sumida 非常勤講師 前学期 2−0−0
This course is a study of major
authors and works of American literature. We will have dialogues about
multi-culturalism, gender, race, and other categories of “difference” and “diversity”in
American culture using the works as a basis of discussion.
American Ethnic Film Studies
Stephen H.
Sumida 非常勤講師 前学期 2−0−0
Five major films will be viewed
and discussed in this course. Each film represents American ethnic-cultural and
racial groups in distinctive ways. Discussions of each film will analyze and
critique these ethnic “representations,” themes and other narrative,
storytelling features, and artistic qualities.
東京研究(Tokyo Studies)
猪瀬 直樹 特任教授 後学期 2−0−0
東京はめまぐるしく変転する世界最大の都市である。東京に住みながら,誰もが“自分の東京”しかしらない。東京は広く深く,乱雑であるがゆえの魅力と謎に満ちている。そして日本の行く末を背負っている。
「10年後の東京」はどういう姿になっているか,考えたい。CO2削減など地球温暖化への取り組みについて東京独自の政策も検証する。
ポストモダンと情報社会(Postmodernity and Information Society)
東 浩紀 特任教授 後学期 2−0−0
「ポストモダン」「ポストモダニティ」は,毀誉褒貶があるが,現代社会・現代文化を考えるうえでいちどは理解しておきたい概念である。本講義では,「ポストモダン」の意味を明確にしたうえで,その条件として情報社会化を捉え直し,ポストモダンの概念の再構築を図る。参照される固有名は,リオタール,フーコー,ローティ,ノージック,レッシグなど。初心者向けなので,これらの著作を読んでいる必要はない。
映像文化論(Image Study)
高橋 世織 特任教授 後学期 2−0−0
20世紀の文化を検証する際,映像メディアを抜きには考えられないでしょう。サイレント映画が誕生したての頃は,身体感覚(視覚)が,当時のハイテクであるこの視覚メディアに対応出来ていませんでした。今日では想像出来ないような,たじろぎや戸惑い恐れの感覚が引き起こされました。また世界をフレームに掻き取って見たり考えたり,クローズアップする手法は映像が教えもたらしたものです。単なる映画史の授業とはちがいます。人は何を見せられ,見てきたのか,という視覚表象,感覚の文化史を取り扱います。今回は道化的身体とは何か?というテーマを基軸に話を進めていきます。
21世紀の記号思想(Semiotic Thought in the 21st
Century)
菅野 盾樹 非常勤講師 後学期 2−0−0
〈言語〉は絵画,音楽,ダンスなどとならぶ記号の一つの形態である。この認識をいわば公理として,われわれはいまいちど〈言語〉の正しいイメージを創出する必要に迫られている。
だが問題はそれほど単純ではない。ソシュールとパースが創設した〈記号学〉そのものが多くの問題をかかえているからだ。この授業では,まず20世紀型の記号学の批判的検討を行う。次いで,21世紀にあるべき哲学思想の方向性を具体的に模索したい。
精神医学入門(Introduction to Psychiatry)
松本 聡子 非常勤講師 後学期 2−0−0
人はそれぞれ異なる物事の捉え方(=認知)をするため,物質的な意味で同じ世界に存在していても「こころ」というフィルターを通して見る世界は十人十色です。
本講では,心理検査や心理療法を実際に体験して頂く傍ら,脳や遺伝子,薬理,神経伝達物質,診断基準などに関するトピックスも交えて幅広く精神医学というものを説明していく中で,こころの働きの不思議さを皆さんにご紹介する予定です。
芸術言語論(Theory of Art Language)
吉本 隆明 特任教授 °田中 理恵子 非常勤講師 後学期 2−0−0
本講義は,詩人・評論家の吉本隆明特任教授が自著および現代詩について語り下ろした「芸術言語論」講義ビデオを上映し,田中がその内容の注解を行う。
文芸評論やコミュニケーションの道具としての言語の様態とは一線を画した,「言語の芸術的価値」とはいかなるものであるのか。吉本氏の長年の課題であるこのテーマを中心に,今日の若い世代の現代詩についての吉本氏の見解を交えながら芸術言語表現をめぐる今日的意義を検討する。
メディアアート入門(Introduction to Media Art)
°中嶋 正之 教授 中村 泰清 非常勤講師 林 正樹 非常勤講師
前学期 1−1−0
従来のアート技術に立脚し,コンピュータを利用した画像,映像の制作に取り組む。まず,鉛筆によるアナログデッサンの講義により対象の正確な描画方法について学び,その後コンピュータを利用したデジタルデッサンに取り組む。さらにCGアニメーションの作成を試みる。後期に開講される,実際にインスタレーション作品を制作するメディアアート特論を希望する学生は本講義を受講することが望ましい。本講義の目的としては,21世紀をリードする新しいアートマインドを持つエンジニア系の学部学生を教育することである。まさに東工大が誇る21世紀文明を担う人材を育成する。
メディアアート特論(Advanced Media Art)
深野 暁雄 非常勤講師 後学期 1−1−0
コンピュータを利用した各種の画像,映像の製作方法理論について学び,実際に映像作品の制作に取り組む。最終的には,実際にチームを組んで,最先端のインスタレーション作品の制作に取り組む。なお,本講義の受講を希望する学生は,前学期に開講されるメディアアート入門を受講しておくことが望ましい。
ミュージックサウンド入門(Introduction to Music Sound)
未定 後学期 1−1−0
本講義では,主として,コンピュータを利用した,デジタル的な作曲に取り組む。まずデジタルによるミュージックの取り扱い方法,作曲の理論,実際の作曲方法について講義し,最終的には,各自がコンピュータを利用した作曲を行う。また,同時に,高精細,高品質なミュージックサウンド理論に関する講義を行う。本講義では,実際にデジタル・ミュージック作品の制作に取り組み,また音響理論などのより深いサウンド知識の取得することによる新しいアートマインドを持つエンジニア系の学部学生を育成することである。
映像ワークショップ2008(Filmmaking Workshop 2008)
未定 後学期 0−2−0
授業内容:未定
Media and Journalism in Japan A,
B
David
McNeill 非常勤講師 前学期A 後学期B 各2−0−0
This course will give students a practical
and theoretical introduction to the practice of being a journalist in Japan.
Aimed at those with an interest in journalism and the mass media, the course
offers instruction on news gathering, research, interviews and writing articles
as well as some insights into the difficulties – both local and general –
of producing an accurate picture of the world.
Coursework will include a mixture of essays and
discussion/presentations.
クリエイティブ・ライティング2008 A, B(Creative Writing 2008 A, B)
金子 靖 非常勤講師 前学期A 後学期B 0−2−0
毎回,英語で書かれた文章(新聞記事,エッセイ,小説)を日本語に訳してもらいます。英文の読み方,訳文の練り方,辞書の使い方,インターネットの調査方法など,翻訳に必要なことを,一緒に考えたいと思います。翻訳は毎回提出してもらいます。添削をして,返却します。提出された翻訳を通して,ディスカッションもしたいと思います。
パフォーマンスとコミュニケーションワークショップ2008(Performance and
Communication Workshop 2008)
たんげ さちこ 非常勤講師 後学期 0−2−0
表現することの楽しさ,また役を通して人間を理解することの面白さ,真に他者とコミュニケーションする喜び,どれもが“ドラマのもつ力”です。
ここでは,ベーシックな演劇体験(ゲーム,発声法,即興,等)を通して,個々のコミュニケーションや表現を妨げるものは何なのか?具体的に体を動かしながら自らを解放し,発見し,表現することを皆さんと一緒に探っていきます。
出版ワークショップ2008 A, B(Publication Workshop 2008 A,
B)
吉田 弘 非常勤講師 前学期A 後学期B 各0−2−0
「出版は文化のバロメーターである」と言われています。
その出版が新しいメディアの台頭,世に言う活字離れの中で揺れ動いています。新しいトレンドを創出するユニークなアイディアが切望されているのです。この出版・編集ワークショップでは,出版界の現状を知り,今後の展望を考えることに始まり,それぞれが選択したテーマに沿った小雑誌を制作します。
能楽ワークショップ2008 A, B(Noh Performance Workshop
2008 A, B)
中村 一路 非常勤講師 前学期A 後学期B 各0−2−0
能は絶対音感も運動神経も不要で,シンプルに強い声を出し,体の奥深い力で動いて表現します。ここでは,能の謡と舞の響きの美しさと表現の無限の広がりを体験し,能を歴史・演劇・音楽・文学・美術・哲学などの観点で分析します。
また,時の磨耗に耐えて磨かれた能の美とそこに込められる演者の力を味わう事で日本の文化芸術への興味と理解が深まればと思います。この時間を楽しむコツは,見えざるを見,聞こえざるを聞く感性−想像力と創造力を発揮することです。
歌舞伎ワークショップ2008 A, B(Kabuki Workshop 2008 A, B)
おくだ 健太郎 非常勤講師 前学期A 後学期B 各0−2−0
400年以上の歴史を持つ歌舞伎は日本の様々な美意識が結集したエンターテイメントです。理工系のさまざまな分野でこれから活躍していく方にもぜひ接していただきたい。
自分の国の文化や芸術に等身大の親しみを持つことこそ,これからの時代に一番大切な「国際感覚だと思うのです。
歌舞伎未体験の方こそ大歓迎です。
芸術ワークショップ2008 A(Art Workshop 2008 A)
未定 前学期 1−1−0
世界を代表するコンテンポラリーダンサーであるジャン・ローレン・サスポータス(2007年京都章を受賞した,ドイツ,ブッパタールのピナバウシュが主催する,舞踏団の主要ダンサー)が私たち自身の内外,文化の内外からの異邦からのまなざしによって,現代を見つめ,身体によって多様な表現を参加者とともに作り出す。『身体をとおした異邦からの眼差し』をテーマとする集中ワークショップ。身体を使うこと,特にコンテンポラリーダンスに深い興味のある学生に対して,ダンスを単なる様式美からでなく科学的分析と内面からの表現として捉え講義,ダンスの実習,鑑賞と討論をワークショップ形式で行う。
芸術ワークショップ2008 B(Art Workshop 2008 B)
未定 後学期 0−1−0
授業内容:未定
世界文明2008A,B(World Civilizations 2008 A, B)
°ロジャー・パルバース 教授 橋爪 大三郎 教授 前学期A 後学期B 各1−0−0
世界文明センターのレクチャー,講演会,研究会,シンポジウムなどに一定数以上参加して,人類文明の達成と将来を展望し,思索を深めるなかから,21世紀に生きる科学者・技術者・ひとりの人間としての各自の課題を掘り下げ,レポートにまとめる。