U 文明科目

 

日本文化特論U(Special Study of Japanese CultureU)

大久保 喬樹 非常勤講師  前学期  2-0-0

<日本文化の世界的可能性>

浮世絵が19世紀ヨーロッパ美術に大きな影響を与え、印象派絵画の美学成立にかかわった例に代表されるように、日本文化には世界的に通用するようなさまざまな可能性が潜在している。それらの要素を、浮世絵、茶の湯、工芸、俳句、漫画などの具体例に即して再確認することにより、日本文化のポテンシャリティを考えてみたい。-昨年度までの「日本文化持論」を受講した諸君の再訪も歓迎する。

 

日本文化特論(Special Study of Japanese Culture)平成21年度休講

大久保 喬樹 非常勤講師    2-0-0

 

メディア文化論(Media and Culture)平成21年度休講

藤田 結子 非常勤講師  前学期  2-0-0

 

現代アメリカ文化論(American Culture in the Twentieth Century)

江崎 聡子 非常勤講師  前学期  2-0-0

 自動車,ロック,ハリウッド映画,高層建築,野球,郊外都市,ショッピングモール,テーマパーク,テレビ,ジーンズ…。こういったものは現代のアメリカ文化の代表的要素であり,また同時にアメリカ文化が浸透した他地域の社会や文化を読み解くためのキーワードとなっている。授業では,こういったアメリカ文化の要素が,どういった社会的文化的背景のもとに誕生し形成され,その特質とは何か,そしてどのように世界的に浸透し偏在し,同時代,あるいは現代に生きる我々の思考や行動様式に影響を与え続けてきたのかという問題を考察する。とりわけ,美術,装飾美術(インダストリアルデザイン等も含む),写真,映画,建築,TVドラマやアニメーションなどのポップカルチャーに焦点をあて,視覚文化の方法論を念頭におきながら,これらのもつ問題を議論したい。

 

アート環境論(Art Environment Method)

°石井 勢津子 特任教授  佐野 清彦 非常勤講師  前学期  1-1-0

多様化する現在形のアートを切り口に多角的な視点からアートを見つめ,創造性と自由な発想について考え,学ぶことを目的とする。

前半ではヴィジュアルアートを中心に講義する。現代において,インスタレーション,ディジタルアート,ホログラフィなど表現方法は多様化し,コンセプチュアルアートから環境アートなどアートの概念も大きな広がりを見せている。講義では多数の作品のイメージドキュメントを紹介し,その創造性と発想について考え,学ぶ。後半では,音のアートを中心に講義する。音響・音楽文化を,人類の音への認識の深化として構造的に捉える。そして環境音楽デザインとそれをささえる東洋の芸術思想を学ぶ。

科学技術を目指す学生が,対岸のジャンルとしてではなく芸術を捉え見つめることで,しなやかな感性と考え方を育むことを目指している。

 

東京研究(Tokyo Studies)

猪瀬 直樹 特任教授  後学期  2-0-0

 東京はめまぐるしく変転する世界最大の都市である。東京に住みながら,誰もが“自分の東京”しかしらない。東京は広く深く,乱雑であるがゆえの魅力と謎に満ちている。そして日本の行く末を背負っている。

「10年後の東京」はどういう姿になっているか,考えたい。CO2削減など地球温暖化への取り組みについて東京独自の政策も検証する。

 

日本の近代(The Distinctive Character of Japanese Mpdernization)平成21年度休講

猪瀬 直樹 特任教授  2-0-0  

 

情報社会の思想(Philosophy on/in the Information Society)

    東  浩紀 特任教授  後学期  2-0-0

 講師の専門は哲学であり現代思想である。哲学や思想は、工業大学に学ぶみなさんにとってあまりに縁遠いかもしれない。しかし本当にそうだろうか。情報社会のなかで哲学や思想をどのように活かすのか、ルソーからノージックを通ってローティやデリダまでを追いながら講義したい。

 

ポストモダンと情報社会(Postmodernity and Information Society)平成21年度休講

東  浩紀 特任教授  後学期  2-0-0

 

映像文化論(Image Study)

高橋 世織 特任教授  後学期  2-0-0

 映画はムービング・ピクチャーというように既存の長い歴史を持つ絵画・美術史とそのフレーミングをなぞっていることを、チャップリン等を事例に検証します。リュミエール兄弟の起源いらい《労働》、《食事》、《祝祭・祭礼》の3シーンを主軸にレンズが向けられた映画。チャップリンの「モダンタイムス」(1936)を中心に、機械と身体、労働、スポーツ、声、都市の音響の諸問題を見世物文化の歴史的な射程から再検討。毎回、近代化(モデルニテ)とは何だったのだろう、という大きな問いのもとに講義を進めます。本年は、《声と映像》に特化して考察。

 

21世紀の記号思想(Semiotic Thought in the 21st Century)

菅野 盾樹 非常勤講師  後学期  2-0-0

現代の記号学ないし記号論の創始者が、19世紀末から20世紀初頭を生きたソシュール(スイス)とパース(アメリカ)であることは広く知られている。授業では、この二人の業績を絶えず参照しながら、(1)21世紀の今あらためて記号学の構想に批判的考察を施し、(2)記号学の本来の目的と意義を明らかにし、(3)とりわけ新たな<言語観>を描くことを通じて、<記号>というキーコンセプトを機軸とした<哲学思想>の探究を試みたい。なお本授業を聴講するために、哲学ならびに記号学に関する予備知識はとくに必要としない。

 

精神医学入門(Introduction to Psychiatry)

松本 聡子 非常勤講師  後学期  2-0-0

 人はそれぞれ異なる物事の捉え方(=認知)をするため,物質的な意味で同じ世界に存在していても「こころ」というフィルターを通して見る世界は十人十色です。

 本講では,心理検査や心理療法を実際に体験して頂く傍ら,脳や遺伝子,薬理,神経伝達物質,診断基準などに関するトピックスも交えて幅広く精神医学というものを説明していく中で,こころの働きの不思議さを皆さんにご紹介する予定です。

 

芸術言語論(Theory of Art Language)

吉本 隆明 特任教授  °田中 理恵子 非常勤講師  後学期  2-0-0

本講義は,詩人・評論家の吉本隆明特任教授が自著および現代詩について語り下ろした「芸術言語論」講義ビデオを上映し,田中がその内容の注解を行う。
 文芸評論やコミュニケーションの道具としての言語の様態とは一線を画した,「言語の芸術的価値」とはいかなるものであるのか。吉本氏の長年の課題であるこのテーマを中心に,若い世代の現代詩作品についての吉本氏の見解を交えながら,芸術言語表現をめぐる今日的意義を検討する。

 

メディアアート入門(Introduction to Media Art)

°中嶋 正之 教授  中村 泰清 非常勤講師  林  正樹 非常勤講師  

前学期  1-1-0

従来のアート技術に立脚し,コンピュータを利用した画像,映像の制作に取り組む。まず,鉛筆によるアナログデッサンの講義により対象の正確な描画方法について学び,その後コンピュータを利用したデジタルデッサンに取り組む。さらにCGアニメーションの作成を試みる。後期に開講される,実際にインスタレーション作品を制作するメディアアート特論を希望する学生は本講義を受講することが望ましい。本講義の目的としては,21世紀をリードする新しいアートマインドを持つエンジニア系の学部学生を教育することである。まさに東工大が誇る21世紀文明を担う人材を育成する。

 

メディアアート特論(Advanced Media Art)

中嶋 正之 教授  白井 暁彦 非常勤講師

後学期  1-1-0

 従来のアート技術に立脚し、コンピュータを知要する実際のメディアアート作品の制作に取り組む。

 目的としては、21世紀をリードする新しいアートマインドを持つエンジニア系の学部学生を教育することである。まさに東工大が誇る21世紀文明を担う人材を育成する。

 

ミュージックサウンド入門(Introduction to Music Sound)

河野 土洋(かわの・くにひろ) 特任教授  宮原 誠 非常勤講師  後学期  1-1-0

理工系学生のクリエイティブなセンスを刺激する上で、アートの世界に触れてみることは非常に大切なことです。「サザエさん」の音楽などで活躍中の本学出身の作編曲家・特任教授が講義を担当。
 時代が変わり、音楽を生み出す機器が従来からの生楽器(acoustic)に取って代る勢いを見せ、現在では多くの音楽制作がいわゆる「打込み音楽」に殆ど委ねられるようになって来ています。
 講義では、従来の作曲編曲の理論に加えて、近年隆盛してきたコンピュータ・コントロールによる音楽制作(作曲)を課題とし、クラシックとポピュラーの双方の理論と実際を取り上げ、人間にのみ与えられた音楽の深淵に挑んで行こうとするものです。
 コンピュータの特徴である、大量データの迅速処理、コピー&ペーストという機能などを音楽にどう取り込んでいくか、また人間の演奏技術をはるかに越えた超絶技巧によるパッセージ、電源を切るまで演奏し続ける無限ループ音楽、そして、従来からの楽器の音色を越えた未体験の音色をどう扱っていくかなど、多くの音楽を実際に聴きながら、アートと工学におけるクリエイティブなセンスを感覚的に捉えていく。

 

映像ワークショップ2009A,B(Filmmaking Workshop 2009A,B)

班 忠義 非常勤講師   前学期A 後学期B  0-2-0

社会派ドキュメンタリー映画を独自の視点で制作できる人間を育てる。

社会や人間、歴史などを主眼として独自の考察力と表現力を持って、ドキュメンタリー映画を制作する。その力と個性を引き出すことを目的とする。

 

翻訳教室2009A,B(Translation Workshop 2009A,B)

金子  靖 非常勤講師  前学期A 後学期B  0-2-0

毎回,英語で書かれた文章(新聞記事,エッセイ,小説)を日本語に訳してもらいます。英文の読み方,訳文の練り方,辞書の使い方,インターネットの調査方法など,翻訳に必要なことを,一緒に考えたいと思います。翻訳は毎回提出してもらいます。添削をして,返却します。提出された翻訳を通して,ディスカッションもしたいと思います。英語の効果的な学習方法もアドバイスしたいです。

 

パフォーマンスとコミュニケーションワークショップ2009A,B(Performance and Communication Workshop 2009A,B)

たんげ さちこ 非常勤講師  前学期A 後学期B 0-2-0

 表現することの楽しさ,また役を通して人間を理解することの面白さ,真に他者とコミュニケーションする喜び,どれもが“ドラマのもつ力”です。

 ここでは,ベーシックな演劇体験(ゲーム,発声法,即興,等)を通して,個々のコミュニケーションや表現を妨げるものは何なのか?具体的に体を動かしながら自らを解放し,発見し,表現することを皆さんと一緒に探っていきます。

 

出版ワークショップ2009 A, B(Publication Workshop 2009 A, B)

吉田  弘 非常勤講師  前学期A 後学期B  各0-2-0

「出版は時代の文化を映す鏡である」と言われています。

出版業界はいま、新しいメディアの台頭、若者の活字離れの中で揺れ動いています。ニーズに応えることのできる新しいトレンドの創出が切望されているのです。この出版・編集ワークショップでは,学生がそれぞれに選択したテーマに沿って小雑誌を制作します。企画、取材、撮影、デザイン、印刷までの行程を全て自ら体験することによって、豊かな発想、明快なプロモーションを身に着ける一助となればと考えます。

 

能楽ワークショップ2009 A, B(Noh Performance Workshop 2009 A, B)

中村 一路 非常勤講師  前学期A 後学期B  各0-2-0

 能は絶対音感も運動神経も不要で,シンプルに強い声を出し,体の奥深い力で動いて表現します。ここでは,能の謡と舞の響きの美しさと表現の無限の広がりを体験し,能を歴史・演劇・音楽・文学・美術・哲学などの観点で分析します。

 また,時の磨耗に耐えて磨かれた能の美とそこに込められる演者の力を味わう事で日本の文化芸術への興味と理解が深まればと思います。この時間を楽しむコツは,見えざるを見,聞こえざるを聞く感性-想像力と創造力を発揮することです。

 

歌舞伎への招待2009(An Invitation to Kabuki 2009) 前学期  2-0-0

歌舞伎への美学2009 (The Aesthetics of Kabuki 2009)後学期  2-0-0

おくだ 健太郎 非常勤講師    

 400年以上の歴史を持つ歌舞伎は日本の様々な美意識が結集したエンターテイメントです。理工系のさまざまな分野でこれから活躍していく方にもぜひ接していただきたい。

自分の国の文化や芸術に等身大の親しみを持つことこそ,これからの時代に一番大切な「国際感覚」だと思うのです。

歌舞伎未体験の方こそ大歓迎です。

 

芸術ワークショップ2009A,B(Art Workshop 2009 A,B)

未 定  前学期A 後学期B  1-1-0

世界を代表するアーティストから直接、現代アートに関して深い興味のある学生に対して講義、アートの実習、鑑賞と討論をワークショップ形式で行う。

 

現代アートワークショップ2009A,B(Modern Art Workshop 2009A,B)

ズザネ・マイヤー 非常勤講師  前学期A 後学期B 0-2-0

 In this course the students will produce art works, experimenting with different materials and mainly learning how to express themselves by the means of light and shadow in drawing, painting and by other means.

The workshop will be inspired and based on the art works of main European and American artists from the past up to today, whom I will introduce with lots of visual materials in the first 90 minutes of each class.

After the end of the course students will have the chance to show their art works in a group exhibition.

Trained academic skills are not required.

 

エスペラントの世界A,B(The World of Esperanto A,B)

   佐々木 照央 非常勤講師  前学期A 後学期B 2-0-0

 19世紀末にロシア統治下のポーランド系ユダヤ人ザメンホフによって作られた世界共通語エスペラントを学び、外国語速習法を教える。前半の講義では2ヶ月間(8回)で文法の基礎、その後2ヶ月でアンデルセン童話を読む。同時に会話、作文の訓練もする。試験のために訓練されてきた英語と異なり、その足かせがない場合には極短期間で高度の水準に到達できることを体験させる。

 後半の学期には受講者の意向も聴きながら、世界語の古典的文献、世界文学のエスペラント訳、現代のエスペラント文献などを使い、語学力(英語、日本語、その他)の向上をはかる。エスペラント語を通じて、ナショナリズムとインタナショナリズムの問題を考察させる。前半から継続して聴講することが望ましいが、後半の学期から初めて出席する者は初等文法を最初の一月間で学習しておくこと。教科書は30ページ以内なので、自学自習が可能である。

 

日本とアジア(Japan and Asia)

ガバン・マコーマック 非常勤講師  前学期  1-0-0   

長年脱亜こそが至上命令であった近代日本はアジアとは対立的関係にあった。しかし、「アジア主義」に続いて「大東亜主義」が宣言され、アジアの解放者としてアジア支配を唱える日本帝国はアジアに回帰する態度をとるなど、脱亜は極めてあいまいなものであった。20世紀末になってから、日本の近隣諸国が経済的にも政治的にも高度に成長すると、日本はアジア諸国とはじめて基本的に対等な新しい関係を築く必要性に迫られたのであった。このコースでは、日本の対アジア関係の変化と今、日本が直面する問題に焦点を当てる。
原則としては、授業は日本語で行うが、みな英語を読めると考えていますし、場合によってクラスで英語を使うかもしれません。

 

Japanese Constitutionalism(Japanese Constitutionalism)

ガバン・マコーマック 非常勤講師  前学期  1-0-0 

Japan's post-war constitution, adopted in 1946 and in operation since 1947, has been a lasting legacy of the US occupation. How was it drafted and adopted? How has it survived so long without revision? How have its ore provisions - for pacifism, human rights, and popular sovereignty - stood the test of time and how has the constitution been adopted and interpreted by Japan's political and legal institutions and within Japan's society at large? What is the relationship between the constitution and Japan's international treaty obligations, especially under the security treaty with the US? Within a comprehensive frame, particular attention will be paid to Article 9 (the "peace clause").