[1][2]

〔教 授 要 目〕

技術経営戦略第一(Management Strategy of Technology I)

 前学期 1−1−0  森  欣司 教授

技術からマーケットの創出,また,マーケットから技術の創出について,マーケティング,組織,研究開発,ファイナンスの戦略の面から講義する。ここでは,日本を代表する企業のケース教材をもとに,環境状況の変化に対応すべく戦略策定のための概念,ツール,検証法,などを習得させ,演習を通し,戦略策定の実践的能力を養う。なお,インターンも実施する。

技術経営戦略第二(Management Strategy of Technology II)

 後学期 1−1−0  森  欣司 教授

マーケット,技術等の変化とマーケットの多様化に伴いバリューチェーンの構造が変化するようになった。それに対応すべく,研究開発,製造,流通,販売の各フーズでの戦略,バリューチェーンの組み換えとチェーンに沿った戦略をマーケティング,組織,研究開発,ファイナンスの面から講義する。ここでは,日本のマーケットと企業文化に根ざした対応とグローバル競争に対応すべく,日本を代表する企業のケース教材をもとに,戦略策定のための概念,ツール,検証法等を習得させ,演習を通し,戦略策定の実践的能力を養う。なお,インターンも実施する。

経営者論セミナー(CEO Seminar)

 前学期 0−2−0  田辺 孝二 教授

経営・技術経営のあり方,MOTに卓越した経営者に必要な資質等について,企業トップをゲストとして招き,ゲストの講演とそれに対する代表質問,討議,議論の総括を通じて,習得させる。グループ活動を通して,リーダーシップ等を養う。

企業実践セミナー(MOT Practice Seminar)

 後学期 0−2−0  田辺 孝二 教授

優れた技術経営を実施している企業から実践的な技術経営を学ぶために,ゲスト企業を招き,具体的な実践例の講演とそれに対する質疑応答,討議を通じて,イノベーション創出マネジメント等の実践的な戦略と手法を習得させる。

技術経営概論(Strategic Management of Technology)

 前学期 2−0−0  宮崎久美子 教授

技術経営戦略を構築する上での基礎として必要な理論や諸概念について最低限知っておくべき知識を習得することを目標とする。具体的にはイノベーションモデル,分野別のイノベーションの形態,技術競争力の蓄積,技術多角化戦略,技術ポートフォリオの管理,技術提携戦略,技術経営に関わるツールや研究開発のマネジメントについて論ずる。グループ作業,ディベート,論文作成,プレゼンテーション等を通じて習得させる。

1st Semester 2−0−0  Professor MIYAZAKI, Kumiko

This course aims to teach the basic concepts, tools and theories needed for strategic management of technology. The topics covered include, innovation models, sectorial models of innovation, technological competence building technological diversification strategy, technology portfolio management, strategic alliances and management of research and development. Students are assessed by class participation, individual presentations, group work, debate and end of term report.

技術戦略論(Strategies and Systems of Innovation)

 後学期 2−0−0  宮崎久美子 教授

技術経営戦略に関する課題について,企業,産業,国家的なイノベーションシステムのレベルで個別にとりあげて論ずる。具体的には,実証研究をふまえながら,情報通信,家電,医薬品,自動車,ロボットなどのハイテク産業をとりあげ,技術経営戦略論の観点に立って解説する。また,グローバル化,ナショナルイノベーションシステムについても探究する。本講では,ケーススタディーなどを通じた形式も取り入れ,討論,プレゼンテーション,論文作成などを通じて習得させる。

(本講を受講する前に技術経営概論を受講しておくことを勧める。)

2nd Semester 2−0−0  Professor MIYAZAKI, Kumiko

This course relates to the various agenda concerning technology strategy at the level of the firm, industry and national systems of innovation. Based on empirical research findings, technology strategies in sectors such as information and communications, consumer electronics, pharmaceuticals, automobiles and robotics will be analyzed. Strategies towards globalization and national systems of innovation in different countries will also be examined. Students are assessed by class participation, case studies, presentations and end term report.

(It is recommended that students take the course on Strategic Management of Technology in advance)

イノベーション論(Innovation Management)

 前学期 2−0−0  藤村 修三 教授

「イノベーションとは経済的成功を伴う改革行為」という基本定義に基づき,考えられる改革オプションから経済的成功を伴う改革(イノベーション)を選び取る確率,イノベーションの確率について解説する。さらに,「設計パラメータ⇔製品機能⇔顧客の効用⇔市場価値」という製品開発と市場との関係を技術の構造を踏まえて整理し,プラットフォーム・リーダーシップやモジュール化などの比較的新しい概念について講義する。

R&D戦略(Strategic Management for Research and Development)

 後学期 2−0−0  藤村 修三 教授

研究開発の戦略を考える上で基本となる,「科学」「技術」,「研究」「開発」,「基礎」「応用」といった概念の整理を行った上で,技術の構造を個別の技術の内容にとらわれない一般化した概念として習得させる。その上で,要素技術を集積して製品であるシステムを構築すると言う観点から,科学知,技術知,技能の役割と扱いを整理し,リニア・モデル,第二種基礎研究,ジェネリック・テクノロジーの意味を明らかにした上で,テクノロジー・マーケティングや戦略的提携の意味とあり方について講義する。

技術マーケティング(Technology Marketing)

 前学期 2−0−0  長田  洋 教授

優れた製品やサービスを顧客に提供するためのマーケティングを製品,価格,流通経路,販売促進などの4P及びビジネスモデルなどの観点から解説する。次に,製品技術や情報技術などがマーケティングに与える影響や関連性を理論的・実証的に述べ,事業促進に直結する技術戦略のあり方を考察する。

品質マネジメント(Quality Management)

 後学期 2−0−0  長田  洋 教授

製品やサービスの質を高めるための方法論である品質マネジメントについて統計的品質管理,全社的品質管理,全社的品質経営という品質マネジメントのフレームワークの変遷を企業経営の進展や経営課題と関連づけて解説する。次に,品質マネジメントのコンセプト,手法,企業経営に与えるインパクトなどを豊富な事例により解説し,現在の品質マネジメントの主な対象である経営品質についてその評価方法,経営品質向上のための戦略策定法,プロセスの質向上の方法,技術マネジメントなどを述べる。受講者の希望により英語開講を行う。

2nd Semester 2−0−0  Professor OSADA, Hiroshi

Quality Management (QM) as powerful management method to increase quality of product and service is studied covering Statistical Quality Control, Total Quality Control and Total Quality Management. The concept, methods and application examples of QM are explained through case studies. Finally, leading edge methods in QM for improving management quality such as assessment method on management quality, strategic policy management, etc. will be introduced.

技術と産官学連携(Innovation and Industry-Government-University Relations)

 前学期 2−0−0  田辺 孝二 教授

産官学連携によるイノベーション創出をマネジメントするために必要となる,産官学連携の基本的考え方,産官学連携の日本及び世界の動向,大学・政府機関の研究開発特性,産官学連携推進制度,産官学連携による研究開発プロジェクトの企画・運営方法,知的財産の帰属方法等について習得させる。

授業では,産官学連携の具体的事例を数多く提示するとともに,日本のインスティテューション(社会・経済・文化・習慣・制度・政策等の時代的環境をも包含する総合システム)の特性を考察する。

コンピテンシー・ディベロップメント(Competency Development)

 後学期 1−1−0  田中 義敏 助教授

マネジメント能力の重要なファクターとしてのコンピテンシーを,心理学の発展過程の中から歴史的に理解するとともに,米国におけるコンピテンシー論の発展過程を概観する。その上で,これまで体系化されてきた基本コンピテンシー,職種ごとに求められるコンピテンシーの基礎的知識を習得する。実践的な訓練として,受講生が期待する将来の職務上の役割を事例として,その職務遂行に必要なコンピテンシーモデルを,グループディスカッションによって策定していく。自らの価値観に基づき,自ら行動を起こしていく能力を身につける教育の一助として位置付けられる。さらに,技術系のバックグラウンドを有する者がマネジメント領域にチャレンジしていく際に必要となる自らのコンピテンシー開発必要性の気付きをもたらす。

ネット社会のビジネスモデル(Business Models in Net-Society)

 前学期 2−0−0  比嘉 邦彦 教授

インターネットの世界的普及は,生産者と消費者の直結を可能とし,市場へのアクセス制限・制約の多くを取り除いた。その結果,このネット社会に対応したいくつもの新たなビジネスモデルが生まれて来ている。ここでは,事例を通して,新たなビジネスモデルについて,それらの優位性や問題点などについて従来のビジネスモデルと比較分析しながら学習する。また,それらの新たなビジネスモデルについての既存ビジネスへの応用方法についても習得する。受講者の希望により英語開講を行う。

1st Semester 2−0−0  Professor HIGA, Kunihiko

The worldwide diffusion of the internet made the direct link between producers and consumers possible and access to various markets easy. As a result, many business models fit to this new net-society have been emerging. In this class, these new models will be examined, compared, and discussed. Also how to apply these new models to the existing business will be studied.

組織戦略とIT(Information Technology for Organizational Strategy)

 後学期 2−0−0  比嘉 邦彦 教授

工業化社会から情報・知識社会への移行に伴い,急激な市場変化への迅速な対応及びコスト効率の高い組織構造が求められている。ここでは,その様な要求に応える組織構造について学習する。さらに,組織戦略としての組織構造改革・組織改革について学び,既存の組織構造から新型の組織構造へ移行する際の移行ツールとしてのITの使用方法について習得させる。また,情報・知識社会におけるビジネス戦略ツールとしてのITの役割についても習得させる。受講者の希望により英語開講を行う。

2nd Semester 2−0−0  Professor HIGA, Kunihiko

As the society shifting from the industrial society to the knowledge society, many organizations are facing the existing high-cost structure and inflexibility to respond to the drastic changes in their corresponding markets. In this class, a new organizational structure with high cost-performance and flexibility will be discussed. Particularly the use of information technology for organizational innovation and organizational restructuring will be studies. Also the role of information technology as a strategic business tool will examined.

セキュリティマネジメント(Security Management)

 前学期 2−0−0  尾形わかは 助教授

情報セキュリティマネジメントの必要性,重要性,及びその実施における手順を理解することを目的とする。情報セキュリティインシデントの例示と分類,情報セキュリティポリシーの策定と個人情報保護,ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の構築,ISMS適合性評価制度の概要など。

企業経営と知的財産活動(Corporate Management & Intellectual Property Activities)

 後学期 2−0−0  田中 義敏 助教授

知的財産がビジネスの強化・成長に貢献するためには,知的財産活動が企業経営に近い存在であり,知的財産活動が経営戦略の遂行に積極的に参画したものでなければならない。専門知識のみに特化した知的財産活動に止まらず,企業経営の目標及びその達成に必要な経営指標を共有すること,すなわち,知的財産活動と企業経営のドッキングが必要である。その手法として,ある企業事例について,設定された経営目標を知的財産活動に落とし込んでいくためのグループディスカッションを行い,知的財産活動を企業経営に結びつける訓練を行う。さらに,製造部門,営業部門,人事部門,財務部門など,企業活動の各機能部門における知的財産活動について学び,全社的に企業が保有する知的財産の有効活用を図るために必要な知識を習得する。

国際知的財産(International Intellectual Property Management)

 前学期 2−0−0  田中 義敏 助教授

知的財産立国を標榜し,我が国の優れた技術シーズを基に21世紀の我が国の国際競争力の回復に向けた動きが活発化している。一方,グローバル経済及び国境を越えた技術移転の進捗の中,我が国の独自の技術シーズを知的財産制度のもとで国際的に適切に保護しておくことが必要である。知的財産権の基礎的事項から始まり,国際条約,協定,各国制度を学びながら,知的財産の役割を理解していく。また,国際的な知的財産の歴史を振り返り,その役割の多様性を理解する。さらに,知的財産を巡る国際的動向を概観し,企業が構築すべき国際的特許戦略を考える。日米欧の三極の簡単な制度比較を試みるとともに,コピー製品の事例等を用いたグループディスカッションを通じ,企業が国際進出していく際の留意事項などについて理解を深める。

IPマネジメント(Intellectual Property Management)

 前学期 2−0−0  京本 直樹 教授

米国のプロパテント政策,国及び企業が打ち出した知的財産戦略を通じて知的財産権の重要性を習得させる。また,知財力のベースとなる特許ポートフォリオ構築の意義とこれに基づく発明の創造と取得した権利の活用のための戦略について詳説し,企業・大学において知的財産戦略策定・実施に知的財産マネージメントの導入が不可欠であることを講義する。具体的な企業の知的財産戦略,係争事例を用い,より実践的な方法により理解を深める。

R&D戦略と知的財産戦略(R&D Strategy & Intellectual Property Strategy)

 後学期 1−1−0  京本 直樹 教授

有力企業のR&D戦略と知的財産戦略を理解し,発明の創造,権利化,活用を最適に行うためにR&D戦略と知的財産戦略はいかに連携を取るべきかにつき習得させる。ヒアリング,アンケート等を通じて収集した有力企業のR&D戦略と知的財産戦略の実体と関連組織,知的財産活動の結果,特に,事業利益等に大きく貢献した知的財産活動の実例等から望ましい知的財産戦略遂行体制の構築のための必要条件を習得させる。今後益々重要性を増すR&D戦略と知的財産戦略の連携という切り口から企業の実態を捉え,実務的,実践的な観点での知識習得をケーススタディも取り入れて実施する。

知的財産権法(Intellectual Property Rights Law)

 前学期 2−0−0  佐伯とも子 教授

知的財産を権利として保護したり,活用したりするために基礎となる知的財産権に関連する法律についての知識を習得させる。最初に知的財産権法全体を概観し,特許法,商標法などの産業財産権法,著作権法,その他関連の各法律・条約について講義する。

実践知的財産保護(Practice for Intellectual Property Protection)

 後学期 1−1−0  佐伯とも子 教授

実践的な習得を目的とし,知財の保護という面から求められる,知的財産に関する情報の検索や分析の手法,知的財産を権利として取得するための手続過程及び権利化防止のための手続過程での手法,考え方,対応などについて講義し,初期の段階からより高度のものまで段階的に適宜事例を用いる演習を行うことにより習得させる。

コーポレートファイナンス(Corporate Finance)

 後学期 2−0−0  中川 秀敏 助教授

技術経営においては,R&Dや製品開発の段階における投資の意思決定や資金調達の方法が重要なテーマであり,その問題解決にあたっては企業の財務戦略と切り離すことはできない。

本講義では,

・債券や株式等の実践的な資産価値の評価手法

・資金融資元である金融機関が用いているリスク評価手法から見た技術経営上の財務戦略

・R&Dプロジェクトにおける技術リスクやキャッシュフロー変動リスクを考慮したリアルオプション的な投資戦略(継続,延期,中止)の分析とそれに適合する資金調達戦略

を主なテーマにして,実際の活用例や最新の研究論文なども紹介しながら,企業ファイナンスの基本的な考え方を学習する。

ファイナンス応用(Advanced Finance)

 後学期 2−0−0  二宮 祥一 教授

本講義では,金融機関におけるリスク管理のうち,特に派生商品(デリバティブズ)に関わる部分について講義する。そこで用いられる理論(金融数学)と技術の中から幾つかのトピックを選んで解説する。

金融リスク・マネジメント(Financial Risk Management)

 前学期 2−0−0  中川 秀敏 助教授

技術経営を実践する際の困難な問題として,環境や技術革新等の不確実性に起因する複雑なリスク要因をファイナンスの観点と絡めて具体的に定量化しなければならないことが挙げられる。とりわけ資産や負債の価値変動に直接関係する金利や不動産価格の変動リスクや,債権のある取引先の財務安定性に関するリスクをどのように定量化し,管理するかは無視できない重要な問題である。

本講義では,以下のようなリスクを定量化する手法について解説する。

・保有する金融資産(株式,債券,不動産)や負債の価格変動や流動性に関する市場リスク

・取引先の不渡りや倒産,それにともなう損失を扱う信用リスク

・ヒューマンエラーやシステムエラーに関するオペレーショナルリスク

について一般的な考え方および具体的な計量化手法を解説した上で,実際のデータを用いてリスク計量から管理に至る一連のプロセスを経験し,理解を深める。

金融工学(Financial Engineering)

 前学期 2−0−0  二宮 祥一 教授

本講義では,現代の数理ファイナンスの基礎である,金融派生商品(デリバティブズ)の理論への入門である。金融派生商品とは何かから始まり,金融機関に於いてどのように扱われているかについて講義する。

技術経営インターンシップI(MOT Internship I)

 前学期 0−0−2  各教員

技術経営インターンシップII(MOT Internship II)

 後学期 0−0−2  各教員

企業における技術経営を1ヶ月間体験することにより,実践的な技術経営に関する能力やリーダーシップを養う。履修はI,IIのいずれかとする。履修に際して指導教員と事前に相談すること。

技術経営インターンシップIII(MOT Internship III)

 前学期 0−0−6  各教員

技術経営インターンシップIV(MOT Internship IV)

 後学期 0−0−6  各教員

企業における技術経営,または企業活動と関連する共同研究・実験等を,3ヶ月以上体験することにより,技術経営リーダーに必要とされる実践的な技術経営に関する能力やリーダーシップを養う。履修はIII,IVのいずれかとする。履修に際して指導教員と事前に相談すること。

技術経営講究第一 前学期 1単位  各教員

技術経営講究第二 後学期 1単位  各教員

技術経営講究第三 前学期 1単位  各教員

技術経営講究第四 後学期 1単位  各教員

(Colloquium in Management of Technology I−IV)

技術経営戦略,知的財産,ファイナンス,情報技術などの分野から選択したプロジェクトテーマについて,調査計画の立案,文献調査,データ収集・分析を行う。


[1][2]