〔教 授 要 目〕
66001
価値構造(Value Structures)
前学期 2−0−0 桑子 敏雄 教授
社会的合意形成手法についてワークショップ形式の授業を行う。
66002
感性認知科学(Advances in Cognitive Science)
後学期 2−0−0 徃住 彰文 教授
認知科学と感性科学の最先端について,研究の動向をまとめ展望する。言語,思考,感情などの高次認知過程と,美学(文学,詩学,音楽)などの高次感性過程が本講義の対象である。
66041
COE21-LKR認知的知識資源論(COE21-LKR Cognitive Approaches to the Knowledge Resource Study)
前学期 2−0−0 往住 彰文 教授
知識資源の設計,収集,獲得,蓄積,利用に関する基本知識を整理する。特に,認知科学的観点から知識資源研究にアプローチするための基本技能の習得をめざす。知識資源を,文字,記号,文書,知識資源,大規模知識資源として扱う方法を概観し,電子的(ディジタル化した)表現法,計算的(プログラミング言語やツールによる)操作法の基礎を学ぶことが主たる内容である。
66003
言説編成(Discourse Formation)
後学期 2−0−0 橋爪大三郎 教授
事実報道,法律,科学論文から始まって宗教,物語,神話に至る様々な言説について,テキストの内部編成,論理構造,反証メカニズム,実証法,論理操作などを解明するのが,言説編成である。授業は,毎年個別のテーマを選んで,情報発信や意思決定など具体的な言説編成の場面を実例を通して学ぶ。
66022
芸術文化論(Art and Culture)
後学期 2−0−0 岸 輝 准教授
古今東西のあらゆる造形芸術を研究の対象とする美術史学は,作品の様式(スタイル)を年代に沿って比較しながら,各地域における文化の規範性や特殊性を見出していく。こうした方法論は,現代社会において我々の生活を取り巻くあらゆる造形の分析に適用可能である。講義では,まず日本美術を例にとり作品解析の手法を紹介し,次に受講者それぞれの研究分野に関わるモノのカタチに関する研究発表と討議を行いたい。
66005
比較価値論(Comparative Studies on Value Systems)
前学期 2−0−0 上田 紀行 准教授
高度科学技術社会に生じる諸問題の根底には,多様な価値観の対立の問題がある。その対立のうち,主要なものを年度ごとに選び,それらの構造と論理を明らかにするとともに,対立の克服,来たるべき社会像について論ずる。
66006
言説方法(Methods of Discourse)
後学期 2−0−0 井口 時男 教授
社会的価値意識は膨大な言説複合体として形成されている。我々の日々の言説実践は,こうした社会的言説への批判を内蔵していなければならない。講義では近代の文芸批評を事例として,文芸批評とはいかなる言説行為であるか,文芸批評はいかに社会的言説と切り結んだか,を考える。扱うのは,小林秀雄,保田輿重郎,吉本隆明,江藤淳,蓮實重彦,柄谷行人等(予定)。
66007
社会システム(Social Systems) 平成19年度休講
前学期 2−0−0 今田 高俊 教授
諸個人間の相互行為からなる社会システムの編成原理について,理工学分野で開発された一般システム論,サイバネティクス,シナジェティクス等の手法並びに,社会科学分野での一般均衡理論,構造機能主義,構造主義等に見られるシステム手法を参照しつつ,新たなパラダイムとして注目されている自己組織性や複雑系やカオスに関する諸論をゼミナール形式(+講義)で学ぶ。講義の最初に文献リストと研究動向を紹介し,各自の発表テーマと議論の方法を決める。
66008
社会計測(Sociometrics) 平成19年度休講
前学期 2−0−0 未 定
66023
多変量統計解析(Multivariate Statistical analysis) 平成19年度休講
前学期 2−0−0 未 定
66009
社会数理・シミュレーション解析(Mathematical/Simulation Analysis of Society)
前学期 2−0−0 中丸麻由子 講師
人間行動や社会をモデル化する上で,人間も生物の一員である以上生物学的観点も必要である。最近では進化ゲーム理論によって人間行動・社会研究は新たな面を迎えているが,進化理論がどの程度人間社会へ適用可能なのかを見定める必要がある。そこで本講義では進化理論を学び,進化理論の人間行動・社会研究への適用例や数理モデルやコンピュータシミュレーションによる解析例を参考にしながら,人間と他の生物の共通点や相違点,進化理論の適用可能性について一緒に考えていきたい。
66011
意思決定システム科学(Decision Systems Science)
前学期 2−0−0 木嶋 恭一 教授
意思決定システム科学は,システム論の立場から意思決定に関与する複雑性を取り扱おうとする新しい枠組みである。「複雑な」問題状況に直面した決定主体は,そこに関与する「複雑性」を何らかの形で取り扱わなければならない。一方,システム科学はその誕生時から「複雑性の探求(dealing with complexity)」が関心事であった。本講義は,システム科学・システム思考の解説から始め,それに基づいた問題解決・意思決定のための様々な方法論を鳥瞰的視点から論述する。それには,システムモデリング,システムシミュレーションとともにソフトシステムアプローチも含まれる。
さらに,この分野における最新の話題についても言及する。
66042
COE特別講義「エージェントベース社会システム科学の展開」
(Development of Agent-based Social Systems Sciences)
後学期 1−0−0 木嶋 恭一 教授 他
本講義は,21世紀COEプログラム「エージェントベース社会システム科学の創出」が中心となって企画運営する講義で,エージェントベース社会システム科学の最近の話題について論述する。同プログラムの運営専攻である総合理工学研究科知能システム科学専攻からの教員とのジョイント形式で開講する。
自然の生物から,人間,組織,社会まで,そこでみられる様々な主体を自律的な意思決定主体(エージェント)として据え,これらの相互作用によって生じるシステミックな特性を解明するために,理工系と社会科学の枠を超えた様々な方法・手法を用いて文字通り学際的にボトムアップなアプローチをおこなう。
66012
実験経済学(Experimental Economics)
後学期 2−0−0 大和 毅彦 教授
経済学で近年発達してきた実験研究に関して講義する。理論と予測と実験結果の比較,実験結果を説明する新たな理論構築などについて説明する。受講者の関心・研究分野に即してテーマを選び,指導する。
66013
政治決定論(Political Decision)
後学期 2−0−0 田中善一郎 教授
政治決定とは政治一般に関わる決定をいう。この講義では,特に現代日本政治において政治決定に関わる国会・行政府・政党・選挙から適宜テーマを選び,受講者の報告とディスカッションを通じて,日本における政治決定の特質の理解を深めることを目的とする。
66014
国際制度論(International Institutions)
前学期 2−0−0 蟹江 憲史 准教授
現代社会には,地球環境問題や開発問題をはじめとして,地球規模で解決しなければならない問題群(グローバル・イシュー)が山積している。それらの解決のためにどのような国際制度を構築するかは,学問的のみならず,政策実務的にも,急務の課題である。たとえば地球環境問題解決のための国際制度にしても,WTOに対抗すべく世界環境機構を設立するのが良いのか,それとも,現在行われているような多国間環境条約の集積による問題解決を目指すのが良いのかの検討は,政治的現実と学問的展開の双方の観点から行われる必要がある。本講義は,このような問題解決の手段としての国際制度についての理解を深めることを目標とする。なお,扱う問題は,地球環境問題を中心とする。
66015
経済予測論(Economic Forecasting)
後学期 2−0−0 飯塚 信夫 教授
「予測」をキーワードに日本や世界経済の様々な論点を切り出し,受講者とのディスカッションを通じて,「生きた経済」への理解を深める講義にしたい。具体的な論点は,受講者の研究・関心分野の即したものを選ぶが,例えば,(1)シンクタンク予測に比べて現下の雇用回復が遅れている背景に何があるか,(2)経済予測と実績のズレが現下の金融・株式市場にどのような影響を与えているか−などが考えられよう。なお,経済予測を行うために必要な,計量経済学,経済統計,マクロ経済学などの基礎知識や,経済予測の現実的な流れについても必要に応じて授業で解説・紹介し,PCを用いた実習の場も設けたい。
66037
企業経営と情報(Corporate Management and Information)
前学期 2−0−0 潮見 登 教授
企業においては,ビジョン・戦略に始まって商品開発・組織人事など具体的なものに至るまで,日々様々な意思決定が行われている。そこで重要な役割を果たすのが「情報」であるが,本講義では企業内でどのように情報が扱われ,それが企業活動に結びつくかについて,理解を深めることを目的とする。特に生活者を対象とするマーケティング分野や,企業経営とIT(情報技術)との関わりに重点を置き,極力,現実の企業の姿を把握してもらう。
66017
地方財政論(Local Government Finance)
後学期 2−0−0 飛田 博史 准教授
地方分権時代の地方財政のあり方について,地方財政の格差問題を中心に検討していく。講義の前半は,地方財政の基本的仕組みと課題について解説し,後半は地方財政の格差是正の仕組みである地方財政調整制度(地方交付税制度)をめぐる最新の議論の紹介や実証分析を行う予定である。各自の研究には直接関わらない分野と思われるが,地方財政を制度的にとらえるアプローチは研究手法の幅を広げる上で参考になると思う。
66019
法規範分析論(Legal Studies) 偶数年度開講
前学期 2−0−0 金子 宏直 准教授
社会的価値の制度的な表現形態である規範特に法律が,これまでどのような構造的変化を遂げ,今後どのようにあるべきかについて考察する。法律やそれに準じる行為規範が,どのような要請に基づき,また具体的妥当性を有するかについて体系的に学習する。
66040
情報マネジメント法学(Information Management Law) 奇数年度開講
前学期 2−0−0 金子 宏直 准教授
企業情報や個人情報などの各種情報の保護をめぐる法制度ならびに法律問題について最新事情を検討する。日本法と米国法ならびにEU諸国との比較法的検討を行うので,主に英語(ならびに独語も)の資料を使用する。
66030
数理的意思決定理論(Mathematics of Interperceptional Decision Making)
前学期 2−0−0 猪原 健弘 准教授
私たちは,しばしば他の多くの人と共に意思決定状況に巻き込まれる。この講義では,意思決定状況を分析するための数理的モデルとして,標準形ゲーム,展開形ゲーム,オプション・モデル,グラフ・モデル,シンプル・ゲーム,特性関数形ゲームなどを,その例と分析方法と共に紹介する。また,提携形成分析や関数分析の手法も紹介する。
受講生には,学んだモデルと分析方法の利用を実際に体験してもらうために,演習として,現実の社会に存在する意思決定状況を取り上げてもらい,その背景・経緯・詳細についてのレポート,モデル化についてのレポート,分析結果と考察についてのレポートという3つのレポートを提出してもらう。また,レポートを10分程度のプレゼンテーションにまとめてもらい,講義中に報告してもらう。
講義と演習を通じて,扱いたい意思決定状況に応じて分析のためのモデルを選択する能力,現実の状況をモデルとして表現する能力,モデルを分析し現実への示唆を導出する能力,分析結果を簡潔に他者に伝える能力を養うことを目的とする。
66020
翻訳の理論と実践(Translation: Theory and Practice) 平成19年度休講
後学期 2−0−0 未 定
66026
比較文化史概論(Comparative Culture Study) 西暦奇数年度開講
前学期 2−0−0 劉 岸偉 教授
本講義は中国及び日本の近代文化の発生と交流の諸相を考察する。二十世紀初頭の中国は,伝統社会の崩壊に直面し,文化の転型を迫られていた。混沌とした中国社会の各側面を,特に日本との関わりを視野に入れて,数人の作家を中心にこの時期に書かれた諸種のテキストを通して読み解く。前期では,比較文化史の視点から,日本近代文化の生成を概観し,後期では,人物,テキスト往還の諸相を考察する。
66027
日中近代文化交渉論(Intercultural Communication) 西暦偶数年度開講
後学期 2−0−0 劉 岸偉 教授
前期と同じ
66031
多文化共生社会論(International Migration, Culture and Adjustment)
前学期 2−0−0 江川 緑 准教授
本講義の問題意識は,「グローバルな場で人々をどう組織化していくか」ということである。こうした問題意識に答えるため,新しいワークカルチャーに適したリーダーの養成,文化横断的(cross-cultural)チームの開発,多文化的環境下のコンフリクト解決,文化横断的技術移転,文化横断的従業員,異文化コミュニケーションなどのテーマを取り上げ,多様性を活かす人的資源開発のあり方に考察を加える。
66046
近代日本文化の比較研究(A Comparative Study of Modern Japanese Culture)
後学期 2−0−0 リース モートン
近代日本文化の比較研究は,近代日本文化あるいは近代日本人の感受性を形作る基本的なテキストを学生に紹介し,理解してもらい,論じるのがねらいである。英語でおこないます。
66033
価値システム学入門(Introduction to Value and Decision Science)
前学期 2−0−0 桑子 敏雄 教授
価値システム専攻は,「価値判断と意思決定の科学」をめざす世界でもきわめてユニークな大学院専攻である。本講義では,この新しい科学の理念,研究方法,予想される研究成果などについて論じる。形式は,価値システム専攻に所属する教員がリレー式講義で行う。「価値システム学」の入門となる講義である。
66711,66712,66713,66714
価値システム討議・実験第一 |
前学期 |
0−1−1 |
各教員 |
|
同 第二 |
後学期 |
0−1−1 |
||
同 第三 |
前学期 |
0−1−1 |
||
同 第四 |
後学期 |
0−1−1 |
(Discussion Program in Value and Decision Science I-IV)
大学院生と教員が全員参加する。取り上げるテーマは深い問題意識と広い視野を学生が身に付けるために,先端的あるいは萌芽的もしくは時宜的な分野,または,学際的な分野に関する諸問題とする。また,実験科目として,調査実習,シミュレーション実験,フィールドワークなど研究分野に合ったものを実施する。修士課程における必修科目であり,第一〜第四の4つのうち最低3つをとらなければならない。ただし,留学や休学等,特別な事情がない限り,4月入学の場合には第一,二,三の順に,10月入学の場合には第二,一,四の順に履修すること。
66721,66722,66723,66724
価値システム特別演習第一 |
前学期 |
0−1−0 |
各教員 |
|
同 第二 |
後学期 |
0−1−0 |
||
同 第三 |
前学期 |
0−1−0 |
||
同 第四 |
後学期 |
0−1−0 |
(Special Seminar in Value and Decision Science I-IV)
価値システム専攻に所属する学生と教員とが共有すべき広がりと深さを持った知識をともに学習する演習である。文系古典解読と数理テキスト解読を中心に,セミナー形式で実施する。
価値システム・インターンシップ第一 |
前学期 |
0−2−0 |
各教員 |
66043 |
|
同 第二 |
後学期 |
0−2−0 |
66044 |
(Value and Decision through Internship I-II)
専攻の理念である学問と実践の融合を,将来のキャリア関連した就業体験を通じてめざすのが,価値システムにおけるインターンシップの位置づけである。企業と連携をとりながら,インターンシップ就業の設計を行い,価値システム専攻の科目として認定する。
価値システム講究第一 |
前学期 |
2単位 |
指導教員 |
66701 |
|
同 第二 |
後学期 |
2単位 |
66702 |
||
同 第三 |
前学期 |
2単位 |
66703 |
||
同 第四 |
後学期 |
2単位 |
66704 |
(Colloquium in Value and Decision Science I-IV)
学生の希望と指導教員の助言によって研究テーマを設定し,それに関連した文献の輪読・実験・調査を通じて研究事項の討議を行う。修士課程における必修であり,順を追って履修しなければならない。
価値システム講究第五 |
前学期 |
2単位 |
指導教員 |
66801 |
|
同 第六 |
後学期 |
2単位 |
66802 |
||
同 第七 |
前学期 |
2単位 |
66803 |
||
同 第八 |
後学期 |
2単位 |
66854 |
||
同 第九 |
前学期 |
2単位 |
66805 |
||
同 第十 |
後学期 |
2単位 |
66806 |
(Colloquium in Value and Decision Science V-X)
博士後期課程における必修科目であり,博士後期課程相当の高度の輪講,論文指導,などからなる。