社会工学専攻の学習課程は,21世紀の高度に技術化した社会における様々な問題に対し,その解決のための理論の構築と実践が出来る視野の広いリーダーとなる研究者および専門家を養成することを目的としている。基本としての確固たる哲学,コミュニケーション力,および社会的な評価方法と最先端の専門知識を学習できる修士課程(3プログラム)と2つのコースからなる博士後期課程が用意されている。それぞれ内容が異なるのでカリキュラムを十分に理解し,履修計画を立てるに当たっては,プログラム関連教員,指導教員とよく相談し,また本専攻と関連の深い価値システム,人間行動システム,経営工学,情報環境学などの他専攻の授業科目も含めて履修することが望ましい。
博士一貫教育プログラム用カリキュラムは博士一貫教育プログラムのページを参照してください。
1.修士課程(平成18年度入学者以降に適用)
社会工学専攻の学問分野の深化,新たな社会ニーズに対応するため次の3つのプログラムがおかれている。
1) |
制度設計理論(経済学):数理・統計など理工学との真の融合を基礎に据えた新たなミクロ,マクロ,計量経済理論を発展させ,経済分析の深化を図る。 |
2) |
公共システム:公共的なシステム(特に組織の)マネージメントをもって,理論と実践の統合を図る。 |
3) |
時空間デザイン:空間デザインに歴史的要素を加え新たなデザイン実践論の展開 |
学生は,上記いずれかのプログラムに属し以下のカリキュラムを履修する。なお,優れた学生は修士入学から4年間(あるいは3年)での博士修了が可能である。
修士カリキュラム
学生は制度設計理論,公共システム,時空間デザインのいずれかのプログラムを履修する(入試願書提出までにプログラムを選択する)。なお入学後のプログラム変更は可能であるが,関連プログラム主任,指導教員の承認と変更後のプログラムでの履修要件を満足する必要がある。
A.すべてのプログラムに共通の要件
必修科目(法哲学(2単位),文章表現論SC(2単位),評価論(2単位))から2科目,研究室のセミナー科目である社会工学講究第一〜第四(2単位)を各学期に取得し,必修科目,講究を含み社会工学専攻科目から24単位以上,他専攻科目等4単位,計30単位以上を履修し修士論文,最終試験の合格が修了(後述の短縮進学を除く)に必要である。
B.プログラムごとの要件
制度設計理論プログラム
以下の10科目から12単位,
非協力ゲーム理論と意思決定(2単位),上級ミクロ経済学(2単位),公共経済の理論と制度(2単位),マクロ経済動学理論(2単位),実験経済学(2単位)(他専攻推奨科目),計量経済分析(2単位)(他専攻推奨科目),上級計量経済分析(2単位),協力ゲーム理論と規範(2単位),データ調査論(2単位),認知科学(基礎編)(2単位)(他専攻推奨科目)
修了までに以下のセミナー科目をすべて
ワークインプログレスセミナー(制度設計理論)第一(1単位)
ワークインプログレスセミナー(制度設計理論)第二(1単位)
ワークインプログレスセミナー(制度設計理論)第三(1単位)
ワークインプログレスセミナー(制度設計理論)第四(1単位)
公共システムプログラム
以下の科目から12単位
公共性の社会学特論(2単位),計画組織デザイン特論(2単位),都市デザイン・まちづくり特論(2単位),都市空間利用計画論(2単位),公共空間デザイン特論(2単位),社会空間特論(2単位),歴史空間特論(2単位),コミュニティーデザイン特論(2単位),環境経済理論特論(2単位),環境経済・政策特論(2単位),地球環境と経済発展のモデリング(2単位),地域情報解析特論(2単位)(他専攻推奨科目),情報地域計画特論(2単位)(他専攻推奨科目),国土・地域計画特論(2単位)(他専攻推奨科目),非協力ゲーム理論と意思決定(2単位),上級ミクロ経済学(2単位),公共経済の理論と制度(2単位),マクロ経済動学理論(2単位),実験経済学(2単位)(他専攻推奨科目),計量経済分析(2単位)(他専攻推奨科目),上級計量経済分析(2単位),協力ゲーム理論と規範(2単位),データ調査論(2単位),認知科学(基礎編)(2単位)(他専攻推奨科目)
時空間デザインプログラム
以下の科目から 12単位。
都市デザイン・まちづくり特論(2単位),都市空間利用計画論(2単位),公共空間デザイン特論(2単位),社会空間特論(2単位),歴史空間特論(2単位),コミュニティーデザイン特論(2単位),情報地域計画特論(2単位)(他専攻推奨科目),国土・地域計画特論(2単位)(他専攻推奨科目)
C.社会工学専攻科目
都市デザイン・まちづくり特論(2単位),都市空間利用計画論(2単位),計画組織デザイン特論(2単位),公共空間デザイン特論(2単位),社会空間特論(2単位),歴史空間特論(2単位),コミュニティーデザイン特論(2単位),公共性の社会学特論(2単位),環境経済理論特論(2単位),環境経済・政策特論(2単位),地球環境と経済発展のモデリング(2単位),地域情報解析特論(2単位)(他専攻推奨科目) ,情報地域計画特論(2単位)(他専攻推奨科目),国土・地域計画特論(2単位)(他専攻推奨科目) ,非協力ゲーム理論と意思決定(2単位),上級ミクロ経済学(2単位),公共経済の理論と制度(2単位),マクロ経済動学理論(2単位),実験経済学(2単位)(他専攻推奨科目),計量経済分析(2単位)(他専攻推奨科目),上級計量経済分析(2単位),協力ゲーム理論と規範(2単位),データ調査論(2単位),認知科学(基礎編)(2単位)(他専攻推奨科目),社会工学特別研究第一〜第四(1単位),社会工学特別講義第一〜第四(1単位),ノンプロフィット・セクター原論(2単位)社会イノベーションの組織論(2単位),ノンプロフィット組織の経営論(2単位),社会イノベーションとノンプロフィット・セクター(2単位)ノンプロフィット地球環境論(2単位),ノンプロフィット医療・福祉論(2単位),ノンプロフィットまちづくり論(2単位),ノンプロフィット国際人権論(2単位)
指導教員の指導により必要に応じて取れる科目
社会工学計画特別演習,空間設計特別演習,社会工学数理特別演習,コンピュータネットワーク特別演習
D. 短縮進学の要件(博士課程への短縮進学コース予定者の決定)
修士課程で一定の条件を満足しリサーチプロポーザル試験に合格すれば博士後期課程の短縮修了予定者になることが出来る(詳細についてはプログラム主任に問い合わせること)。異なる,プログラム,ノンプロフィットマネージメントコースへの進学を望む場合は,変更先の入学条件,また博士後期課程のアドバンストキャンディデイトとなるためにはアドバンストキャンディデイト条件を満足する必要がある。なお予定者であっても博士後期課程に進学しない場合は通常の修士論文の審査を行い合格したものに修士号を与える(詳細については専攻長に問い合わせること)。
2.博士後期課程(平成18年度入学者以降に適用)
コミュニケーション能力等に優れた,社会イノベーションを引き起こすリーダーとなるべく新しいタイプの世界的に通用する人材の教育のためのノンプロフィットマネージメントコースあるいはその理論構築を目指すニューパラダイムコースに属し,論理的思考力・社会的倫理観と評価思考・表現力などコミュニケーション力を高めるための科目を履修し,希望するものには外部研究機関等でのインターンなど多様な研究機会を生かし研究をすすめる。
博士後期課程カリキュラム
A.すべてのコースに共通の要件
必修科目(法哲学(2単位),文章表現論(2単位),評価論(2単位))から2科目,研究室のセミナー科目社会工学講究第五〜第十(2単位)を各学期履修し,博士論文,最終試験の合格が修了に必要である。社会人学生はプランニングアドミニストレーションA,Bを履修する必要がある。なお,修士課程からの進学者を含めアドバーンストキャンディデイトとなるための試験に合格しなければそれ以降の段階に進めない。博士後期課程についての詳細はコース主任に問い合わせること。
B.コースごとの要件
ノンプロフィトマネージメントコース
コースワーク要件:
必修科目はAで述べた科目に加え以下の7科目すべて,法哲学,文章表現論,評価論,ノンプロフィット・セクター原論(2単位)社会イノベーションの組織論(2単位),ノンプロフィット組織の経営論(2単位),社会イノベーションとノンプロフィット・セクター(2単位)を履修すること,
および,下記4科目より 1科目選択
ノンプロフィット地球環境論(2単位),ノンプロフィット医療・福祉論(2単位),ノンプロフィットまちづくり論(2単位),ノンプロフィット国際人権論(2単位),
および,以下の11科目(なお社会人学生は,ノンプロフィットマネージメント特別研究第一〜第六,及びノンプロフィットマネージメント特別演習第一〜第六をこれに含むことができる。)より6科目選択
都市デザイン・まちづくり特論(2単位),都市空間利用計画論(2単位),公共空間デザイン特論(2単位),社会空間特論(2単位),コミュニティーデザイン特論(2単位),計画組織デザイン特論(2単位),公共性の社会学特論(2単位),環境経済・政策特論(2単位),非協力ゲーム理論と意思決定(2単位),上級ミクロ経済学(2単位),公共経済の理論と制度(2単位)
そのほかのノンプロフィットコース科目
ノンプロフィトマネージメント特別研究第一〜第六(1単位),ノンプロフィットマネージメント特別演習第一〜第六(1単位),社会イノベーション活動特別演習(2単位)
アドバンストキャンディデイト要件:
一年終了時からから2年終了までの間にプロポーザルの3名の関連教員による審査に合格,なおリサーチプロポーザルは30分発表 30分討論。また前述のコースワーク要件(必修科目,選択科目にかかわる)を満足すること
ニューパラダイムコース
制度設計理論プログラム
プログラム特定科目 ワークインプログレスセミナー(制度設計理論)第五〜第十(1単位)は制度設計理論プログラム学生のみが履修可能
アドバンストキャンディデイト要件:一年末の時点で
1) |
修士課程制度設計理論プログラム修了に必要な前述10科目から12単位とワークインプログレスセミナー(制度設計理論)第1,2(博士後期課程からの入学者はこれに替えて同5,6)を履修していること |
|
2) |
英語で TOEFL550(コンピュータTOEFL213)点,あるいはTOEIC 730 点 以上。 |
|
3) |
リサーチプロポーザルの試験に合格 |
公共システムプログラム
アドバーストキャンディデイト要件:1年末に関連教員3名で審査
なおリサーチプロポーザルは30分発表 30分討論。
時空間デザインプログラム
アドバーストキャンディデイト要件:1年末に関連教員3名で審査
なおリサーチプロポーザルは30分発表 30分討論。
平成18年3月31日までに入学した学生のカリキュラム
これらの学生が修士課程を修了するために修得しなければならない 30単位以上のうち,リサーチデベロップメント特論,社会工学講究第1〜第4を含み,24単位以上を下の表に示される科目から修得することが必要であるので,履修計画を立てる上で注意すること。
また博士後期課程を修了するためには社会工学講究第5〜第10を修了時点まで履修すること。
授業科目(旧名称) |
単位 |
担当教員 |
学期 |
備考 |
都市空間利用計画特論 |
2−0−0 |
中 井 |
後 |
|
都市デザイン・まちづくり特論 |
2−0−0 |
真 野 |
前 |
|
国土のシステムデザイン特論 |
2−0−0 |
肥 田 野 |
後 |
廃止 |
市場メカニズムと政策特論 |
2−0−0 |
内 藤 |
前 |
上級ミクロ経済学に変更 |
公共経済学特論 |
2−0−0 |
小 西 |
前 |
公共経済の理論と制度に変更 |
経済システムと政策特論 |
2−0−0 |
金 子 |
後 |
マクロ経済動学理論に変更 |
計画組織デザイン特論 |
2−0−0 |
坂 野 |
後 |
|
データ調査論 |
2−0−0 |
樋口・未定 |
後 |
新設 |
制度設計工学特論 |
2−0−0 |
大和・武藤 |
前 |
非協力ゲーム理論と意思決定に変更 |
計量経済学 I |
2−0−0 |
田 中 |
前 |
計量経済分析に変更 |
計量経済学 II |
2−0−0 |
樋 口 |
後 |
上級計量経済分析に変更 |
公共空間デザイン特論 |
2−0−0 |
斎 藤 |
前 |
|
社会空間特論 |
2−0−0 |
土 肥 |
後 |
|
コミュニティーデザイン特論 |
2−0−0 |
土 肥 |
後 |
|
ドキュメントデザインSC |
2−0−0 |
山 室 |
後 |
文章表現論に変更 |
歴史空間特論 |
2−0−0 |
山室・斎藤 |
後 |
|
評価論 |
2−0−0 |
肥 田 野 |
後 |
|
上級ゲーム理論 |
2−0−0 |
武 藤 |
後 |
協力ゲーム理論と規範に変更 |
公共理念特論 |
2−0−0 |
宇 佐 美 |
前 |
法哲学に変更 |
公共性の社会学特論 |
2−0−0 |
未 定 |
前 |
|
環境経済理論特論 |
2−0−0 |
日 引 |
後 |
|
環境経済・政策特論 |
2−0−0 |
増 井 |
後 |
|
地球環境と経済発展のモデリング |
1−1−0 |
増 井 |
前 |
|
○リサーチデベロップメント特論 |
2−0−0 |
金子・十代田 |
前 |
平成18年度入学以降の学生は |
地域情報解析特論 |
2−0−0 |
樋 口 |
前 |
(注3) |
情報地域計画特論 |
2−0−0 |
十 代 田 |
前 |
(注3) |
国土・地域計画特論 |
2−0−0 |
未 定 |
前 |
(注3) |
社会工学計画特別演習 |
0−0−2 |
中井・坂野 |
後 |
|
空間設計特別演習 |
1−0−1 |
斎藤・奥山 土肥 |
前 |
|
社会工学数理特別演習 |
1−1−1 |
樋口・肥田野 |
後 |
|
コンピュータネットワーク特別演習 |
0−0−1 |
樋 口 |
前 |
|
ノンプロフィット・セクター原論 |
2−0−0 |
中井・渡辺 |
前 |
|
社会イノベーションの組織論 |
2−0−0 |
渡 辺 |
後 |
|
ノンプロフィット組織の経営論 |
2−0−0 |
渡辺・小島 |
前 |
|
社会イノベーションと |
2−0−0 |
渡辺・未定 |
後 |
|
ノンプロフィット地球環境論 |
2−0−0 |
日引・増井 未定 |
後 |
|
ノンプロフィット医療・福祉論 |
2−0−0 |
坂野・未定 |
後 |
|
ノンプロフィットまちづくり論 |
2−0−0 |
真野・土肥 未定 |
前 |
|
ノンプロフィット国際人権論 |
2−0−0 |
宇佐美・樋口 未定 |
後 |
|
ノンプロフィットマネージメント特別研究第一 |
0−1−0 |
各 教 員 |
前 |
|
同 第二 |
0−1−0 |
〃 |
後 |
|
同 第三 |
0−1−0 |
〃 |
前 |
|
同 第四 |
0−1−0 |
〃 |
後 |
|
同 第五 |
0−1−0 |
〃 |
前 |
|
同 第六 |
0−1−0 |
〃 |
後 |
|
ノンプロフィットマネージメント特別演習第一 |
0−1−0 |
各 教 員 |
前 |
|
同 第二 |
0−1−0 |
〃 |
後 |
|
同 第三 |
0−1−0 |
〃 |
前 |
|
同 第四 |
0−1−0 |
〃 |
後 |
|
同 第五 |
0−1−0 |
〃 |
前 |
|
同 第六 |
0−1−0 |
各 教 員 |
後 |
|
社会工学特別研究 第一 |
0−1−0 |
各 教 員 |
前 |
|
同 第二 |
0−1−0 |
〃 |
後 |
|
同 第三 |
0−1−0 |
〃 |
前 |
|
同 第四 |
0−1−0 |
〃 |
後 |
|
社会工学特別講義 第一 |
2−0−0 |
各 教 員 |
前 |
|
同 第二 |
2−0−0 |
〃 |
後 |
|
社会工学特別講義 第三 |
2−0−0 |
〃 |
前 |
|
同 第四 |
2−0−0 |
〃 |
後 |
|
社会工学特別演習 第一 |
0−1−0 |
各 教 員 |
前 |
平成18年度入学以降の学生は |
同 第二 |
0−1−0 |
〃 |
後 |
同上 |
同 第三 |
0−1−0 |
〃 |
前 |
同上 |
同 第四 |
0−1−0 |
〃 |
後 |
同上 |
○社会工学講究 第一 |
0−2−0 |
指導教員 |
前 |
修士課程 (1) |
○同 第二 |
0−2−0 |
〃 |
後 |
修士課程 (1) |
○同 第三 |
0−2−0 |
指導教員 |
前 |
修士課程 (2) |
○同 第四 |
0−2−0 |
〃 |
後 |
修士課程 (2) |
○同 第五 |
0−2−0 |
指導教員 |
前 |
博士後期課程 (1) |
○同 第六 |
0−2−0 |
〃 |
後 |
博士後期課程 (1) |
○同 第七 |
0−2−0 |
〃 |
前 |
博士後期課程 (2) |
○同 第八 |
0−2−0 |
〃 |
後 |
博士後期課程 (2) |
○同 第九 |
0−2−0 |
〃 |
前 |
博士後期課程 (3) |
○同 第十 |
0−2−0 |
〃 |
後 |
博士後期課程 (3) |
プランニングアドミニストレーション A |
0−1−0 |
各 教 員 |
前 |
(注2) |
同 B |
0−1−0 |
〃 |
後 |
(注2) |
SC : (H18選定)創造性育成科目
(注) |
1) |
○印を付してある授業科目は,必ず履修しなければならない授業科目で,備考欄の(1),(2),(3)は履修年次を示す。 |
2) |
本授業科目は社会人大学院プログラムの博士後期課程における学科目であり,該当する学生はAとBを合わせて必ず履修しなければならない。 |
|
3) |
本授業科目は他の専攻において開設されている授業科目であるが,本専攻の授業科目として取り扱うものである。従って,本専攻の学生が該当授業科目を履修し単位を修得した場合は,自専攻の単位として算入する。 |