35 計算工学専攻

高度に発達した情報化社会において,計算機システムはあらゆる分野に根幹かつ不可欠な要素となっている。またその処理形態のより一層の多様化と効率化,そして高信頼化が要求されると同時に,人間と能率良く意図伝達を行うためのインターフェースを実現し,知的で高度な情報処理機能を備えることが必要となる。このようなシステムを研究・開発してゆくためには,計算の概念に帰着される情報処理の原理,計算機ハードウェア,計算機ソフトウェア,計算環境,そして推論,学習,認知等,人間の持つ知的能力を計算機に付与する人工知能と,認知工学の学問分野を包括した「計算工学」に関する高度な知識が必要である。

計算工学専攻には,まず大規模かつ複雑なソフトウェアをいかに効率よく開発実現するかといったソフトウェア環境学やマルチメディア技術,さらに高速・大容量の情報ネットワークなど計算環境学に関する分野がある。またVLSIのレベルからシステムアーキテクチャのレベルまでをカバーする自動設計技術や超高速超並列アーキテクチャなど,計算組織学に関する分野がある。計算機ソフトウェアの重要性が高まるにつれ,その高度化,複雑化,大規模化が急速に進展しているが,そのような状況に対処するため,ソフトウェアを設計し実現するために必要な,抽象化,構造化の手法,アルゴリズム理論などを扱うソフトウェア機構学の分野がある。また知識工学や推論機構,物体や画像を認識する情報認識機構,あるいは自然言語を理解する自然言語理解機構などに関する認知機構学の分野がある。

本専攻の履修者は,それぞれの研究分野の性格に関連の深い講義を受講すると共に,学際的な幅広い教養を身につけるために,専攻間,研究科間にまたがる共通性の高い講義,そして人文系との境界領域に用意された総合科目と国際的な発表能力を養うための国際コミュニケーション科目を併せて履修されたい。

また高品質ソフトウェア開発のスペシャリストを育成する「先導的ITスペシャリスト育成推進プログラム」も用意されている。

先導的ITスペシャリスト育成推進プログラムについては特別教育研究コースのページを参照してください。

○ カリキュラム

計算工学専攻のカリキュラムは,情報理工学研究科における本専攻の設立理念に基づき,計算工学に関する基盤的な知識から先端的な知識に至るまでの体系的な学習と,先端技術の発展の中核をなす研究者,技術者,行政官として必要な様々な能力開発のために工夫されている。

1.教育の目的

修士課程,博士後期課程共に,科目の履修と同時に研究論文の作成が義務づけられているが,それぞれ以下の教育を主な目的としている。

修士課程

  1. 1)情報専門分野の中で,自分の研究の客観的な位置が理解できる程度の広い視野と,専門家としての必須の知識を与える。
  2. 2)情報専門分野における問題発見・解決能力を与える。

博士後期課程

  1. 1)情報専門分野における深い専門知識を与える。
  2. 2)技術的観点に加え,広く社会的観点からも自らの研究専門分野の状況を評価できる能力を与える。
  3. 3)問題発見・解決能力に加え,リーダーシップの取れる指導能力を与える。

 

2.科目の分類
 カリキュラムは,表1に示すような科目により構成されるが,それらは以下のように分類される。

  1. 1)基盤的科目
    計算工学の専門的基礎知識を教授する。各講義は計算工学専攻の各学問分野において必要となる,基礎的な事柄について知識単位が整理されている。履修に当たっては,各自の希望分野を考慮しつつも,あまり特定の分野にかたよらず,バランスのとれた総合力を養成することを目的に,科目を選択することが望ましい。
  2. 2)先端的科目
    基礎的科目をベースとして,より専門的あるいは応用的,横断的な科目が用意されている。修士課程においては,各自の希望分野を考慮して,また博士後期課程においては,より専門性の高い講義を履修すると同時に,知識の幅を広げることにも留意して修得されたい。
     以上,基盤的科目,先端的科目については,内容に従って以下の4つの専門分野(表2−表5)に分類される。

表2(計算機システム)

(基盤的科目)

計算機アーキテクチャ特論

フォールトトレラントシステム論

オペレーティングシステム特論

(先端的科目)

分散アルゴリズム論

符号理論特論

自律分散システム

データ工学特論

表3(ソフトウェア)

(基盤的科目)

プログラム理論

ソフトウェア設計論

並行システム論

システム検証基礎演習

システム開発プロジェクト総合実験基礎

(先端的科目)

ソフトウェア論理学

ソフトウェア工学特論

情報セキュリティ特論

ネットワークプログラミング特論

ソフトウェア開発演習

ソフトウェアプロジェクトマネージメントと品質管理

システム開発プロジェクト総合実験応用

表4(人工知能)

(基盤的科目)

知識工学

人口知能特論

自然言語処理特論

(先端的科目)

機械学習

推論機構特論

バイオインフォマテクス

表5(認知工学)

(基盤的科目)

データ解析特論

パターン情報処理

マルチメディア情報処理論

(先端的科目)

コンピュータグラフィックス

ヒューマンインタフェース

音声情報処理特論

これら,表2から表5までの科目の関連を計算工学専攻専門授業科目関連図 [PDF] に示す。

3)大規模知識資源(LKR)科目

計算工学の先端的技術を実践するために表6のLKR科目が用意されている。

表6(LKR科目)

LKR科目

大規模知識資源学特論 1

大規模知識資源学特論 2

LKR知識資源計算実習

 

4)推奨科目

他専攻の科目であるが,自専攻の科目に関連したより広い,あるいはより深い知識を養成するための科目である。理学,工学にまたがる横断的能力,各種の適応領域特有の知識を身につけるよう活用されたい。

表7(推奨科目)

(数理・計算科学専攻)

(情報環境学専攻)

(共通)

アルゴリズム特論

計算量理論

計算機支援数理

グリッドコンピューティング

広領域知識ベース特論

インターネットインフラ特論

インターネット応用特論

 

5)演習・実験・講究・インターンシップ科目

学位論文テーマに関連する課題に関する実験,演習や輪講を行ったり,学外機関にてインターンシップを行ったりする。

表8(特別実験)

計算工学特別実験第一

同       第二

先導的ITスペシャリスト育成推進プログラムの学生は,

IT実践特別実験 第一

同        第二

表9(講究)

計算工学講究第一

同     第二

同     第三

同     第四

同     第五

同     第六

同     第七

同     第八

同     第九

同     第十

 

6)表10(インターンシップ科目)

情報理工学インターンシップ 1A

同             2A

同             1B

同             2B

 


3.履修方法
本専攻では,十分に深く,幅広い知識を身につけさせるために,学則に加えて各課程修了に必要な単位数に,以下の要件を課す。(ただし,本要件は平成6年度以降修士課程1年次に入学した者及び平成8年度以降博士後期課程1年次に入学した者にのみ適用される。)

また,学部授業科目の単位については,これを大学院授業科目の単位としては,原則的に認めない。
本専攻に入学する以前に履修した,本専攻の表2から表7までの科目は,10単位を越えない範囲で本専攻における授業科目の履修により修得したものと認める。

4.博士課程への進学
修士課程の学生で博士課程へ進学しようとする者はTOEIC,TOEFL(TOEFL-PBT,TOEFL-iBT)のいずれかをあらかじめ受験しておくこと。

5.申告に関する注意事項

表1

授 業 科 目

単位

担当教員

学期

備    考

計算機アーキテクチャ特論

2−0−0

吉   瀬

 

*プログラム理論

2−0−0

米   崎

O

*知識工学

2−0−0

徳永・村田

O

*フォールトトレラントシステム論

2−0−0

米   田

 

*並行システム論

2−0−0

米   崎

英語講義

*ソフトウェア設計論

2−0−0

佐   伯

 

*人工知能特論

2−0−0

篠   田

英語講義

*マルチメディア情報処理論

2−0−0

亀井・齋藤

 

オペレーティングシステム特論

2−0−0

渡 部(卓)

 

自然言語処理特論

2−0−0

徳   永

 

*パターン情報処理

2−0−0

杉   山

E,英語講義

*データ解析特論

2−0−0

杉   山

O,英語講義

*分散アルゴリズム論

2−0−0

徳   田

英語講義

*ソフトウェア論理学

2−0−0

西   崎

 

機械学習

2−0−0

村   田

英語講義

*コンピュータグラフィックス

2−0−0

中   嶋

E(英),O(日)

*符号理論特論

2−0−0

藤原・金子

O(英),E(日)

*推論機構特論

2−0−0

佐   藤

 

*ソフトウェア工学特論

2−0−0

権   藤

 

*ヒューマンインタフェース

2−0−0

古   井

英語講義

*音声情報処理特論

2−0−0

古   井

O,英語講義

*自律分散システム

2−0−0

 

*データ工学特論

2−0−0

横   田

英語講義

ネットワークプログラミング特論

2−0−0

望   月

 

情報セキュリティ特論

2−0−0

工藤・羽田・渡邊

 

バイオインフォマティクス

2−0−0

秋   山

 

大規模知識資源学特論 1

2−0−0

未   定

 

大規模知識資源学特論 2

2−0−0

未   定

 

LKR知識資源計算実習

0−1−0

望   月

 

ソフトウェア開発演習

0−2−0

渡部(卓)・権藤

修士課程1年次推奨

システム検証基礎演習

0−2−0

西崎・千葉

修士課程1年次推奨

システム開発プロジェクト総合実験基礎

0−0−2

田 中(康)

 

システム開発プロジェクト総合実験応用

0−0−2

田 中(康)

 

ソフトウェアプロジェクト
マネージメントと品質管理

2−0−0

端山・南澤

山 本(修)

 

計算量理論

2−0−0

田 中(圭)

(注3)参照

計算機支援数理

2−0−0

小 島(政)

アルゴリズム特論

2−0−0

渡 辺(治)

グリッドコンピューティング

2−0−0

松   岡

広領域知識ベース特論

2−0−0

大   佛

インターネットインフラ特論

2−0−0

太   田

(注5)参照

インターネット応用特論

2−0−0

太   田

○計算工学特別実験 第一

0−0−2

各 教 員

修士課程(1)

○同        第二

0−0−2

同   (1)

IT実践特別実験 第一

0−0−2

各 教 員

先導的ITスペシャリスト育成推進プログラムの学生のみ

同       第二

0−0−2

○計算工学講究 第一

1

指導教員

修士課程(1)

○同      第二

1

同   (1)

○同      第三

1

同   (2)

○同      第四

1

同   (2)

○同      第五

2

博士後期課程(1)

○同      第六

2

同     (1)

○同      第七

2

同     (2)

○同      第八

2

同     (2)

○同      第九

2

同     (3)

○同      第十

2

同     (3)

情報理工学インターンシップ 1A

0−0−1

専 攻 長

 

同             2A

0−0−2

 

同             1B

0−0−1

 

同             2B

0−0−2

 

(注)

1)

○印を付してある授業科目は,記してある履修年次に必ず履修しておかなければならない授業科目である。

2)

備考欄中のEは西暦年の偶数年度に開講するもの,Oは同じく奇数年度に開講するもの,何も書いてないものは毎年開講の授業科目である。

3)

本授業科目は他の専攻において開設されている授業科目であるが,本専攻の授業科目として取扱うものである。従って,本専攻の学生が該当授業科目を履修し,単位を修得した場合は,自専攻の単位として算入する。

4)

*印を付してある授業科目は,希望により英語での講義が受けられる授業科目である。

5)

授業科目は,情報理工学研究科の共通科目である。従って,本専攻の学生が該当授業科目を履修し単位を修得した場合は,自専攻の単位として算入する。


 


〔教 授 要 目〕

 

76001

計算機アーキテクチャ特論(Advanced Computer Architectures)

後学期 2−0−0  吉瀬 謙二 講師

パソコン,ワークステーション,携帯情報機器など計算機のダウンサイジング,パーソナル化に大きな役割を果たしているマイクロプロセッサについて,その動向と先端技術について講義を行う。また,演習を実施することでマイクロプロセッサ技術を習得する。

76003

プログラム理論(Mathematical Theory of Programs) 奇数年度開講

前学期 2−0−0  米崎 直樹 教授

プログラミング言語の様々な意味定義手法について学び,プログラムの仕様記述や検証,合成,変換などの原理とその実際的な応用について理解することにより,プログラミング言語の形式的な取り扱いを習得する。

76004

知識工学(Knowledge Engineering) 奇数年度開講

後学期 2−0−0  徳永 健伸 教授・村田 剛志 准教授

データベースやWebなど,大規模なデータから知識や法則を見出すための方法として,その内容に注目するアプローチと構造に注目するアプローチがある。本講義ではこれらのアプローチの具体例として,情報検索およびデータマイニングに関する基礎的な概念および技術について学ぶ。

76005

フォールトトレラントシステム論(Fault Tolerant Systems)

後学期 2−0−0  米田 友洋 連携教授

システムの故障が及ぼす影響を阻止し,高い信頼性を持つフォールトトレラントシステムを実現するために,システム構成と回復,誤り検出,分散システムのフォールトトレランス,テスト生成,検証等の技術について詳論する。

76006

並行システム論(Concurrent System Theory) 英語講義

前学期 2−0−0  米崎 直樹 教授

並行処理を記述するための概念と形式化の手法を,代数的な立場と論理的な立場から学ぶことを目的とする。さらに,そのような形式化を用いて,並行システムの検証や設計を行う方法についても学ぶ。

76007

ソフトウェア設計論(Software Design Methodology)

後学期 2−0−0  佐伯 元司 教授

ゴール指向分析法などの要求工学手法やオブジェクト指向ソフトウェア設計法についてその手法,特徴などを理解する。実際にこれらの手法に基づいて,小規模な例題プログラムの分析/設計を行い,各自がその結果を発表し,比較,議論する。

76008

人工知能特論(Advanced Artificial Intelligence) 英語講議

前学期 2−0−0  篠田 浩一 准教授

人工知能基礎で学んだ基盤技術に基づき,さらに高度な理論や技術を学ぶ。最新の研究成果についても紹介するとともに推論機構特論,ヒューマンインタフェース,機械学習の各講義への導入および認知科学などの関連する分野についても概説する。

76009

マルチメディア情報処理論(Multi-media Information Processing)

前学期 2−0−0  亀井 宏行 教授・齋藤  豪 准教授

画像音声情報の分折,圧縮のためデジタル信号処理技法,画像音声認識のための特徴抽出,パターンマッチング手法について学ぶ。

76010

オペレーティングシステム特論(Advanced Operating Systems)

後学期 2−0−0  渡部 卓雄 准教授

具体的なオペレーティングシステムの事例を通してオペレーティングシステムの設計論を学ぶ。最近の分散オペレーティングシステムの話題についても触れる。

76012

自然言語処理特論(Natural Language Processing)

後学期 2−0−0  徳永 健伸 教授

言語を記号の計算システムとして捉える考え方に基づき,コンピュータによって言語を扱うための基礎的な概念や技術について学ぶ。

76013

パターン情報処理(Pattern Information Processing) 偶数年度開講,英語講義

前学期 2−0−0  杉山  将 准教授

入力と出力の例からその背後に潜む入出力規則を推測することを教師付き学習という。本講義では,統計的な立場から教師付き学習を議論し,その基礎的概念と最新の手法の習得を目指す。

76033

データ解析特論(Advanced Data Analysis)奇数年度開講,英語講義

前学期 2−0−0  杉山  将 准教授

本講義では,データの中に潜んでいる有益な構造を見つけ出すための基礎的な考え方と実用的な手法の習得を目指す。

76015

分散アルゴリズム論(Distributed Algorithms) 英語講義

後学期 2−0−0  徳田 雄洋 教授

現代的な計算環境は,ネットワーク,オペレーティングシステム,データベース等の並行型システムや分散型システムによって支えられている。これらの並行型システムおよび分散型システムのための基本的アルゴリズムの設計原理を理解する。

76016

ソフトウェア論理学(Logic and Software)

前学期 2−0−0  西崎 真也 准教授

論理による証明は,情報を伝達,構成するプロセスと見なすことができる。このよう考え方とその応

用について習得すると同時に,ソフトウェアの分野に特有の様々な論理体系について理解することを目的とする。

76017

機械学習(Machine Learning) 英語講義

後学期 2−0−0  村田 剛志 准教授

 与えられたデータに内在する知識や法則をコンピュータによって見出す機械学習の手法について論じる。入力データに関する基本事項や,学習によって得られる概念表現としての決定木やルール等について理解を深めるとともに,現実的なデータへの手法の適用についても論じる。

76018

コンピュータグラフィックス(Computer Graphics) 偶数年英語講義

前学期 2−0−0  中嶋 正之 教授

CAD/CAM,科学,工学,医用,芸術,ゲーム等の分野において広く利用されるようになってきたコンピュータによる映像・画像生成の技法について学ぶ。また関連するディジタル画像処理や符号化アルゴリズムについても紹介する。なお,奇数年は,主に日本人学生を対象として日本語,偶数年は主に留学生を対象として英語により講義する。

76019

符号理論特論(Advanced Coding Theory) 奇数年英語講義

前学期 2−0−0  藤原 英二 教授・金子 晴彦 講師

符号理論の計算機への応用の現状と実用的な符号設計理論について講義する。計算機システムにおける故障,誤りの傾向をもとに,プロセッサシステム,高速半導体メモリシステム,磁気/光ディスクメモリシステム,テープメモリシステムを指向した符号の設計理論を詳述する。

76022

推論機構特論(Machine Inference)

後学期 2−0−0  佐藤 泰介 教授

論理推論の基礎として述語論理の完全性定理/不完全性定理について解説し,項書換えなど演繹的計算体系の手法を学ぶ。続けて確率的推論の基礎としてベイジアンネットについて講義する。

76024

ソフトウェア工学特論(Advanced Software Engineering)

前学期 2−0−0  権藤 克彦 准教授

ソフトウェアの生産性を向上させる工学的手法のうち,下流(コーディング,保守,テスト,デバッグなど)に焦点をあてて概説する。

76025

ヒューマンインタフェース(Human Interfaces) 英語講義

前学期 2−0−0  古井 貞熙 教授

ヒューマンインタフェースのデザイン・構築技術と評価技術を論じる。基礎として,マルチモーダルインタフェースの動向,認知工学と人間工学の最新の知見,人間の情報処理モデルを講義し,それらに基づいたデザインのあり方と評価技術を論じる。最後に次世代ヒューマンインタフェースを展望する。

76027

音声情報処理特論(Speech Information Processing) 奇数年度開講,英語講義

後学期 2−0−0  古井 貞煕 教授

音声に含まれる種々の情報を統一的に処理する概念と原理,音声情報の圧縮法,合成法,認識法等について講義する。特に,統計的モデルに基づいた音声分析法,音声符号化法,音声合成法,音声認識法,話者認識法,統計的音声言語モデルなどに重点をおき,最近の応用技術についても紹介する。

76028

自律分散システム(Autonomous Decentralized System)

前学期 2−0−0  森  欣司 教授

成長・変動し続ける大規模システムにおけるニーズと技術課題を明らかにし,その解決手段として自律分散システムを講義する。具体的には,自律分散システムコンセプトと,それに基づくシステムアーキテクチャ,自律通信技術,自律駆動技術,稼働中の拡張・保守技術などについて述べる。さらにこれら技術の実適用例についても言及し,システム技術の展開能力の向上の一助とするため,見学,討論を交えて講義を進める。

76029

データ工学特論(Advanced Data Engineering) 英語講義

後学期 2−0−0  横田 治夫 教授

データ工学は,データベース処理に代表されるような,格納された不揮発の大量データに対する高度処理に関する研究分野で,計算機システムの大きな利用分野の一つである。大量データを対象とするため,高速化が重要であり,いろいろなレベルで並列/分散化等の試みが行われている。本講義では,大量データ処理のためメカニズム,アルゴリズム,アーキテクチャについて評論する。

76032

ネットワークプログラミング特論(Advanced Network Programming)

後学期 2−0−0  望月 祐洋 准教授

インターネットを利用したネットワークアプリケーションを設計・開発するための知識および手法を,講義とプロジェクト形式のグループ実習を交えつつ実践的に学ぶ。講義部分では,ソケットプログラミング,RPCプログラミング,RMIプログラミング,Webサービスプログラミング,移動コード/エージェントプログラミング等を採り上げる。講義全体を通じて,複数の通信プリミティブの設計思想・抽象化の相違や長所・短所について実感・考察する。

76031

情報セキュリティ特論(Advanced Information Security)

後学期 2−0−0  工藤 道治 講師(非常勤)・羽田 知史 講師(非常勤)
          渡邊 裕治 講師(非常勤)

情報セキュリティは領域が広く,どこか一部だけでも弱い点があるとそこが破られる。したがって,情報セキュリティを確保するためには,幅広いセキュリティ知識が必要である。この講義では特定のエリアに固執することなく,必要な知識をバランス良くカバーすることを目標とする。

76043

バイオインフォマティクス(Bioinformatics)

前学期 2−0−0  秋山  泰 教授

生命を情報システムとして据えるバイオインフォマティクスの分野を概観する。膨大で多様なデータから意味を抽出するために,様々な数理的技法が融合的に応用される様子を紹介し,情報工学の社会的な応用の実例を学ぶ。

76034

大規模知識資源学特論1(Advanced Large-scale Knowledge Resource Technology 1)

前学期 2−0−0  未   定

大規模知識資源学に関する幅広い分野において,特に先端的トピック,学際的トピックについて講義を行う。講義のテーマ,内容に関しては,学期毎に別途通知する。プロジェクト演習を伴う場合もある。

76049

大規模知識資源学特論2(Advanced Large-scale Knowledge Resource Technology 2)

後学期 2−0−0  未   定

大規模知識資源学に関する幅広い分野において,特に先端的トピック,学際的トピックについて講義を行う。講義のテーマ,内容に関しては,学期毎に別途通知する。プロジェクト演習を伴う場合もある。

LKR知識資源計算実習(LKR Computational Exercise of Large Knowledge Resource)

前学期 0−1−0  望月 祐洋 准教授

計算機を用いた大規模知識資源の処理,蓄積の手法について学ぶ。Grid上でのバッチ処理,並列処理,および,大規模知識資源蓄積システムKnowledge Storeにおけるデータ定義・蓄積,Webプログラミングによる外部からのデータ利用法について学ぶとともに,管理面の学習,共同作業を通じて,計算に必要な要求を具体化する方法について考察する。

76038

ソフトウェアプロジェクトマネージメントと品質管理(Software Project Management and Quality Control)

後学期 2−0−0  端山  毅 講師(非常勤)・南澤 吉昭 講師(非常勤)
          山本 修一郎 講師(非常勤)

先導的ITスペシャリスト育成推進プログラムの教授要目を参照のこと。

76044

ソフトウェア開発演習(Software Development Laboratory)

前学期 0−2−0  渡部 卓雄 准教授・権藤 克彦 准教授

先導的ITスペシャリスト育成推進プログラムの教授要目を参照のこと。

76037

システム検証基礎演習(System Verification Practices)

後学期 0−2−0  西崎 真也 准教授・千葉  滋 准教授

先導的ITスペシャリスト育成推進プログラムの教授要目を参照のこと。

76035

システム開発プロジェクト総合実験基礎(System Development Studio Projects; Basic)

前学期 0−0−2  田中  康 特任准教授

先導的ITスペシャリスト育成推進プログラムの教授要目を参照のこと。

76036

システム開発プロジェクト総合実験応用(System Development Studio Projects; Advance)

後学期 0−0−2  田中  康 特任准教授

先導的ITスペシャリスト育成推進プログラムの教授要目を参照のこと。

75104

アルゴリズム特論(Advanced Algorithms)

前学期 2−0−0  田中 圭介 准教授

数理・計算科学専攻の教授要目を参照のこと。

75015

計算量理論(Computational Complexity Theory)

後学期 2−0−0  渡辺  治 教授

数理・計算科学専攻の教授要目を参照のこと。

75001

計算機支援数理(Mathematical Models and Computer Science)

後学期 2−0−0  小島 政和 教授

数理・計算科学専攻の教授要目を参照のこと。

75003

グリッドコンピューティング(Grid Computing)

後学期 2−0−0  松岡  聡 教授

教理・計算科学専攻の教授要目を参照のこと。

77016

広領域知識ベース特論(Theory & Applications of Wide Areal Knowledge-Base)

後学期 2−0−0  大佛 俊泰 准教授

情報環境学専攻の教授要目を参照のこと。

75102

情報環境学専攻の教授要目を参照のこと。

インターネットインフラ特論

前学期 2−0−0  太田 昌孝 講師

75103

インターネット応用特論

後学期 2−0−0  太田 昌孝 講師

76711〜76712

計算工学特別実験第一

前学期

0−0−2

各教員

76711

同       第二

後学期

0−0−2

76712

専攻しようとする分野に関連のある高度の実験を行うものである。

76601〜76602

IT実践特別実験

前学期

0−0−2

各教員

76601

同       第二

後学期

0−0−2

76602

先導的ITスペシャリスト育成推進プログラムの教授要目を参照のこと。

76701〜76704

計算工学講究第一

前学期

1単位

指導教員

76701

同     第二

後学期

1 〃

76702

同     第三

前学期

1 〃

76703

同     第四

後学期

1 〃

76704

76801〜76806

計算工学講究第五

前学期

2単位

指導教員

76801

同     第六

後学期

2 〃

76802

同     第七

前学期

2 〃

76803

同     第八

後学期

2 〃

76804

同     第九

前学期

2 〃

76805

同     第十

後学期

2 〃

76806

専攻しようとする分野に関連ある専門書,文献につき輪読,討論を行うものである。

76039〜76042

情報理工学インターンシップ1A

前学期

0−0−1

専攻長

76039

同            2A

後学期

0−0−2

76040

同            1B

前学期

0−0−1

76041

同            2B

後学期

0−0−2

76042

(Internship on Information Science & Engineering 1A, 2A, 1B, 2B)

企業や外部の研究組織へ一定期間行き,情報理工学に関するインターンシップを行う。インターンシップ先については専攻長に相談のこと。