〔教 授 要 目〕
18001
地球テクトニクス第一(Tectonics of the Earth T)
前学期 2−0−0 廣瀬 敬 教授
地球内部の物質移動,化学反応などについて輪講形式で議論する。
宇宙地球史や地球惑星システムを理解するために,受講者はそれに関連する主要研究のレヴューを行い,「地球惑星システム史学」の構築に必要な研究手法について,発表形式で相互討論を行う。
惑星の形成過程と内部の化学進化及びグローバルな物質循環の仕組みを理解するために,マントル及び核の物質構成,地球内物質大循環と化学反応,高圧相転移について多成分,多相系の相平衡の視点から講義する。高温高圧発生の仕組み,実験岩石学の最新研究成果を解説する。
マグマの発生,上昇,噴火に至る過程に関する歴史的に重要な文献を輪講し,且つ最新の研究成果を解説する。火山の構造とその活動様式について地球上及び他の地球型惑星上の火山を例にとって解説する。惑星内部でのグローバルな物質循環を火成岩の情報から読みとる手法について解説する。
18034
火山流体化学(Chemistry of Volcanic Fluid)
後学期 2−0−0 野上 健治 教授
火山で起こる化学的な現象について基礎的な事項を解説し,化学的手法による火山噴火予知について理解することを目的とする。
宇宙空間の物理現象を学ぶ上で必要なプラズマ物理のうち,運動学的取り扱いをする部分について学び,流体的取り扱いでは,扱えなかった各種の不安定性や波動現象を導出する。
地球磁気圏の形成,太陽風と地球磁気圏の相互作用,地球磁気圏尾部の構造について,諸観測を総合的に理解した上でサブストームがどのようなメカニズムで起こるかを解説する。
地球のダイナミクスや資源環境を理解する上で,地殻の構造を探査することは大変重要である。本講義では,電磁気探査を中心としてその基礎と応用について,講義形式およびゼミナール形式で習得する。
物理探査は,地球物理学的な観測から地下構造を探る技術である。その中核をなす“逆問題”について,主としてゼミナール形式で講義を行う。
星の形成と進化及び原始惑星系円盤の形成と進化の物理過程を系統的に講義する。輪講形式も取り入れる。
太陽系形成過程,すなわち,原始星の進化,原始太陽の形成,太陽系星雲の構造と進化,微惑星形成,微惑星の衝突・合体と惑星への成長,木星型惑星の形成等について物理学的側面から議論する。
18031
電波天文学(Radio Astroromy)
後学期 2−0−0 北村 良実 准教授
星の形成,惑星形成,系外太陽系など,広く太陽系科学に関する最新の研究,トピックスについて解説し,今後の研究を展望する。
18024
太陽系探査学(Planetary Exploration)
前学期 2−0−0 加藤 學 教授
これまで行われてきた太陽系探査計画と,それにより得られた成果をレビューするとともに,現在進行中の太陽系探査計画の科学的意義を学ぶ。
18046
放射性同位体地球化学(Radiogenic Isotope Geochemistry)
後学期 2−0−0 横山 哲也 准教授
時間の経過に従ってその存在度を変化させる放射性起源の同位体は,様々な地質学的試料の年代測定のみならず,地球を含む惑星物質の起源や進化過程を知る上で欠かせないツールである。とりわけ近年の質量分析技術の飛躍的進歩により,放射性同位体の地球・宇宙化学的応用は非常に多彩なものとなっている。本講義ではいくつかのトレーサーをピックアップし,その原理と具体的応用について,最新の研究をカバーしながら概説する。
18011
MM地惑電磁気学(MM Education Program: Earth and Planetary Electromagnetism)
前学期 2−0−0 綱川 秀夫 教授
地球および惑星磁場の観測方法の原理と,地球・惑星磁場の空間的・時間的性質の特徴,磁場成因について,研究史も含めて講義する。
18039
MM地惑核物理学(MM Education Program: Earth and Planetary Nuclear Physics)
前学期 2−2−0 中澤 清 非常勤講師
PartTでは,原子核の構造,安定性等の復習を行い,核崩壊,核反応の理論を紹介する。
PartUでは,その反応として同位体年代学の基礎,恒星内部のエネルギー源,元素の起源,ニュートリノ地球科学等について解説する。
18042
MM地惑内部物理学(MM Education Program: Physics of Earth and Planetary Interiors)
後学期 2−0−0 未 定
地震学の基礎理論をはじめ,地震観測データから地球内部構造および物性を推定する方法とその結果について講義する。
18045
MM地惑惑星形成物理学(MM Education Program: Physics of Planet Formation)
前学期 2−0−0 中本 泰史 准教授
太陽系を含む惑星系の形成過程を述べる。特に,各段階で重要な過程の基礎を理解することに力点を置く。紹介する内容は次の通り。
分子雲/分子雲コアの重力収縮と星形成/原始惑星系円盤の形成とその力学的・熱的構造/原始惑星系円盤内の物質の進化/微惑星形成/惑星集積/惑星形成(岩石惑星,ガス惑星,氷惑星)/小天体の特徴と起源(小惑星,彗星,TNO)/系外惑星系の観測・系外惑星系の多様性とその起源
18040
MM地惑物性化学(MM Education Program: Earth and Planetary Solid State Chemistry)
後学期 2−0−0 河村 雄行 教授
鉱物を始めとする地球惑星構成物質および関連物質の結晶構造と物性等の関わりについて,結晶学・結晶化学と化学結合論・固体電子構造および熱統計学の基礎からの理解をめざす。結晶構造の対称性・空間群と回折理論,結晶における化学結合・電子構造と物性の関係,および,固体中での原子・分子の運動学的な取り扱いからの物性や動的性質について解説する。トピックスとして,相転移・多形・同形,欠陥・転移,表面・吸着などを扱う。
18041
MM地惑無機化学(MM Education Program: Earth and Planetary Inorganic Chemistry)
後学期 2−0−0 未 定
地球惑星科学の研究で必須となる無機地球化学の基礎を取り扱う。この講義では,元素の起源,太陽系元素存在度,隕石学,惑星内部構造進化と元素分配,溶液平衡論や,化学分離・機器分析法の原理と応用等を取りあつかう。一般的な講義形式だけではなく,演習形式も組み込み,講義内容のより確実な理解と応用力の育成を目指す。
地球惑星科学講究1〜10(Seminar in Earth and Planetary Sciences 1〜10)
前・後学期 各2 各教員
地球惑星科学に関する原著論文を精読して紹介し,論文で扱われている内容に対する理解を深めるとともに,科学的事項に関して議論する訓練を行う。
地球惑星科学特別演習1〜10(Exercise in Earth and Planetary Sciences 1〜10)
前・後学期 各0−2−0 各教員
各研究室で行われている専門的な研究に関する演習を行い,当該専門領域の最先端の研究に触れ,それをさらに推測するための力を養う。
18043,18044
MM国際アカデミックインターンシップ1〜2(MM International Internship for Academic Study I-II)
後学期 0−1−1 綱川 秀夫 教授
国際研究集会等に主体的に参加し,国際コミュニケーション力を向上させることを目的とする。事前計画書,参加形態,参加期間,レポート報告(英文)等に基づき,コース教員協議会にて成績評価を行う。本専攻研究者高度育成コースの履習生のみを対象とし,本専攻として国際コミュニケーション科目と認定することとする。
18501,18502,18503,18504,18505,18506,18507,18508
地球惑星科学特別講義第一〜第十三(Special Lecture in Earth and Planetary Sciences T-]V)
前・後学期 各1〜2単位 各教員
各教員がそれぞれ専攻する分野について特定の題目を選定して随時開講するものである。
18035,18036,18037,18038
Cutting-Edge Topics in Earth and Planetary Sciences 1〜4
前・後学期 各1単位 本蔵 義守 教授
地球惑星科学の話題に関して英語による議論等を行う。趣旨に沿った自主的な活動に対して,履修を認めることも可能とする。
GCOE地球たちコロキウム (GCOE Earths Colloquium)
後学期 0-1-0 ○井田 茂 教授 ・ 大森 聡一 特任准教授
GCOE地球たちRAが自分の研究内容を相互に発表・議論し,分野融合的に研究を発展させてゆく手法を獲得する。また,野外演習を企画・実施し,専門分野の異なる学生間の積極的交流をはかる。
GCOE地球たちステータスリポート (GCOE Earths Status Report)
後学期 0-1-0 ○井田 茂 教授 ・ 大森 聡一 特任准教授
GCOE地球たち主催の全体研究発表会に参加し,自分の研究の進捗状況・成果を発表する。GCOE地球たちのRAである博士課程学生を主な履修対象とする。
GCOE地球たちインターンシップ (GCOE Earths Internship)
後学期 0-0-4 ○井田 茂 教授 ・ 大森 聡一 特任准教授
GCOE地球たちの拠点各キャンパスをまたぐ国内留学,海外留学,企業研修(各1ヶ月以上),あるいは同等のインターンシップを行い,活動報告書を提出する。GCOE地球たちのRAである博士課程学生を主な履修対象とする。
GCOE地球たち特別講義1 (GCOE Earths Special Lecture 1)
前学期 1-0-0 ○井田 茂 教授 ・ 中本 泰史 准教授
ハビタブルプラネット形成論をテーマに講義を行う。惑星の形成進化,生命の進化を許した惑星環境に関る基礎とトピックスについて解説する。
GCOE地球たち特別講義2 (GCOE Earths Special Lecture 2)
後学期 1-0-0 ○吉田 尚弘 教授・阿部 彩子 非常勤講師・丸山 茂徳 教授
酸素大気の化学をテーマに講義を行う。光合成生物の誕生とその進化により,高濃度の酸素が地球大気に含まれるようになった。酸素大気はオゾン層を形成し,有害な紫外線から現在の地球生命を保護する大気環境が生まれた。酸素を含む地球大気(対流圏と成層圏)における物理・化学・生物的プロセスを物質循環の観点から概説する。地球大気の光化学反応など物理化学的過程,現在及び過去の酸素レベルの大きく異なる環境における同位体分別について少し詳しく説明する。
GCOE地球たち特別講義3 (GCOE Earths Special Lecture 3)
前学期 1-0-0 丸山 茂徳 教授
生命環境史と極限環境下の生物をテーマに講義を行う。地球に残された 生命記録を解説する。現在の生物は,過去の生命進化を引きずった生態系を残している。初期生命は深海熱水系の過酷な高温条件下で誕生した後,地球表層の多様な環境進化に対応して多様な生態系を様々な環境下のもとで構築してきた。極限環境の生物達は,生命進化の過去の生き証人である。生命史と生きている化石生態系のリンクを試みる。
GCOE地球たち特別講義5 (GCOE Earths Special Lecture 5)
前学期 1-0-0 ○太田 啓之 教授 ・ 丸山 茂徳 教授
光合成生物の科学をテーマに講義を行う。現在の地球上に生存する我々高次生命の誕生と歴史や地球環境の変遷を考える上で,光合成生物の出現と進化に関する視点を欠くことはできない。また,地球環境の変遷は現存する光合成生物の生理とも密接にリンクしている。本講義では,光合成生物の誕生から進化,生理に至るまで,光合成生物の科学に関する知見を概説する。本研究領域における最新のトピックスもできる限り取り上げる予定である。
GCOE地球たち国際講義1,2 (GCOE Earths International Lecture 1,2)
前・後学期 各1-0-0 未定
GCOE地球たちが招聘した外国人研究者による集中講義。講義と質疑を英語で行う。ハビタブルプラネット形成をテーマに,最新のトピックスをとりあげる。
GCOE地球たちインターナショナル (GCOE Earths International)
後学期 0-0-1 ○中本 泰史 准教授 ・ 大森 聡一 特任准教授
GCOE地球たち主催の英語ディベイト演習への参加,あるいは同等の国際コミュニケーションスキル向上の活動に対して,自己申告書に基づき成績を評価する。GCOE地球たちのRAである博士課程学生を主な履修対象とする。
GCOE地球たちチュートリアル (GCOE Earths Tutorial)
後学期 0-0-1 ○井田 茂 教授 ・ 大森 聡一 特任准教授
教育・研究指導法の学習を目的とし,修士学生輪講の補佐,学部生卒業研究などの指導補佐を計画的に行う。GCOE地球たちのRAである博士課程学生を主な履修対象とする。
GCOE地球たちアウトリーチ (GCOE Earths Outreach)
後学期 0-0-1 ○井田 茂 教授 ・ 大森 聡一 特任准教授
地球惑星科学に関わる博物館・科学ミュージアムでの研修,地球惑星科学に関わる理科イベントへの参加,GCOE地球たち主催の公開講座の企画運営参加,あるいは同等のアウトリーチ参加を行い,活動報告書を提出する。GCOE地球たちのRAである博士課程学生を主な履修対象とする。