電気電子工学課程

 

 1.目的

 電気工学,電子工学は,社会を支える基幹分野,学問領域をカバーしており,大規模電気エネルギーの発生と制御,電波・光などの波動現象を駆使する情報通信技術,その基礎となる電子回路と信号処理,電子デバイスや集積回路,レーザおよび光回路,電気電子材料物性などのエレクトロニクス分野などが含まれる。本課程は,これらの広範な学問領域に対応できるように幅広い基礎学力を身に付け,将来の飛躍的な発展に対しても十分適応できるように広い視野・総合力・独創性を育み,先駆的研究者,指導的技術者,教育者,経営者などの人材を養成することを教育の目的とし,次の方針で学習課程を設けている。

 2.学習の指針

(a) 電気電子工学課程では,次の考え方に基づいて専門科目のカリキュラムを設定している。

必修科目:電磁気学,回路,数学を電気電子工学の骨格と位置づけ,これに実験,プログラミングを加え必修科目と設定している。また,最終年次において,学士論文研究で本課程の学習を完成させるとともに,大学院へ進学した後の研究の基礎を修得する。学士論文研究も必修科目と同じ位置づけであり,本学習課程を履修して卒業する学生は,学士論文研究を含む全ての必修科目を修得する必要がある。

準必修科目:電磁気学および回路の応用科目,システム,ソフトウエア等,電磁気学,回路の周辺を理解するために必要な科目および技術者育成の科目を準必修科目と設定している。この中には,科学技術に携わる者の素養として重要な技術論文,技術者倫理も用意されている。準必修科目は,必修科目と同様に,本学習課程を履修して卒業する全ての学生が修得すべき科目として位置づけられていることに留意すること。

選択科目:その他の電磁気学および回路の応用科目,システム科目,技術者育成科目,それに創造デザイン科目,インターンシップを加え,さらに発展学習科目と資格取得に必要な科目を選択科目と設定している。選択科目を履修することによって,電気電子工学分野に広がる広範な科学技術の基礎を身に付ける。

本学習課程を履修して卒業する学生は,この考え方に沿って主として付表に記された科目を履修すること。

(b) 将来進もうとする分野によっては,本課程以外の課程,特に本課程と密接に関連している情報工学課程の科目を適当に加えることができる。さらに,技術行政,企業経営,マネージメント等の分野で活躍しようとする者は,付表にあげた科目のほかに,他学科の科目を加え,国際コミュニケーション選択〔英語〕等を履修することがすすめられる。また,研究的業務に進もうとする者は数学,物理学,化学等の課程の科目を加えて履修するのもよい。

(c) 電力事業等の分野に従事する者は,経済産業省の定める「電気主任技術者」(担当:安岡康一教授)の資格を必要とする場合がある。この資格を得るには電気電子工学科に所属して,省の定める科目を在学中に履修しておくことが必要である。総務省の定める「電気通信主任技術者」(担当:荒木純道教授)および,「無線従事者」(担当:安藤真教授)(実施機関「(財)日本無線協会」)の国家試験の一部免除を申請する場合も同様である。希望者は電気電子工学科ホームページ「授業科目情報」のうち「資格取得関係」の記載を確認の上,必ず担当教員に相談すること。

 3.必要単位数

 電気電子工学課程を履修して卒業する学生の卒業に必要な総単位数は128単位である。このうち,理工系基礎科目の最低必要単位数は16であるが,20単位までが卒業に必要な単位として認められる。

 3.1 通常卒業(4年以上在学し卒業)

(a) 学士論文研究の申請
 学士論文研究を申請するためには,6学期以上在学し,原則として次の単位を修得していなければならない。
 付表の第1〜第6学期に示す必修(◎印)科目を29単位以上,準必修(○印)科目を12単位以上および選択(◇印)科目を6単位以上。

(b) 卒業
 本課程を履修して卒業するためには,次の単位を修得していなければならない。  付表に示す全ての必修(◎印)科目,学士論文研究8単位,準必修(○印)科目を16単位以上および選択(◇印)科目を6単位以上。

 3.2 早期卒業(4年未満の在学で卒業)

(a) 学士論文研究の申請
 5学期までに「東京工業大学早期卒業に関する規則」を満たし,かつ付表の第1〜第5学期に示す必修(◎印)科目を33単位以上,準必修(○印)科目を12単位以上および選択(◇印)科目を6単位以上修得していること。

(b) 卒業
 本課程を履修して卒業するためには,次の単位を修得していなければならない。
 付表に記す全ての必修(◎印)科目,学士論文研究8単位,準必修(○印)科目を16単位以上および選択(◇印)科目を6単位以上。
 なお,早期卒業の場合,学士論文研究は半年間で終えることができるものとし,その場合も8単位を認定する。

 4.その他

 本課程の目的から,次のように履修することが望ましい。なお,理工系基礎科目の最低必要単位数は16であるが,20単位までが卒業に必要な単位として認められる。理工系基礎科目として,微分積分学第一,同第二B,線形代数学第一,同第二B,微分積分学演習第一,同第二,線形代数学演習第一,同第二を履修することが強く望まれる。

Fゼミ(Fゼ)

2単位

理工系基礎科目

20単位

Lゼミ(Lゼ)

1単位

 なお,本課程では原則として重複申告は認められていないので,注意すること。
 国際コミュニケーションT「英語5,英語6又は英語7」の単位認定のための本学科における合格基準点は,550点(TOEIC試験の点数)である。なお,卒業までにTOEIC試験730点(本学科の目標点)相当以上の英語能力を身に付けることが望ましい。
 電気電子工学科ホームページ(http://www.u.ee.titech.ac.jp

 

付 表

第  1  学  期

第  2  学  期

Fゼ

 ◇5類F1ゼミ

2−0−0

理広

理広

 ○電気電子基礎学

 ◇情報基礎学

2−0−0

2−0−0

第  3  学  期

第  4  学  期

基専

理広

理広

理広

基専

基専

基専

 ◎電磁気学T

 ◎線形回路

 ◎解析学(電気電子)

 ◎フーリエ変換及びラプラス変換

 ◎プログラム実習

 ○アルゴリズムとプログラミング

 ○電気電子計測

2−1−0

2−1−0

2−1−0

2−1−0

0−0−2

2−0−0

2−0−0

基専

理広

基専

基専

基専

基専

理広

 ◎電磁気学U

 ◎応用確率統計

 ◎回路理論

◎電気電子工学実験1

 ○制御工学(電気電子)

 ○半導体物性

 ◇先端ネットワーク工学

2−1−0

2−1−0

2−1−0

0−0−2

2−0−0

2−0−0

1−0−0

第  5  学  期

第  6  学  期

基専

基専

基専

基専

基専

基専

基専

基専

基専

基専

理広

理広

 ◎アナログ電子回路

 ◎ディジタル電子回路

◎電気電子工学実験2

 ○電気機器学

 ○電子デバイス

 ◇電気電子材料

 ◇量子力学

 ◇波動工学

 ◇電気現業実習

◇電気電子工学創造実験

 ◇一般機械工学

 ◇材料力学概論S

2−1−0

2−1−0

0−0−2

2−0−0

2−0−0

2−0−0

2−0−0

2−0−0

0−0−2

0−0−1

2−0−0

1−0−0

基専

基専

基専

基専

基専

基専

基専

基専

基専

理広

理広

理広

◎電気電子工学実験3

 ○コンピュータアーキテクチャ

 ○通信伝送工学

 ◇電力工学T

 ◇高電圧工学

 ◇パワーエレクトロニクス

 ◇ディジタル信号処理

 ◇集積回路工学

 ◇光エレクトロニクス

 ◇情報通信技術(ICT)概論

 ◇自動制御

 ◇科学技術者実践英語

0−0−2

2−0−0

2−0−0

2−0−0

2−0−0

2−0−0

2−0−0

2−0−0

2−0−0

1−0−0

2−0−0

1−0−0

第  7  学  期

第  8  学  期

学論

理広

Lゼ

基専

基専

基専

基専

基専

基専

基専

理広

理広

 ◎学士論文研究

 ○技術者倫理(電気電子工学科)

○技術論文(Lゼミ)

 ◇電力エネルギー変換工学

 ◇電力工学U

 ◇多次元データ解析

 ◇波動伝送工学及び電波法

 ◇無線通信システム

 ◇電気機械設計及び製図

◇電気電子工学実験4

 ◇原子核工学概論

 ◇工業経営

0−0−4

1−0−0

0−0−1

2−0−0

2−0−0

2−0−0

2−0−0

2−0−0

1−0−1

0−0−1

2−0−0

2−0−0

学論

基専

基専

基専

基専

 ◎学士論文研究

 ◇電気法規及び施設管理

 ◇電気鉄道

 ◇情報ネットワーク設計論

 ◇品質管理

0−0−4

1−0−1

1−0−0

2−0−0

1−0−1.5

◎印:必修 ○印:準必修 ◇印:選択
(注)△印は収容人員を制限する授業科目

 

電気電子工学課程 授業科目表(平成23年度入学者用) [PDF]

電気電子工学課程 授業科目構造図 [PDF]