理事・副学長就任あいさつ

新型コロナウィルス感染症の世界的大流行は、「学び」や「教え」の本質を深く再考する機会をもたらしました。過去2年間で、世界中から教えたり学んだりできるオンライン教育を当たり前に実施するようになったことは、140年に及ぶ本学の教育の歴史の中でも、次世代の教育革新の可能性を秘めた大きな変革期の中にいると考えております。

一方、2016年度から始まった本学の教育改革が本年度で7年目となり、昨年度末には学士課程から修士課程まで一貫した学院制のもとで学んだ学生が初めて修了しました。本学の修了生が高い志をもって多様な場面でリーダーシップを発揮し、科学技術の力でより豊かなグローバル社会を築いていくことを期待しつつ、今後は、この教育改革での教育効果や学習効果を検証していく段階に入ります。

これらのことを踏まえつつ、益一哉学長の下でこれまで実施してきた本学の教育をより一層推進するとともに、高大接続を含む入学時から各学修課程の修了時、そして修了後の社会での活躍に至る幅広い時間スケールの中で、世界最高水準の研究に学生を招き入れ、学生が自ら学び考える新しい大学教育の在り方を、教職員の皆さん、そして学生の皆さんとともに考え、構築していきたいと思います。

皆様のご指導とご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

この度、二度目の勤務の機会をいただきありがたく思っております。
この3年間は沖縄科学技術大学院大学でDiversity（ダイバーシティ）のダイナミックさや難しさを肌身で体験していました。
40年余りの職業生活でたどり着いた仕事への向き合い方の肝は「人の役に立つこと」に尽きます。職場に集う人なら誰でも仕事を通じて充足した人生を送りたいと思っているはずです。同僚のそうした思いに寄り添ってその実現を支援するのが幹部職員の役割だと思っています。

私は、人間は皆生かされていると思っています。毎日、無事に眠りから覚めて、事故なく職場に来ることができる。それは今日も人の役に立ちなさいと諭されているのだと思っています。そんな気持ちで皆さんと人の役に立つこと、そして仕事の喜びを分かちあいたいと思います。そのことを通じて皆さんの力が最大限に発揮され、東工大が世界第一級の大学として発展していくことに貢献したいと思います。

東工大はその財務戦略で一目置かれる存在になりつつあります。この戦略をさらに磨きキャンパス整備を進め、東工大モデルを創れるように精進します。皆様のご指導、ご鞭撻をお願いします。