東工大ニュース

TECHクッキングスタジオ~お菓子作りを科学する~を開催

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公開日:2022.05.02

3月11日、東京工業大学は、学生のための国際交流拠点「Hisao & Hiroko Taki Plaza(ヒサオ・アンド・ヒロコ・タキ・プラザ以下、Taki Plaza)」において、学生支援センター未来人材育成部門、学務部学生支援課支援企画グループ、一般社団法人蔵前工業会共催のもと、「TECHクッキングスタジオ~お菓子作りを科学する~」を開催しました。

KITCHEN

会場となったTaki Plaza地下2階のキッチンスペース

会場となったTaki Plaza地下2階のキッチンスペース

柳瀬さん作の「TECHクッキングスタジオ」のポスター
柳瀬さん作の「TECHクッキングスタジオ」のポスター

このイベントは、本学の卒業生でもある株式会社ぐるなび取締役会長・創業者の滝久雄氏の支援を受けて立ち上げた、Taki Plazaを拠点として活動する東工大生を応援するプロジェクト「未来人材応援プロジェクト」の一環として行われました。
このプロジェクトは4つのSessionから構成されており、Taki Plaza 地下2階のキッチンスペースを使用した料理イベントは「Session4」となりました。
今回のテーマは「お菓子作りを科学する」です。この「Session4」の担当者たちは、料理に関するイベントということで、留学生が出身国の鍋料理を作り、それを囲んで学生同士が交流することを企画していました。しかし、コロナ禍で飲食を伴うイベントを行うことができず、それに代わる東工大らしい料理イベントはないか、とプロジェクトメンバーで何度も話し合いを続けました。その結果、パティシエがお菓子を作る目の前で、同時に、化学式などを用いたお菓子作りの工程を科学的に解説するという、サイエンスなクッキングスタジオを開催することに決定しました。

ゲスト講師は、本学の生命理工学研究科 生物プロセス専攻・博士後期課程の卒業生で、大岡山の洋菓子店「Natural cafe & patisserie Teaful(ナチュラルカフェ&パティスリーティーフル)」を経営する小泉直也氏と、共同経営者であるパティシエの渕上一明氏です。渕上パティシエがお菓子作りのデモンストレーションを行い、小泉氏がホワイトボードを使い科学的な解説を担当しました。
司会は、プロジェクトのメンバーである、理学院 化学系の福田義季さん(修士課程1年)と、同じくメンバーであり、Taki Plazaを運営する学生団体Taki Plaza Gardener(タキプラザ・ガーデナー)リーダーで環境・社会理工学院 融合理工学系の柳瀬梨紗子さん(学士課程2年)が務めました。

限定20名の完全予約制の本イベントの参加者は、受付で体温測定、アルコール消毒をした上で、マスク着用を確認後、さらにフェイスシールドの着用、イベント中の飲食は一切禁止に協力し、キッチンスペースに着席しました。
この日のメニューはマドレーヌ作り、マドレーヌの皿盛り、チョコキューブ作りでした。

福田さん作の「TECHクッキングスタジオ」カフェボードを前にした(左から)福田さん、柳瀬さん、小泉氏、渕上パティシエ

福田さん作の「TECHクッキングスタジオ」カフェボードを前にした(左から)福田さん、柳瀬さん、小泉氏、渕上パティシエ

福田さんの開会宣言のもと、さっそくデモンストレーションが開始されました。
1品目はマドレーヌで、グラニュー糖を使用した場合と上白糖を使用した場合の2種類のデモンストレーションが行われました。

マドレーヌを焼いている間に、小泉氏による「グラニュー糖と上白糖の分子構造の違いの説明と化学反応の解説」が始まりました。参加者は頷きながらメモをとり、真剣に聞き入っていました。分子構造の違いと化学反応の仕組みを知ると共に、渕上パティシエが「上白糖は世界から見ると大変丁寧に精製された上質で高価な砂糖で、上白糖でお菓子を作るのはほぼ日本のみである」と上質な砂糖で作られる日本のスイーツが世界的にも特別であることを話しました。マドレーヌが焼き上がると、今度はプロの技術で盛りつけをしました。焼きあがったマドレーヌの上に丁寧に時間をかけて作った生クリームと果物をのせ、ココアパウダーを振りかけます。この生クリームを泡立てている間に「生クリームが液体から個体になるメカニズムの解説」が小泉氏より行われました。

渕上パティシエによるマドレーヌ作り
渕上パティシエによるマドレーヌ作り

小泉氏がお菓子の科学を解説
小泉氏がお菓子の科学を解説

2品目は、身近で購入できる市販のグラノーラを使って、美味しく簡単に作ることができるチョコキューブでした。型に入れ冷やしている間、小泉氏が解説した「チョコレートの脂肪の構造とテンパリング」を聞いた参加者は、「チョコレートの結晶構造に興味を持っていたのでタイミングがよくおもしろかった」と感想を述べていました。解説の終了後、冷やして出来上がったチョコキューブを取りだし、先ほどのマドレーヌの皿に盛り付け、メニュー全てが完成しました。

プロの技術で盛り付けられたお菓子

プロの技術で盛り付けられたお菓子

次のコーナーでは、申込時に募集したお菓子作りに関する、「レシピ本通りにやってもうまくできないときの対処方法」、「ザラメから綿菓子ができる仕組みを知りたい」や「クッキーが思うようにプレートから剥がれず生地の油で手がベタベタになってしまったので気を付けるポイントを知りたい」等の質問に、小泉氏と渕上パティシエが丁寧に答えました。
司会の柳瀬さんが閉会のあいさつをした後、参加者はデモンストレーションのレシピと事前に用意された特製のマドレーヌとチョコキューブをお土産に持ち帰りました。
小泉氏と渕上パティシエが、身近で購入したり家にある材料を使ったりして「ほとんど失敗することがない」と太鼓判を押す秘伝のレシピに、マドレーヌもお店オリジナルの3種類入りという大変豪華なお土産に、全員が笑顔で帰途につきました。

参加者にアンケートを行った結果、全員が次回も「TECHクッキングスタジオ~お菓子作りを科学する~」を開催するのであればぜひ参加したいと回答しました。
この結果を踏まえ、今後もTaki Plazaにて、「TECHクッキングスタジオ」を継続的に開催していく予定です。
この企画は、コロナ禍の関係で参加の人数を大幅に制限したため、募集の開始と同時に申し込みが殺到し、およそ1時間で定員に達しました。次回はコロナ禍の状況が今より更に改善し、より多くの参加者が「TECHクッキングスタジオ」の場で交流できることが期待されます。

東工大基金

このイベントは東工大基金によりサポートされています。

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お問い合わせ先

学務部 学生支援課 支援企画グループ

E-mail : gak.sie@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-3011

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