国道16号線は、東京の郊外をぐるりと巡る全長330キロの環状道路だ。この道の通る「16号線エリア」は、旧石器時代から縄文、弥生、古墳時代と人々が住み続け、畿内に政治の中心があった時代には、のちの武士たちとなる地方豪族たちが群雄割拠していた。源頼朝が制した関東も、太田道灌、後北条、そして徳川家康が江戸をつくるうえで重要拠点としたのも、明治以降の富国強兵も殖産興業もこの道沿いが主役だった。戦後の流行音楽の発祥の地となり、日本最大のベッドタウンと工業地帯となり、コロナ禍の今、住みたいエリアナンバーワンとなっている。そして東工大をはじめ百以上の大学があるのもこの道。国道16号線がなぜそんなに「すごい」のか。『国道16号線「日本」を創った道』(新潮社)著者である柳瀬博一教授が、その秘密を解き明かします。
※対面参加の事前申込みは終了しました。