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松岡聡教授がスーパーコンピュータの最高峰学術賞「シドニー・ファーンバック記念賞」を受賞

2014.09.29

概要

東京工業大学 学術国際情報センター 松岡聡(まつおか さとし)教授が、2014年のIEEEコンピュータソサイエティの「シドニー・ファーンバック記念賞」[用語1] を受賞することが2014年9月に決定しました。

ファーンバック賞は1992年に創設され、「スーパーコンピュータのアプリケーションに対して傑出した貢献をもたらした画期的なアプローチ」に対して毎年与えられます。計算機科学の国際学会であるIEEEコンピュータソサイエティが毎年授与する最高レベルの研究技術賞の一つであり、スーパーコンピュータの学術賞としては世界的に最高峰のものです。情報分野全体のノーベル賞に相当するACMアラン・チューリング賞の次席の賞の一つに位置づけされます。同賞は今までスーパーコンピュータにおける高性能アプリケーションやソフトウェア分野の歴代のトップ研究者が受賞してきましたが、日本人の受賞は今回が初めてのことです。

授賞式は、2014年11月18日に米国ニューオーリンズ市にて開催されるIEEE-CSとACMが共同主催するSupercomputing(スーパコンピューティング)2014国際会議[用語2] の開会式の一部として執り行われ、更に同会議にて19日に記念招待講演が行われる予定です。

受賞理由

先進的なインフラ基盤・大規模スーパーコンピュータ・CPU/GPU型スーパーコンピュータ[用語3] のソフトウェアシステムにおける研究において目覚ましい成果を出した。

松岡教授からのコメント

東京工業大学 学術国際情報センターでの世界トップランクのスーパーコンピュータである一連のTSUBAMEシリーズの構築を含む、長年のスパコンに関する世界トップレベルの研究開発が国際的に評価されることは、大変光栄であり嬉しく思っています。この賞は多くの内外の共同研究者や各メーカーとの協業、更には種々の研究プロジェクトにおける国民の皆様のご支援なしには達成できなかったと思います。皆様のご支援、真に感謝しております。

松岡聡(まつおか さとし)

松岡聡 教授

学術国際情報センター 松岡聡 教授

博士(理学)(東京大学、1993年)。2001年より東京工業大学 学術国際情報センター教授。専門は高性能並列システムソフトウェア(GPU/メニーコアプロセッサ・省電力・高信頼・大規模データ処理等)。JST-CREST Ultra Low Power HPC (2007-2012)、科研基盤S「10億並列・エクサスパコンの耐故障性基盤」(2011-2015)、文科省「ウルトラグリーンスパコン」(2011-2015)、JST-CREST「エクストリーム・ビッグデータ」等代表。

プロジェクトリーダを務めた2006年構築の東工大スパコンTSUBAME1は我国トップを2年間維持、更に2010年日本初の「ペタコン」のTSUBAME2.0はTop500世界4位。2013年11月にはTSUBAME3.0のプロトタイプTSUBAME-KFCにて、電力性能比のランキングGreen500において我が国のスパコンとしては初の世界一位、ビッグデータの電力性能ランキングGreen Graph 500においても世界一となり、二冠を達成。

ACM OOPSLA 2002、IEEE CCGrid 2003、ACM/IEEE Supercomputing (09論文、11コミュニティ、13プログラム)、 ACM HiPC (2011)を含む、主要国際学会のプログラム委員長職等を歴任。

情報処理学会坂井記念賞(1999年)、学術振興会賞(2006年)、 ISC賞(2008年)、ACM ゴードン・ベル賞(2011年)、文部科学大臣表彰(2012年)を含む種々の受賞。ACM&欧州ISCフェロー。

用語説明

[用語1] IEEEコンピュータソサイエティ (IEEE Computer Society) : アメリカ合衆国に本部を持つ電気工学・電子工学技術の学会であるIEEEのテクニカルソサエティの一つとして、計算機科学の国際学会としての役割を担っており、10万人規模の会員を有する。多くの計算機科学の学術刊行物の発行、国際会議の主催、分野毎の技術委員会の運営、等を行う。

[用語2] IEEE/ACM Supercomputing(スーパコンピューティング)国際会議 : 1988年より毎年11月に米国においてIEEEコンピュータソサイエティと、もう一つの計算機科学の主要国際学会であるACM(Association For Computing Machinery - 米国に本部がある計算機械学会)が共同開催する世界最大のスーパーコンピュータ・計算科学・高性能計算分野に関する国際会議。毎年世界数十国から1万人以上が参加し、日本からも700人近くの研究者やメーカーが参加する。学会の個人業績賞としては、ファーンバック賞以外にも、計算機アーキテクチャのシーモア・クレイ賞、ソフトウェアと教育のケン・ケネディ賞、の三つが開会式にて表彰される。その他にもスパコンのアプリケーションソフトウェアに与えられるゴードン・ベル賞、主要スパコンランキングであるTop500、Green500、Graph500等も会議中に発表される。

[用語3] CPU/GPU型スーパーコンピュータ : 当初はグラフィックス用として開発され、近年では高性能並列プロセッサとしても用いられるGPU(Graphics Processing Unit)と通常のCPUを異機種結合したタイプのスーパーコンピュータである。この形式のスパコンは現在では世界一位の中国Tianhe-2や二位の米国Titanなど、多くの世界トップレベルのスーパーコンピュータで見られるが、そのパイオニアは、スパコンの世界ランキングであるTop500リストに世界で初めて2008年10月にランクインした東工大TSUBAME1.2である、とみなされている。

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