清華大学との大学院合同プログラム
東工大と中国の理工系トップレベルの清華大学で、両大学の指導教員の指導を受けながら研究活動を行い、両大学の修士号を取得するプログラムです。
概要
東京工業大学・清華大学大学院合同プログラム(以下、「本プログラム」)は、国際的リーダーシップを発揮できる優れた理工系人材養成を目的として2004年にスタートした、日本と海外の2つの学位取得を目指す、大学院レベルではわが国初のダブル・ディグリープログラムです。
本プログラムには、ナノテクノロジー、バイオ、社会理工学の3つのコースがあり、東工大から参加する学生と、中国・清華大学から参加する学生により構成されています。
カリキュラムは、日本語と中国語を主とし、必要に応じて英語も交えて行われるため、専門領域での知識だけではなく、日本語、中国語、英語の三カ国語もあわせて習得することができます。また、東工大から参加する学生には、清華大学における修学に備えて、渡航前の中国語講座が用意されています。
東工大から参加する場合は、本プログラム修了に要する年数は、2.5年間です。4月に東工大修士課程に入学し、同年9月には、中国・清華大学に入学します。1年目の9月に清華大学へ入学してからのおよそ2年間は、東工大と清華大双方に学籍を有し、この間、日中両大学の指導教員から指導を受け、両大学からそれぞれ修士学位を取得することを目指します。実際の中国滞在期間については、ナノテクノロジー、社会理工学の2コースは約1年間と6ヶ月、バイオコースは約1年間が標準期間となっております。
参加者は、これまでに日中双方から220名以上となり、170名におよぶ修了生たちは、日中双方で得た、最先端の知識、言語、文化と、人的ネットワークを活かして世界中のさまざまな分野で活躍中です。
詳しくは以下のウェブサイトをご覧ください。
古月堂(清華大学キャンパス内国際交流処)
清華園 門と清華大キャンパス内建物
修了生からのメッセージ
東工大修士12期生(ナノテクノロジーコース) 鈴木崇大
このプログラムを通して得られた最大の財産は、友です。東工大から共に清華大学に渡った同期は日々困難を共に乗り越えた戦友であり生涯の友です。また、清華大学でも数々の生涯の友と出会うことが出来ました。試薬がアルファベット表記ではなく全て漢字表記であったり、中国語で依頼しなければ受けてくれない分析補助員がいたりと毎日が壁であった研究生活において、いつも助けてくれたのは中国人の同級生や研究室の学生達でした。彼らの助けがあったからこそ、私は限られた時間の中で研究において成果を出すことが出来、中国語や中国の研究事情や中国文化の多くを学ぶことができました。清華大学で出会った友が教えてくれた言葉に清華大学の校訓"自强不息、厚德载物"があります。日本語では"自身の向上に努めるだけでなく、人徳を高く保ち物事を成し遂げる"という意味であり、清華大学の学生はこの校訓を大切にしているからこそ周りと高め合う環境を醸成できているのだと感じます。清華大学の校訓を胸に、今後も生涯の友とお互いを高め合いながら社会に貢献していく所存です。
このプログラムの魅力は中国という異文化での研究生活だけでなく、日中の生涯の友が得られることです。これまで以上に東工大・清華大学大学院合同プログラムが発展し、将来中国生活の苦労を共に語ることが出来る仲間が増えることを期待しています。
東工大修士9期生(バイオコース) 梅津純平
清華大学では研究活動、授業、そして私生活を通して様々なことを経験し学びました。特に、慣れない文化と環境の中、コミュニケーションを取り、周囲の信頼を得て、研究をやり遂げたという自信は私の人生の大きな財産になっています。
現在、私は日系飲料会社の経営企画部門で働いています。中国含め海外のグループ会社や取引先と仕事をすることが多いですが、グローバルなビジネスをする上で、清華大学で得た経験と自信が非常に役に立っています。
先日、北京出張の機会がありました。久々に訪れる北京は、私が留学していた2013年と比較してもテクノロジーの進歩が著しく、日本が中国から学ぶことがより多くなってきていると痛感しました。実際、中国からの学び、中国のテクノロジーを活用する機会は増えています。その中国のトップ大学への留学で得る経験はあなたのキャリアのプラスになるはずです。
つらいこともありますが、楽しいこともたくさんあります。ぜひ清華大学での留学を楽しんでください!
東工大修士13期生(社会理工学コース) 有満勇人
このプログラムでは、夢のように充実した、あっという間の2年半を過ごしました。清華大学では1年半生活し、心理学の研究とスポーツに打ち込みました。学生のレベルは非常に高く、常にアメリカへ、世界へと目を向け、日々実験や投稿論文に精を出す姿勢は、とても刺激的でした。一方、清華大学は无体育不清华(No sports, no Tsinghua)という言葉があるほどスポーツが盛んで、私も部活動や学内イベントに積極的に参加しました。生活の全てをキャンパス内で完結できるため、日本と比較にならないほど、濃密なキャンパスライフになります。結果として、中国国内はもちろん、世界中に素敵な友人ができました。
学外に目を向けると、急成長を続ける中国で長期の生活を送れること自体も、このプログラムの大きな魅力です。シェアバイクや電子決済などは序の口で、国民に深く浸透した、あらゆる便利なサービスに日々驚かされます。そして、それらの恩恵を受ける中で、留学中には日本・日本人について客観的に考える機会を、多く得ました。
このプログラムを通して、かけがえのない経験を積みました。これから私は、日本と中国、更には世界に貢献できる人間になります。プログラムに関わる方々への感謝は忘れません。そして、今後のプログラムの更なる繁栄を心より願っています。もし、プログラムへの参加を迷っている方がいたら、SNS等でぜひお気軽にご連絡ください。