第35回蔵前科学技術セミナー

2016年10月22日（土）
講演会 13:00～17:15（受付開始12:30）
交流会 17:30～19:00

東工大蔵前会館1階　くらまえホール（講演会）、ロイアルブルーホール（交流会）
（最寄駅：東急目黒線・大井町線大岡山駅下車1分）

講演会は参加費無料です。
交流会参加費は 一般3,000円、学生・生徒は無料となります。

申込フォームに必要事項を記入の上、お申込み下さい。
締め切り：2016年10月18日（火）
申込受付が完了すると、「受け付けました」という自動返信メールが返ります。

申込に関するお問い合わせ先： 蔵前工業会 事務局 kuramae@kuramae.ne.jp

• 開会の辞

• 講演1：「系外惑星 ― 宇宙における生命」
• 東京工業大学 地球生命研究所副所長・教授 井田茂氏
• 「この銀河系に、太陽系に、誰か他にいるのか？」それは多くの人が抱く疑問かもしれない。1995年に「ホット・ジュピター」と呼ばれる、思いもよらない姿の系外惑星が発見された。その後、堰を切ったかのように、太陽系の木星に対応する巨大ガス惑星が次々と発見されていった。2010年頃から、地球と同じような惑星かもしれない「スーパー・アース」や「アース」、表面に海を持ち得る軌道半径にあるスーパー・アースやアースも発見されるようになった。
  この銀河系には生命を宿す惑星が無数に存在するのかもしれない。もちろん、地球外知的生命とか地球外文明の議論までには至っていないが、地球外生命の存在や、それを天文観測でどのように確認するのかに関しての議論も活発になってきた。
  このように急速に発展してきた系外惑星研究の歴史を振り返りながら、地球外生命の議論がどのように変わってきたのかについて、お話をしていきたいと思う。

• 講演2：「熱湯の中の微生物・ウイルスから探る生命の起源と進化」
• 東京工業大学 地球生命研究所 研究員 望月智弘氏
• 20世紀後半、それまで「死の世界」と思われていた煮えたぎる熱湯の中にも微生物が生息していることが発見された。これまでに日本をはじめ世界各地にある100℃近くまで達する温泉や、さらにそれ以上の温度になる深海の熱水噴出孔などから数多くの微生物が発見されている。興味深いことにそれらの「（超）好熱菌」は生命の系統樹の根本に位置し、すなわち約40億年前の最初の生命はこのような高熱環境下で誕生した、と考えられている。こうした環境に生息する微生物の発見は、地球上の生命の起源への理解のみならず、地球外生命体の発見にも繋がるとして、非常に注目を浴びている。
  本講演ではこのような極限環境に生息する菌、ならびにそれらに感染するウイルスに関する研究を通し、地球生命の起源や進化、さらには地球外生命体の有無などについても紹介する。

• 講演3：「生命を宿す惑星の条件」
• 日本学術振興会特別研究員／東京工業大学 地球生命研究所 黒川宏之氏
• 生命はどのようにして誕生したのか？地球以外の星に生命は存在するのか？
  本講演では、このような「地球と生命の謎」について、生命を宿す場である惑星の科学という観点から最新の知見を紹介する。
  この謎の答えの手がかりを得るには、まず地球がどのような特徴をもつ惑星なのかを知り、生命に必要な環境を知る必要がある。さらに、地球を地球とは異なる姿を持つ惑星―金星や火星と比較し、地球が現在のような姿の惑星になった要因を追求していく。
  地球の古環境の地質学的研究や、太陽系惑星探査、太陽系外惑星の観測の最新の成果をもとに、「生命を宿す惑星の条件」に迫る研究の現状と将来について紹介する。

• 交流会：東工大蔵前会館ロイアルブルーホール