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〔教 授 要 目〕

 

離散システム論(Discrete Systems Theory)

前学期 2−1−0 ○廣田  薫 教授・中村 清彦 教授・渡邊 澄夫 教授

離散的なシステムを数学的に表現し,解析,設計する能力を養うことを目的とし,そのための基礎概念お

よび基礎理論の理解を目標とする。講義内容には,論理,集合,グラフ,オートマトン,形式言語,計算論,

確率,統計,情報理論などを項目として含む。

動的システム論(Dynamical Systems Theory)

前学期 2−1−0 ○村田  智 助教授・小池 康晴 助教授

システム表現,実システムのモデリング,状態空間モデル表現,線形システム解析,フィードバックとフ

ィードフォワード,リアプノフ安定論,非線形振動,分岐,特異点とリミットサイクル,ストレンジアトラ

クタ,構造安定など,線形からカオスまでを解説する。講義および演習・課題によりシステムの動的概念と

解析法を習得する。

適応システム論(Adaptive Systems Theory)

前学期 2−1−0 ○長橋  宏 教授・山村 雅幸 教授・長谷川 修 助教授

知能システム科学の各分野に関係する適応システムの方法論的基礎の修得を目標とする。講義では,最適

化,意思決定とゲーム,進化,学習などを取り上げ,関連性を考慮した体系的な解説を行う。また,演習に

よる理解と習熟を図る。

システムモデリング(System Modeling)

前学期 2−1−0 ○新田 克己 教授・佐藤  誠 教授・山村 雅幸 教授

グループによる知的なシステムを構築するためのリテラシーとして,オブジェクト設計論とグループウェ

アの方法論を学習する。前半は,オブジェクト指向プログラミングによるデータの整理方法や並列プログラ

ミングを学習する。後半は,グループにおける意見集約方法とプレゼンテーションの方法を学習した後,グ

ループで課題を解き,それを発表する演習を行って,組織におけるコミュニケーション能力の向上を図る。

システム神経科学(Systems Neuroscience)

前学期 2−0−0  宮下 英三 助教授

神経科学が脳をどこまで理解できているのか,その現状を運動系を題材にして把握することを目的とする。

脳の機能的構成要素である神経細胞の構造と機能を概説した後,Eric R. Kandelら編Principles of Neural

Scienceの輪講を行う。

情報ネットワークシステム論(Information Network Systems)

前学期 2−0−0 山村 雅幸 教授・玉 圭樹 講師

計算機ネットワークは現代社会を支えるインフラストラクチャとなりつつある。本科目では計算機ネット

ワークとしてローカルエリアネットワーク(LAN)の構成と動作,およびインターネットにおけるパケット

配送とその制御の概要を紹介し,さらにインターネット上で構築される各種情報サービスおよびその運用管

理について講義する。

94001

離散数理(Discrete Mathematics)                        西暦偶数年度開講

前学期 2−0−0 室伏 俊明 助教授

離散的なシステムを数学的に表現し解析,設計する能力を養うことを目的とし,離散数学における抽象的

な概念の理解とその論理的操作の習熟を目標とする。講義内容には,証明,集合族,関係,順序,束,代数系,

Boole代数などを項目として含む。

94004

進化システム論(Evolutionary Systems Theory)

前学期 2−0−0 小林 重信 教授

進化とは何か。進化するシステムの条件とは何か。生物システム・社会システム・経済システム・科学技

術システムを進化システムとして把えると何が分かるのかなど複雑適応系の視点から論じる。また,進化計

算論,特に世代交代モデルの枠組を通して,上記の諸問題を議論する。

94007

脳情報システム論(Systems and Computational Neurosciences)

後学期 2−0−0 中村 清彦 教授

脳神経系における知覚,記憶,学習,運動制御等についての生理学,解剖学,臨床医学等の知見を概説し,

現在の脳神経科学が描く脳機構の全体像を把握してもらう。また,これらのデータを基に脳の情報処理機構

を数理的に解析する研究を紹介し計算神経科学への入門とする。論じる事項は,神経細胞膜特性とHodgkin

-Huxleyの等価回路,側頭葉と視覚認識,前頭連合野と計画・意志決定,運動領野と行動生成,海馬と記憶

系,脳幹視床下部と報酬動因系,神経細胞群の同期興奮と情報統合,その他である。

社会経済システム論(Social & Economic Systems Theory)

後学期 2−0−0 出口  弘 教授

人間を要素とする社会経済システムをモデル化する新しい技法と方法論を論じることがこの授業の目的で

ある。そこでは二つの課題がある。

一つは具体的に経済というマクロなシステムを個々の経済主体の財の交換によるミクロな状態記述からボ

トムアップに構成する中で,既存の経済モデルをシステムとして問い直す作業である。もう一つは,社会経

済システムを合理的主体ではなく内部モデルを持ち学習するエージェントからなる動的システムとして捉え,

エージェントベースモデリングの観点から制度設計に主眼を置いて問い直すことである。

本年は研究室で開発中のエージェントベースシミュレーション用の言語を用いた実習も予定している。た

だし授業の具体的内容は,受講者によって具体的には決定する。

94003

計算知能論(Computational Intelligence)

後学期 2−0−0 廣田  薫 教授                      西暦偶数年度開講

厳密な数式モデルでは表現できないが言葉では表現できるような複雑/悪構造のシステムを記述・処理す

ることを念頭に,言葉の意味や概念の定義に見られるあいまいさを扱う理論の一つであるファジイ理論につ

いて講義する。前半では,ファジイ集合論,ファジイ論理,ファジイ推論,ファジイ測度諭などのファジイ

理論の基礎を説明し,後半では,これらの応用と,応用のための方法論について講義する。また,ファジイ

制御にも触れる。

94012

複雑システム数理(Theory of Complex Systems)

後学期 2−0−0 三宅 美博 助教授

相互作用を特徴とする複雑システムの解析及び合成に関する数理的な方法論について,従来のシステム理

論との関係を交えて講義する。このような複雑システムの特徴である非線形性と開放性に着目して,秩序(パ

ターン)形成機構としてのシナジェティクスやエソトレインメントなど自己組織化について解説する。さら

に,これらを踏まえて,インタラクティブなインタフェースやメディアの設計についても考察する。

情報統計力学(Statistical Physics of Information Processing)

後学期 2−0−0 樺島 祥介 教授

統計力学,特にスピングラス理論における概念・計算技法の情報科学への応用について述べる。講義の流

れとしてははじめの3,4回を使ってスピングラス理論の解説を行った後,個別問題へのその応用について言

及する。トピックスとしては

1)連想記憶モデル,2)パーセプトロンの学習問題,3)スペクトル拡散符号,4)誤り訂正符号,5)

公開鍵暗号,6)画像修復問題,7)論理式充足問題などを予定している(全てを取り上げる訳ではない)。

統計力学の知識は特に要求しない。講義形式を予定しているが場合によってはゼミ形式で行うこともある。

知能システム論(Theory of Intelligent Systems)

後学期 2−0−0 新田 克己 教授・玉 圭樹 講師

知能システムを構築するための技術を基礎から応用に至るまで体系的に学習する。前半は,論理プログラ

ミング,高次推論(類推,帰納推論,仮説生成,非単調推論など),Webにおける知識情報処理などの知識処

理の基礎技術を講義し,後半は,近年注目をあびているエージェントやその知能を司る適応・学習メカニズ

ム(特に強化学習),複雑な作用からなるマルチエージェントシステムについて、例題を通してその利点と意

義を解説する。

94002

運動システム論(Systems Theory for Human and Robot Movements)

後学期 2−0−0  伊藤 宏司 教授

生物やロボットは,外界の情報を認識し,環境に適応するように自らの内部構造を変化させつつ,新しい

運動・行動を学習的に獲得することが求められる。本講義では,生物およびロボットにおける運動・行動の

学習と制御についてシステム論の観点から考察する。

生命システム論(Systems Theory of Bioinformatics)

後学期 2−0−0 ○山村 雅幸 教授・新田 克己 教授・権藤 洋一 教授

バイオインフォマティクスについて,全体の概観を与えた後,配列・構造・システムの各レベルでの情報

処理を解説し,さらに分子コンピュータやゲノム創薬など最近のトピックスも紹介する。また,グループ演

習を通じて,遺伝子発見や進化系統樹構築などの問題解決を体験させる。

システムとかたち(Forms of Natural and Artificial Systems)          西暦偶数年度開講

後学期 2−0−0 村田  智 助教授

どんなものにも「かたち」があり,かたちが定まることによって機能が現れる。かたちの背後にある原理

を知ることによって,ものをより深く理解し,よりよい設計ができるようになる。本講義では,空間の性質,

かたちの計量,かたちの生成原理,生物のかたちづくりのモデル,セルオートマトン,かたちを変える機械

(モジュラーロボティクス)などの話題を通じて,かたちへの理解を深めることを目的とする。

94024

知的画像処理(Intelligent Image Processing)

後学期 2−0−0 長橋 宏 教授

画像処理の基礎と処理技術のあらましについて触れた後,画像処理および処理対象の画像に関する各種情

報の表現法について述べる。また,画像処理の制御方法,図形や物体の認識・識別における最適値探索手法,

最適化に基づく画像処理法の再構築等についても触れる。さらに,2次元画像世界から3次元世界を推定す

る各種の手法を紹介する。講義内容が多岐に渡ることから,理解を深めるために画像処理の実習作成を中心

とした複数回の課題にレポートしてもらう。

94013

仮想世界システム(Virtual World Systems)

後学期 2−0−0 佐藤 誠 教授

実世界と同様に視覚,聴覚あるいは触覚といった様々な知覚情報を用いて計算機上の仮想世界に対して操

作することのできるマルチモーダルな仮想操作環境の構築技術は,次世代のヒューマンインタフェースとし

て重要な研究分野である。優れた仮想操作環境を構築するためには,(1)仮想世界の視覚,聴覚,触覚などの

様々な感覚への提示技術,(2)実時間のインタラクションを実現するためのセンサ技術,(3)仮想世界の自律性

を管理するソフトウェア技術,などが重要であり,本講義では,仮想世界システムを構築するためのこれら

の基本技術について概説する。

94025

生物情報システム(Biological Information Systems)              西暦奇数年度開講

後学期 2−0−0 小池 康晴 助教授

人間の脳は,環境に適した行動を自律的に学習し,適用している。本講義では,運動学習に関する脳の機

能を計算論的に解明する方法論について述べる。とくに,運動の最適化,制御,学習について,生体信号を

用いたモデル化とその応用例を通して,脳の仕組みを知ることを目的とする。

94026

言語工学(Language Engineering)

後学期 2−0−0 奥村  学 助教授

自然言語を計算機上で解析,処理する自然言語処理技術および,その応用として近年注目を集めている情

報検索,情報抽出,テキスト自動要約,質問応答(Q&A)等のテキスト処理技術について学ぶ。

情報学習理論(Mathematical Theory of Learning Systems)

後学期 2−0−0 渡邊 澄夫 教授

学習モデルの数理とその知能科学への応用について基本的な内容を紹介する。与えられた例から、その例

を発生している情報源を推測したり、未来の状態を予測することは、知能システムを実現する上で基礎とな

る手続きである。この講義では確率論的なベースから出発し、近年、広く応用されている複雑な学習モデル

たち、例えば、神経回路網、混合正規分布、隠れマルコフモデル、ベイズネットワーク、カーネルマシンな

どを考察するための数理と設計論とを、できる限り平易に解説する。

パターン情報システム論(Pattern Information Systems)

後学期 2−0−0 長谷川 修 助教授

実世界(日常生活環境)はパターン情報に満ちているといって過言ではない。本講義では,脳科学,発達

心理学,哲学,情報数理等の関連分野の知見に学びつつ,実世界パターン情報からの本質的情報の切り出し,

構造抽出,学習,認識といった機能の発現メカニズムについて考察し,その人工的実現の可能性を探る。

94501〜94508

知能システム科学特別講義第一〜八(Special Lecture on Computational Intelligence and Systems

Science I〜VIII)

前・後学期 1−0−0 各 教 官

知能システム科学およびその周辺の最近の話題を中心に講義する。

94701〜94704

知能システム科学講究第一

前学期

2単位

各教官

94701

同         第二

後学期

2単位

 〃 

94702

同         第三

前学期

2単位

 〃 

94703

同         第四

後学期

2単位

 〃 

74704

(Seminar on Intelligent Systems Science I-IV)

知能システム,複雑システム,創発システムに関する基礎的および応用的研究を中心にテキストを主体と

した輪講を行う。

94801〜94806

知能システム科学講究第五

前学期

2単位

各教官

94801

同         第六

後学期

2単位

 〃 

94802

同         第七

前学期

2単位

 〃 

94803

同         第八

後学期

2単位

 〃 

94804

同         第九

前学期

2単位

 〃 

94805

同         第十

後学期

2単位

 〃 

94806

(Seminar on Intelligent Systems Science V-X)

知能システム,複雑システム,創発システムの理論的研究を対象にテキスト,学術雑誌,国際会議録など

を主体とした高度な内容の輪講を行う。


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