〔教 授 要 目〕
66001
価値構造(Value Structures)
前学期 2−0−0 桑子 敏雄 教授
社会的合意形成手法についてワークショップ形式の授業を行う。
66002
感性認知科学(Advances in Cognitive Science)
前学期 2−0−0 徃住 彰文 助教授
認知科学と感性科学の最先端について,研究の動向をまとめ展望する。言語,思考,感情などの高次認知
過程と,美学(文学,詩学,音楽)などの高次感性過程が本講義の対象である。
66003
言説編成(Discourse Formation)
後学期 2−0−0 橋爪 大三郎 教授
事実報道,法律,科学論文から始まって宗教,物語,神話に至る様々な言説について,テキストの内部編
成,論理構造,反証メカニズム,実証法,論理操作などを解明するのが,言説編成である。授業は演習形式
で実施し,毎年個別のテーマを選んで,情報発信や意思決定など具体的な言説編成の場面を実例を通して学
び,実際の運用についても実習する。
66004
大衆文化論(Popular culture)
後学期 2−0−0 未 定
66005
比較価値論(Comparative Studies on Value Systems)
前学期 2−0−0 上田 紀行 助教授
高度科学技術社会に生じる諸問題の根底には,多様な価値観の対立の問題がある。その対立のうち,主要
なものを年度ごとに選び,それらの構造と論理を明らかにするとともに,対立の克服,来たるべき社会像に
ついて論ずる。
66006
言説方法(Methods of Discourse)
後学期 2−0−0 井口 時男 教授
社会的価値意識は膨大な言説複合体として形成されている。我々の日々の言説実践は,こうした社会的言
説への批判を内蔵していなければならない。講義では近代の文芸批評を事例として,文芸批評とはいかなる
言説行為であるか,文芸批評はいかに社会的言説と切り結んだか,を考える。扱うのは,小林秀雄,保田輿
重郎,吉本隆明,江藤淳,蓮實重彦,柄谷行人等(予定)。
66007
社会システム(Social Systems)
前学期 2−0−0 今田 高俊 教授
諸個人間の相互行為からなる社会システムの編成原理について,理工学分野で開発された一般システム論,
サイバネティクス,シナジェティクス等の手法並びに,社会科学分野での一般均衡理論,構造機能主義,構
造主義等に見られるシステム手法を参照しつつ,新たなパラダイムとして注目されている自己組織性やオー
トポイエシスに関する諸論をゼミナール形式(+講義)で学ぶ。講義の最初に文献リストと研究動向を紹介
し,各自の発表テーマと議論の方法を決める。本年はシステムと科学方法論に関するテキストを講読する。
66008
社会計測(Sociometrics) 西暦偶数年度開講
前学期 2−0−0 齋藤 堯幸 教授
人間社会の諸問題を,統計学的なモデルや手法を用いて計量的に分析し,その知見を検証する方法につい
て講義する。また統計調査における重要な概念と調査方法,サンプリング法などを説明し,調査の具体例,
応用例を通じて,社会現象を計測する能力を養成する。
66023
多変量統計解析(Multivariate Statistical analysis) 西暦奇数年度開講
前学期 2−0−0 齋藤 堯幸 教授
人間の行動や社会現象を計量的に測定するために,多数の変量が相互に関連する多変量データを分析する
必要はしばしば生ずる。そのような分析法の中で,代表的な手法を講義し,応用例を紹介する。
66009
社会シミュレーション(Sociatal Simulations)
後学期 2−0−0 未 定
66010
ドキュメント解析(Document Analysis)
後学期 2−0−0 山室 恭子 教授
ドキュメント=文書作成の基礎となる文章力の向上をめざす。
文章はひとりで書いていても上達しない。人目を意識し,受けを狙ってあれこれ工夫すること,自分の書
いた文章が思いがけない誤読や反論とともに打ち返されてくること,そうした経験を幾度も積むことによっ
て,格段に向上する。
そんな理念にもとづいて,コラム形式の短い文章を書きながら,匿名ライターとグループ討議というゲー
ム感覚によって,短期での文章力向上をはかる実践型講義である。
詳しくはhttp://www2.valdes.titech.ac.jp/〜column/を参照。
66011
意思決定システム科学(Decision Systems Science)
前学期 2−0−0 木嶋 恭一 教授
意思決定システム科学は,システム論の立場から意思決定に関与する複雑性を取り扱おうとする新しい枠
組みである。「複雑な」問題状況に直面した決定主体は,そこに関与する「複雑性」を何らかの形で取り扱わ
なければならない。一方,システム科学はその誕生時から「複雑性の探求(dealing with complexity)」が
関心事であった。本講義は,システム科学・システム思考の解説から始め,それに基づいた問題解決・意思
決定のための様々な方法論を鳥瞰的視点から論述する。それには,伝統的なオペレーションズ・リサーチ
(OR),システム分析などのハードアプローチとともにソフトシステムアプローチも含まれる。
さらに,この分野における最新の話題についても言及する。
66012
理論経済学(Economic Theory) 西暦偶数年度開講
後学期 2−0−0 大和 毅彦 教授
経済学の基礎理論とその応用に関して講義する。取り扱うトピックスとしては,消費者行動の理論,生産
者行動の理論,一般均衡理論,公共経済学,産業組織論などである。
現代経済学(Modern Economics) 西暦奇数年度開講
後学期 2−0−0 大和 毅彦 教授
経済学で近年発達してきた新しい分野に関して講義する。取り扱うトピックスとしては,情報の経済学,
資源配分の公平性,メカニズム・デザイン(制度設計の理論),実験経済学,進化と学習などである。受講者
の関心・研究分野に即してテーマを選び,指導する。
66013
政治決定論(Political Decision)
後学期 2−0−0 田中 善一郎 教授
政治決定とは政治一般に関わる決定をいう。この講義では,特に現代日本政治において政治決定に関わる
国会・行政府・政党・選挙から適宜テーマを選び,受講者の報告とディスカッションを通じて,日本におけ
る政治決定の特質の理解を深めることを目的とする。
66014
国際制度論(International Institutions)
前学期 2−0−0 蟹江 憲史 助教授
現代社会には,地球環境問題や開発問題をはじめとして,地球規模で解決しなければならない問題群(グ
ローバル・イシュー)が山積している。それらの解決のためにどのような国際制度を構築するかは,学問的
のみならず,政策実務的にも,急務の課題である。たとえば地球環境問題解決のための国際制度にしても,
WTOに対抗すべく世界環境機構を設立するのが良いのか,それとも,現在行われているような多国間環境条
約の集積による問題解決を目指すのが良いのかの検討は,政治的現実と学問的展開の双方の観点から行われ
る必要がある。本講義は,このような問題解決の手段としての国際制度についての理解を深めることを目標
とする。なお,扱う問題は,地球環境問題を中心とする。
66015
経済予測論(Economic Forecasting)
後学期 2−0−0 金子 雄一 教授
日本経済の変動のメカニズムを解明し,より確かな経済予測のあり方を考える。そのため,景気循環,マ
クロ経済動向の他,家計行動,企業行動,対外取引,財政・金融政策など個別分野ごとに実証分析を施し,
変動の原理を検証,既存の考え方を問い直す。また経済予測に用いられている各種の方法(総合景気指標,
計量モデル予測,段階的接近法など)の特徴と適用上の留意点を示す。
66016
企業経営と情報(Corporate Management and Information)
前学期 2−0−0 潮見 登 教授
企業においては,ビジョン・戦略に始まって商品開発・組織人事など具体的なものに至るまで,日々様々
な意思決定が行われている。そこで重要な役割を果たすのが「情報」であるが,本講義では企業内でどのよ
うに情報が扱われ,行動に結びつくかについて,理解を深めることを目的とする。特に生活者を対象とする
マーケティング分野や,IT(情報技術)との関わりに重点を置き,極力,現実の企業の姿を把握してもらう。
66017
国際政治経済論(International Political Economy)
後学期 2−0−0 未 定
66018
非協力ゲーム理論(non-cooperative game theory) 西暦偶数年度開講
後学期 2−0−0 武藤 滋夫 教授
経済学,経営学,社会学,政治学など社会科学に対する数理的アプローチのうち,近年,これらの分野に対
して大きなインパクトを与えつつあるゲーム理論,特に,1980年代以降,経済学をはじめ社会科学の最近の
発展に大きな貢献をしている「非協力ゲーム理論」について,最近の発展を含め,その上級理論を提供する。
トピックは年度ごとに適切なものを選ぶ。学部レベルの非協力ゲーム理論の知識を必要とする。
協力ゲーム理論(cooperative game theory) 西暦奇数年度開講
後学期 2−0−0 武藤 滋夫 教授
経済学,経営学,社会学,政治学など社会科学に対する数理的アプローチのうち,近年,これらの分野に
対して大きなインパクトを与えつつあるゲーム理論,特に,企業組織や社会組織における意思決定の考察に
大きな役割を果たしている「協力ゲーム理論」について,最近の発展を含め,その上級理論を提供する。トピ
ックは年度ごとに適切なものを選ぶ。学部レベルの協力ゲーム理論の知識を必要とする。
66019
法規範分析論(Legal Studies)
前学期 2−0−0 金子 宏直 助教授
社会的価値の制度的な表現形態である規範特に法律が,これまでどのような構造的変化を遂げ,今後どの
ようにあるべきかについて考察する。法律やそれに準じる行為規範が,どのような要請に基づき,また具体
的妥当性を有するかについて体系的に学習する。
数理的意思決定理論(Mathematics of Interperceptional Decision Making)
前学期 2−0−0 猪原 健弘 助教授
私たちは,しばしば他の多くの人と共に意思決定状況に巻き込まれる。状況を自分にとって望ましい結果
に導くためには,他の人々がどのように状況を認識し,どのような意思決定を行うかについて正しく認識す
る必要がある。しかし,実際には他者の認識を正しく知ることは難しく,他者について間違った認識を持っ
たまま意思決定を行ってしまうことも多い。この講義では,意思決定状況の中での私たちの「誤認識」や「相
互認識」を,数理的にどのように扱えばよいか,また「誤認識」や「相互認識」が意思決定や情報交換にど
のような影響を与えるかについて調べていきたい。
66020
翻訳の理論と実践(Translation : Theory and Practice)
前学期 2−0−0 井上 健 教授
翻訳とは異言語,異文化間の変換行為,他者の言語や文化を,自らの言語・文化固有の構造の内に引き入
れて,理解,解釈しようとする営為の総称である。本講義は,異文化理解の根幹をなすプロセスとしての翻
訳を,主に比較文学比較文化の視点から位置づけるところから出発する。次に,主に「英語→日本語」翻訳
の諸相をテーマとして,そこにいかなる規則が設定可能かを考え,翻訳演習を通じてそれらの法則を実践的
に検証していく。さらに,現代の代表的な翻訳理論を紹介し,理論と実践とがいかに相関しうるかを確認し
てみたい。
66021
ジャンル間翻訳論(On Intersemiotic Translation)
後学期 2−0−0 井上 健 教授
本講義においては,異言語,異文化間の変換行為である翻訳を,異なる記号体系間,メディア間,ジャン
ル間の「翻訳」にまで拡張して考えてみたい。言語芸術と非言語芸術(絵画,写真,映画,音楽など)との
間に見られる「翻訳」が,新たなる価値をいかに創出していくかを,具体的事例に即して考察してみたい。
66026
比較文化史概論(Comparative Culture Study)
前学期 2−0−0 劉 岸偉 助教授
本講義は中国及び日本の近代文化の発生と交流の諸相を考察する。二十世紀初頭の中国は,伝統社会の崩
壊に直面し,文化の転型を迫られていた。混沌とした中国社会の各側面を,特に日本との関わりを視野に入
れて,数人の作家を中心にこの時期に書かれた諸種のテキストを通して読み解く。前期では,比較文化史の
視点から,日本近代文化の生成を概観し,後期では,人物,テキスト往還の諸相を考察する。
66027
日中近代文化交渉論(Intercultural Communication)
後学期 2−0−0 劉 岸偉 助教授
前期と同じ
多文化共生社会論(International Migration, Culture and Adjustment)
前学期 2−0−0 江川 緑 助教授
グローバル化にともなう企業の異文化経営の問題と人的資源の国際的マネジメントを中心に,多様な価値
観の対立と共生の実態及びその関連要因に検討を加えながら,多文化共生時代の企業のあり方について考察
する。
健康社会学(Health and Medical Sociology)
後学期 2−0−0 江川 緑 助教授
健康・病気と保健・医療をめぐる現代社会がかかえる問題に,行動,生活,組織,地域,社会・文化など
の視点から検討を加える。
価値システム学入門(Introduction to Value and Decision Science)
前学期 2−0−0 徃住 彰文 助教授
価値システム専攻は,「価値判断と意思決定の科学」をめざす世界でもきわめてユニークな大学院専攻であ
る。本講義では,この新しい科学の理念,研究方法,予想される研究成果などについて論じる。形式は,価
値システム専攻に所属する教官がリレー式講義で行う。「価値システム学」の入門となる講義である。
価値システム学応用(Applied Value and Decision Science)
後学期 2−0−0 未 定
価値と意思決定に関する学問である「価値システム学」をめぐって,各分野からの多彩な話題提供を踏ま
えつつ,その理論と実践について考える。
各講師2回程度で交代するリレー形式で行う。
なお,前学期に開講される「価値システム学入門」を受講しておくことが望ましい。
66711,66712,66713,66714
価値システム討議・実験第一 |
前学期 |
0−1−1 |
![]() |
各教官 |
同 第二 |
後学期 |
0−1−1 |
||
同 第三 |
前学期 |
0−1−1 |
||
同 第四 |
後学期 |
0−1−1 |
(Discussion Program in Value and Decision Science I-IV)
大学院生と教官が全員参加する。取り上げるテーマは深い問題意識と広い視野を学生が身に付けるために,
先端的あるいは萌芽的もしくは時宜的な分野,または,学際的な分野に関する諸問題とする。修士課程にお
ける必修科目であり,順を追って履修しなければならない。また,実験科目として,調査実習,シミュレー
ション実験,フィールドワークなど研究分野に合ったものを実施する。
66721,66722,66723,66724
価値システム特別 演習第一 |
前学期 |
0−1−0 |
![]() |
各教官 |
同 第二 |
後学期 |
0−1−0 |
||
同 第三 |
前学期 |
0−1−0 |
||
同 第四 |
後学期 |
0−1−0 |
(Special Seminar in Value and Decision Science I-IV)
価値システム専攻に所属する学生と教官とが共有すべき広がりと深さを持った知識をともに学習する演習
である。文系古典解読と数理テキスト解読を中心に,セミナー形式で実施する。
価値システム講究第一 |
前学期 |
2単位 |
![]() |
各教官 |
66701 |
同 第二 |
後学期 |
2単位 |
66702 |
||
同 第三 |
前学期 |
2単位 |
66703 |
||
同 第四 |
後学期 |
2単位 |
66704 |
(Colloquium in Value and Decision Science I-IV)
学生の希望と指導教官の助言によって研究テーマを設定し,それに関連した文献の輪読・実験・調査を通
じて研究事項の討議を行う。修士課程における必修であり,順を追って履修しなければならない。
価値システム講究第五 |
前学期 |
2単位 |
![]() |
各教官 |
66801 |
同 第六 |
後学期 |
2単位 |
66802 |
||
同 第七 |
前学期 |
2単位 |
66803 |
||
同 第八 |
後学期 |
2単位 |
66854 |
||
同 第九 |
前学期 |
2単位 |
66805 |
||
同 第十 |
後学期 |
2単位 |
66806 |
(Colloquium in Value and Decision Science V-X)
博士後期課程における必修科目であり,博士後期課程相当の高度の輪講,論文指導,などからなる。