[1][2]

〔教 授 要 目〕

94027

離散システム論(Discrete Systems Theory)

前学期 2−1−0  ○室伏 俊明 助教授・奥村  学 助教授・高安美佐子 助教授

離散的なシステムを数学的に表現し,解析,設計する能力を養うことを目的とし,そのための基礎概念および基礎理論の理解を目標とする。講義内容には,論理,集合,写像,オートマトン,形式言語,確率,統計などを項目として含む。

94028

動的システム論(Dynamical Systems Theory)

前学期 2−1−0  ○伊藤 宏司 教授・三宅 美博 助教授・青西  亨 講師

システム表現,実システムのモデリング,状態空間モデル表現,線形システム解析,フィードバックとフィードフォワード,リアプノフ安定論,非線形振動,分岐,特異点とリミットサイクル,ストレンジアトラクタ,構造安定など,線形からカオスまでを解説する。講義および演習・課題によりシステムの動的概念と解析法を習得する。

94029

適応システム論(Adaptive Systems Theory)

前学期 2−1−0  ○小林 重信 教授・宮下 英三 助教授・玉 圭樹 講師

知能システム科学の各分野に関係する適応システムの方法論的基礎の修得を目標とする。講義では,最適化,意思決定とゲーム,進化,学習などを取り上げ,関連性を考慮した体系的な解説を行う。また,演習による理解と習熟を図る。

94030

システムモデリング(System Modeling)C:(H16認定)創造性育成科目

前学期 2−1−0  ○寺野 隆雄 教授・小野  功 助教授・木賀 大介 助教授

知的なシステムを構築するためのリテラシーとして,オブジェクト指向設計論とグループによるシステム開発の方法論を学習する。前半で,オブジェクト指向プログラミングによるデータ整理方法や並列プログラミング,大規模システム開発方法論を学習する。後半は,グループにおける意見集約方法とプレゼンテーションの方法を学び,グループで課題を解き,それを発表する演習を行って,組織におけるコミュニケーション能力の向上を図る。

94019

情報ネットワークシステム論(Information Network Systems)

前学期 2−0−0  ○山村 雅幸 教授・小野  功 助教授・玉 圭樹 講師

計算機ネットワークは現代社会を支えるインフラストラクチャとなりつつある。本科目では計算機ネットワークとしてローカルエリアネットワーク(LAN)の構成と動作,およびインターネットにおけるパケット配送とその制御の概要を紹介し,さらにインターネット上で構築される各種情報サービスおよびその運用管理について講義する。

94007

脳情報システム論(Systems and Computational Neurosciences)

前学期 2−0−0  中村 清彦 教授

脳神経系における知覚,記憶,学習,運動制御等についての生理学,解剖学,臨床医学等の知見を概説し,現在の脳神経科学が描く脳機構の全体像を把握してもらう。また,これらのデータを基に脳の情報処理機構を数理的に解析する研究を紹介し計算神経科学への入門とする。論じる事項は,神経細胞膜特性とHodgkin-Huxleyの等価回路,側頭葉と視覚認識,前頭連合野と計画・意志決定,運動領野と行動生成,海馬と記憶系,脳幹視床下部と報酬動因系,神経細胞群の同期興奮と情報統合,その他である。

94003

計算知能論(Computational Intelligence)

前学期 2−0−0  ○廣田  薫 教授・高橋  宏 連携教授

厳密な数式モデルでは表現できないが言葉では表現できるような複雑/悪構造のシステムを記述・処理することを念頭に,言葉の意味や概念の定義に見られるあいまいさを扱う理論の一つであるファジイ理論について講義する。前半では,ファジイ集合論,ファジイ論理,ファジイ推論,ファジイ測度論などのファジイ理論の基礎を説明し,後半では,これらの応用と,応用のための方法論について講義する。また,ファジイ制御にも触れる。

94034

システムとかたち(Forms of Natural and Artificial Systems)

前学期 2−0−0  村田  智 助教授

どんなものにも「かたち」があり,かたちが定まることによって機能が現れる。われわれ工学者は,かたちの背後にある原理を知ることによって,よい設計ができるようになる。本講義では,かたちに関する数理 (空間の性質,かたちの計量),いろいろなかたちの生成原理,さらに,これらを応用した分子や機械による形態形成システムなどの話題を通じて,かたちへの理解を深めることを目的とする。

94026

言語工学(Language Engineering)

前学期 2−0−0  奥村  学 助教授

自然言語を計算機上で解析,処理する自然言語処理技術および,その応用として近年注目を集めている情報検索,情報抽出,テキスト自動要約,質問応答(Q&A)等のテキスト処理技術について学ぶ。

94035

情報学習理論(Mathematical Theory of Learning Systems)

前学期 2−0−0  渡邊 澄夫 教授

学習モデルの数理とその知能科学への応用について基本的な内容を紹介する。与えられた例から,その例を発生している情報源を推測したり,未来の状態を予測することは,知能システムを実現する上で基礎となる手続きである。この講義では確率論的なベースから出発し,近年,広く応用されている複雑な学習モデルたち,例えば,神経回路網,混合正規分布,隠れマルコフモデル,ベイズネットワーク,カーネルマシンなどを考察するための数理と設計論とを,できる限り平易に解説する。

94037

システム神経科学(Systems Neuroscience)

後学期 2−0−0  宮下 英三 助教授

神経科学が脳をどこまで理解できているのか,その現状を運動系を題材にして把握することを目的とする。脳の機能的構成要素である神経細胞の構造と機能を概説した後,Eric R. Kandelら編Principles of Neural Scienceの輪講を行う。

94001

離散数理(Discrete Mathematics)西暦偶数年度開講

後学期 2−0−0  室伏 俊明 助教授

離散的なシステムを数学的に表現し解析,設計する能力を養うことを目的とし,離散数学における抽象的な概念の理解とその論理的操作の習熟を目標とする。講義内容には,論理,集合,証明,集合族,関係,順序,束,代数系などを項目として含む。

94004

進化システム論(Evolutionary Systems Theory)

後学期 2−0−0  ○小林 重信 教授・小野  功 助教授

本講義は,生物の進化と適応の過程を最適化理論・進化ゲームの観点から理解すること,生物の種レベルでの進化をモデルとする進化計算手法を修得すること,生物の個体レベルでの適応をモデルとする強化学習手法を修得すること,の3つを目的に下記の内容からなる。

I.生物の進化と適応

II.進化計算

III.強化学習

94031

社会経済システム論(Social & Economic Systems Theory)

後学期 2−0−0  出口  弘 教授

人間を要素とする社会経済システムをモデル化する新しい技法と方法論を論じることがこの授業の目的である。そこでは二つの課題がある。

一つは具体的に経済というマクロなシステムを個々の経済主体の財の交換によるミクロな状態記述からボトムアップに構成する中で,既存の経済モデルをシステムとして問い直す作業である。もう一つは,社会経済システムを合理的主体ではなく内部モデルを持ち学習するエージェントからなる動的システムとして捉え,エージェントベースモデリングの観点から制度設計に主眼を置いて問い直すことである。

本年は研究室で開発中のエージェントベースシミュレーション用の言語を用いた実習も予定している。ただし授業の具体的内容は,受講者によって具体的には決定する。

94012

複雑システム数理(Theory of Complex Systems)

後学期 2−0−0  三宅 美博 助教授

複雑システムの特徴である相互作用(インタラクション)に注目してその解析及び合成に関する数理的な方法論について講義する。このようなシステムの特徴である非線形性と開放性に着目して,秩序(パターン)形成機構としてのシナジェティクスやエントレインメントなど自己組織化についての基礎を解説する。さらに,これらを踏まえて,人間の身体的インタラクションや心理的インタラクションのモデル化を進め,最終的には社会コミュニケーションとの関連を踏まえ,その支援技術について紹介する。

94022

情報統計力学(Statistical Mechanics of Information Processing)

後学期 2−0−0  樺島 祥介 教授・伊庭 幸人 連携助教授

統計力学,特にスピングラス理論における概念・計算技法の情報科学への応用について述べる。講義の流れとしてははじめの3,4回を使ってスピングラス理論の解説を行った後,個別問題へのその応用について言及する。トピックスとしては

1)連想記憶モデル,2)パーセプトロンの学習問題,3)スペクトル拡散符号,4)誤り訂正符号,5)公開鍵暗号,6)画像修復問題,7)論理式充足問題などを予定している(全てを取り上げる訳ではない)。統計力学の知識は特に要求しない。講義形式を予定しているが場合によってはゼミ形式で行うこともある。

94032

知能システム論(Theory of Intelligent Systems)

後学期 2−0−0  ○新田 克己 教授・玉 圭樹 講師

知能システムを構築するための新しい技術を学習する。前半は,Webにおける知識情報処理の関連知識(知識表現と推論,論理プログラミング,オントロジ,Semantic Web),を基礎から体系的に解説する。後半は,近年注目をあびているエージェントやその知能を司る適応・学習メカニズム(特に強化学習),複雑な作用からなるマルチエージェントシステムについて,例題を通してその利点と意義を解説する。

94002

運動システム論(Systems Theory for Human and Robot Movements)

後学期 2−0−0  伊藤 宏司 教授

生物やロボットは,外界の情報を認識し,環境に適応するように自らの内部構造を変化させつつ,新しい運動・行動を学習的に獲得することが求められる。本講義では,生物およびロボットにおける運動・行動の学習と制御についてシステム論の観点から考察する。

94033

生命システム論(Systems Theory of Bioinformatics)

後学期 2−0−0  ○山村 雅幸 教授・新田 克己 教授・木川 隆則 連携教授
           木賀 大介 助教授

バイオインフォマティクスについて,全体の概観を与えた後,配列・構造・システムの各レベルでの

情報処理を解説する。分子コンピュータ,ゲノム創薬構造生物学,構成的生物学など最近のトピックスも紹介する。また,グループ演習を通じて,遺伝子発見や進化系統樹構築などの問題解決を体験させる。

94024

知的画像処理(Intelligent Image Processing)

後学期 2−0−0  長橋  宏 教授

画像処理の基礎と処理技術のあらましについて触れた後,画像処理および処理対象の画像に関する各種情報の表現法について述べる。また,画像処理の制御方法,図形や物体の認識・識別における最適値探索手法,最適化に基づく画像処理法の再構築等についても触れる。さらに,2次元画像世界から3次元世界を推定する各種の手法を紹介する。講義内容が多岐に渡ることから,理解を深めるために画像処理の実習,プログラム作成を中心とした複数回の課題にレポートしてもらう。

94013

仮想世界システム(Virtual World Systems)

後学期 2−0−0  佐藤  誠 教授

実世界と同様に視覚,聴覚あるいは触覚といった様々な知覚情報を用いて計算機上の仮想世界に対して操作することのできるマルチモーダルな仮想操作環境の構築技術は,次世代のヒューマンインタフェースとして重要な研究分野である。優れた仮想操作環境を構築するためには,(1) 仮想世界の視覚,聴覚,触覚などの様々な感覚への提示技術,(2) 実時間のインタラクションを実現するためのセンサ技術,(3) 仮想世界の自律性を管理するソフトウェア技術,などが重要であり,本講義では,仮想世界システムを構築するためのこれらの基本技術について概説する。

94025

生物情報システム(Biological Information Systems)

後学期 2−0−0  小池 康晴 助教授

人間の脳は,環境に適した行動を自律的に学習し,適用している。本講義では,運動学習に関する脳の機能を計算論的に解明する方法論について述べる。とくに,運動の最適化,制御,学習について,生体信号を用いたモデル化とその応用例を通して,脳の仕組みを知ることを目的とする。

94036

パターン情報システム論(Pattern Information Systems)

後学期 2−0−0  長谷川 修 助教授

実世界(日常生活環境)はパターン情報に満ちている。よって実世界で知的に振舞うシステムを構築したければ,パターン情報を適切に扱えねばならない。本講義では,哲学,発達心理学,脳科学,情報数理などの関連分野の知見に学びつつ,実世界パターン情報からの知的機能の発現原理について考察し,その人工的実現の可能性を探る。

94039

輸送システム論(Dynamics of Transportation Systems)西暦奇数年度開講

 後学期 2−0−0  高安美佐子 助教授

輸送現象を記述する基本的な数理を学び,現実の複雑なシステムでみられる様々な輸送現象を解析する能力を養う。

■講義計画 前半:基礎数理
         保存則とマスター方程式
         拡散現象
         ランダムウォークの数理
         ランジュバン方程式とアインシュタインの関係式
         拡散されたランジュバン方程式とべき分布
         ミクロな輸送とマクロな輸送
         臨界現象とフラクタル

      後半:物質・情報の流れと社会
         交通流のモデル
         インターネットの情報流にみられる臨界現象と臨界点制御
         市場にみられる価格変動のダイナミクスと異常拡散

■成績評価 授業参加,及び,レポートで評価。レポートは,学習内容の理解度を確認するのみではなく,授業中の話題などを元に,オリジナルを付加した内容が要求されます。

94038

神経確率過程論(Neural Stochastic Processing)西暦偶数年度開講

 後学期 2−0−0  青西  亨 講師

まず,神経細胞の電気的性質,シナプス伝達や細胞内情報伝達に関する概観とそのモデル化を解説する。そして,神経細胞の確率的挙動や脳の確率的情報表現を理解するのに必要な確率過程の講義を行う。最後に,最新のトピックスを例にして,神経細胞の確率的挙動の解析や生理学データの統計的解析手法を詳解する。また,NEURONやGENESISシミュレータを用いた演習も予定している。

94045

ナレッジマネジメント(Knowledge Management)

 後学期 2−0−0  寺野 隆雄 教授・吉川  厚 連携教授

◎講義のねらい

企業・組織経営で話題となっているナレッジメント・マネジメントの考え方について論じ,知能システムの諸概念がどのように役立つかを述べる。

◎講義内容(予定)

◎成績評価

未定

94501〜94508

知能システム科学特別講義第一〜八(Special Lecture on Computational Intelligence and Systems Science I〜[)

前・後学期 1−0−0  各 教 員

知能システム科学およびその周辺の最近の話題を中心に講義する。なお,平成18年度は下記の講義を開講する。

94506

知能システム科学特別講義第六

 後学期 1−0−0  未   定

94507

知能システム科学特別講義第七

後学期 1−0−0  未   定

94508

知能システム科学特別講義第八

 前学期 1−0−0  未   定

94044

エージェントベース社会システム科学特別講義

(Agent Based Social Systems Science Special Lecture)

前学期(予定) 1−0−0  出口  弘 教授・寺野 隆雄 教授・非常勤講師(未定)

この講義では,エージェントベース社会システム科学に関する幾つかの先端的トピックスを数人のオムニバス形式の講義で行う。新しい社会シミュレーションの可能性,エージェントベース社会システム分析のための新しい意思決定モデル,エージェントベース社会経済分析のためのAI技術,及びこれらの社会応用などのテーマを予定している。海外からの講師による講演も適宜交えつつ,授業は英語で行われる。

※開講学期が後学期に変更する可能性もあります。開講学期変更の際は学務課掲示板もしくは専攻から周知しますのでご注意下さい。

66042

COE特別講義「エージェントベース社会システム科学の展開」

(Development of Agent-based Social Systems Sciences)

後学期 1−0−0  木嶋 恭一 教授・蟹江 憲史 助教授・玉 圭樹 講師
          三宅 美博 助教授・中丸麻由子 講師・寺野 隆雄 教授
          高安美佐子 助教授

価値システム専攻の教授要目を参照のこと。

94040〜94043

知能システム科学専攻インターンシップ第一A 前学期 0−0−1  専攻長

知能システム科学専攻インターンシップ第一B 後学期 0−0−1  専攻長

知能システム科学専攻インターンシップ第二A 前学期 0−0−2  専攻長

知能システム科学専攻インターンシップ第二B 後学期 0−0−2  専攻長

(Internship in Computational Intelligence and Systems Science IA〜IIB)

本科目の目的は,社会の中で創造的活動を担える自立した研究者・技術者を育成することである。国内外の研究・教育機関での研究活動や行政機関,NPO・NGOなどでの実務体験を通じて,創造的活動における人的協力とコミュニケーションの重要性を学ぶ。さらに,知識と現場の関連について体得するとともに,研究者・技術者としての心構えを確立する。なお,民間企業でのインターンシップは,現状では採用活動と結びつく可能性を排除できないことから,本科目の対象外とする。

94701〜94704

知能システム科学講究第一

前学期

2単位

各教員

94701

同         第二

後学期

2単位

 〃 

94702

同         第三

前学期

2単位

 〃 

94703

同         第四

後学期

2単位

 〃 

94704

(Seminar on Intelligent Systems Science I-IV)

知能システム,複雑システム,創発システムに関する基礎的および応用的研究を中心にテキストを主体とした輪講を行う。

94801〜94806

知能システム科学講究第五

前学期

2単位

各教員

94801

同         第六

後学期

2単位

 〃 

94802

同         第七

前学期

2単位

 〃 

94803

同         第八

後学期

2単位

 〃 

94804

同         第九

前学期

2単位

 〃 

94805

同         第十

後学期

2単位

 〃 

94806

(Seminar on Intelligent Systems Science V-])

知能システム,複雑システム,創発システムの理論的研究を対象にテキスト,学術雑誌,国際会議録などを主体とした高度な内容の輪講を行う。


[1][2]