東工大ニュース
東工大ニュース
本学 教育革新センター(以下、CITL)主催によるシンポジウム「CITL Institute 2016」が、11月1日に大岡山キャンパス東工大レクチャーシアターで開催されました。このシンポジウムは、2015年4月に開設したCITLの1年半の活動を振り返り、海外の大学の動向と共に、今後の教授学習支援の姿を考えることを目的として行われており、今回は2回目となります。学内外合わせて100名近い大学関係者、教職員が参加し、関心の高さを改めて認識する機会となりました。
はじめに、三島良直学長より開会挨拶があり、東工大の教育改革の進捗状況と、その成功に向けたCITLの役割への期待が語られました。
当日の来賓として臨席した文部科学省 高等教育局 国立大学法人支援課の山田泰造国立大学戦略室長から、世界トップレベルの研究活動と、高等教育における教育・学習支援の充実の重要性を見据えたCITLの活動は大変意義深いものである、との激励がありました。
それを受け、松澤昭教育革新センター長から、教育力強化を目的として設置されて1年半が経つが、活動に対する責任の大きさを実感しながら、世界レベルの教育の実現に向けて、センター教職員一同努力をしている旨の挨拶がありました。
引き続き、CITLの活動について、CITLの教員から以下の順に報告がありました。当日のプログラムは、教育革新センターシンポジウム「CITL Institute 2016」プログラム をご覧ください。
活動報告の後、基調講演がありました。
基調講演1では、カリフォルニア大学バークレー校(UCB)ディレクターのリチャード・フライシュタット氏による講演「Innovations in teaching and learning across career,campus and scale」が行われました。神経科学・脳科学に基づいたユニークな事例から、学習の中でイノベーションが起きる仕組み、UCBにおけるリサーチユニバーシティとしての教授学習支援の実践内容などについて分かりやすく説明がありました。
基調講演2では、熊本大学 大学院教授システム学専攻 専攻長・教授の鈴木克明氏から、「世界的潮流と今後の大学教育をデザインする」と題した講演が行われました。最近の人材育成の分野では、知識の教育から学び方を教えることへとシフトしていること、学習者の特性を理解して学び方を教えていくことの必要性などについてのお話がありました。
その後は、鈴木氏を司会としてラウンドテーブル形式でCITL教員との意見交換が行われました。鈴木氏からの問いかけに従って、登壇者が順に発言していきました。CITLでの活動の悩みや手応えなど本音の意見が飛び出し、終了後には、参加者から「意見交換の時間が足りなかった」という意見をいただきました。来場者からのアンケートも5段階評価で4を上回っており、大変好評でした。
CITLは、世界レベルの教育の実現に向けて、引き続き鋭意努力していきます。
※1 FD
ファカルティ・ディベロップメントの略称で、教員が授業内容・方法を改善し向上させるための組織的な取組の総称です。
※2 MOOC (ムーク:Massive Open Online Course(s))
インターネット上において無料提供され、誰もが受講することができる大規模な授業です。通常の授業のように学習期間が設定されており、学習者は科目提供者や同じ科目を登録している学習者とコミュニケーションを取ることができるなど、双方向の学びが提供されています。
※3 DIY
Do It Yourselfの略で自分自身でやること。転じて、専門家に任せず自分自身で身の回りのものを作ったり修繕したりアレンジしたりすること、またはそのような生活概念を指します。