東工大ニュース
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公開日:2010.11.17
フロンティア研究センターの特任准教授 金聖雄、野村研二と細野秀雄教授は、名古屋大学の太田裕道准教授(JST さきがけ研究員兼任)、東京大学の幾原雄一教授のグループとの共同研究により、アルミナセメントの構成成分12CaO・7Al2O3(C12A7)のガラス薄膜をゲート絶縁体として用いて、絶縁体のチタン酸ストロンチウム(STO)に電界を印加することで、効率の高い熱電機能を実現した。
フロンティア研究センターの特任准教授 金聖雄、野村研二と細野秀雄教授 は、名古屋大学の太田裕道准教授(JST さきがけ研究員兼任)、東京大学の幾原雄一教授のグループとの共同研究により、アルミナセメントの構成成分 12CaO・7Al2O3(C12A7)のガラス薄膜をゲート絶縁体として用いて、絶縁体のチタン酸ストロンチウム(STO)に電界を印加することで、効 率の高い熱電機能を実現した。
C12A7ガラスを適当な条件で加熱すると、ナノからミクロンサイズの孔が均質でできることを1986年に本グル ―プは見出していた(図参照)。今回はC12A7ガラス薄膜にナノサイズの孔を生成させ、そこに水分子を閉じ込め、これを薄膜トランジスタのゲート絶縁膜 に応用した。すなわち、これに電場をかけると孔に閉じ込められた水分子が水素イオンと水酸イオンに分解することを利用して、STOとC12A7ガラスの界 面付近の薄い層に電子を閉じ込めた状態をつくりだすことで、大きな熱電効果が実現した。水とセメントのガラスの特徴を上手く利用した成果といえよう。