東工大ニュース

TIERシンポジウム開催報告

RSS

公開日:2013.01.28

2013年1月17日(木)、2日前に降った雪がまだ残る中、TTFくらまえホールにてTIERプログラムのシンポジウム「世界水準の大学間の協力を通したグローバル理工系人材の育成 (Cultivating Global Leaders through World-Class University Collaborations)」が開催されました。

TIERプログラムとは、文部科学省による「大学の世界展開力強化事業」の支援を受けて本学が実施する国際的な教育研究イニシアチブであり、「Tokyo Institute of Technology International Education and Research」の頭文字をとって名付けられました。同プログラムでは、KAIST(韓国科学技術院)、清華大学とともに進める、日中韓を対象としたプログラム「日中韓先進科学技術大学教育環(TKT CAMPUS Asia Consortium)」と、欧米等の大学との間のプログラムである「グローバル理工系リーダー養成協働ネットワーク」とが実施されています。本シンポジウムでは、両プログラムのパートナー大学の代表者が参加し、各大学のユニークな取り組みが報告されました。

シンポジウムは冒頭に三島学長の挨拶、そして来賓の文部科学省・有賀理国際企画室長より祝辞を頂き、引き続き、丸山理事・副学長により「TIERプログラムにおける東京工業大学の活動について」と題された基調講演が行われました。

左上より時計回りに
オープニングの様子
挨拶する三島良直学長
来賓の文部科学省・有賀理氏
基調講演をする丸山理事・副学長

各大学による講演は、昼食を挟んで三つのセッションの構成により行われました。第1セッションでは、デルフト工科大学 Peter Wieringa副学長・教授が、高等教育機会の拡大や社会の大学に対する要請の高まりの中における未来のリーダー育成への取り組みについて述べ、アーヘン工科大学 Carmen Leicht-Scholten学務担当部長・教授は、IDEAリーグやドイツ政府によるエクセレンス・イニシアチブの下での人材育成について報告しました。さらに、慶應義塾大学・小尾晋之介教授は、同大学が実施するヨーロッパとの間のダブルディグリープログラムについて、そして東京大学・関村直人教授が、国際工学教育推進機構など、同大学の工学部・工学系研究科の国際化の取り組みについて、それぞれ講演を行いました。

第1セッション終了後は、TTFロイアルブルーホールにて参加者全員によるランチ交流会が開催されました。「大学の世界展開力強化事業」によるプログラムを実施している九州大学、早稲田大学、及び名古屋大学の各参加者からメッセージをいただき、またTIERプログラムアドバイザリーボード委員である漢陽大学・Seung Soon Im教授、ニューヨーク州立大学・中村俊雄教授からご挨拶をいただきました。

左上より時計回りに
講演するデルフト工科大学・Peter Wieringa教授
アーヘン工科大学・Carmen Leicht-Sholten教授
慶應義塾大学・小尾晋之介教授
東京大学・関村直人教授

第2セッションでは、カリフォルニア工科大学 Joseph Shepherd大学院学部長・教授が、小規模な大学において世界中から人材を受入れることにより卓越性を達成した同大学のユニークさについて報告し、ジョージア工科大学 Brian Woodall教授は同大学が実施している世界的に活躍できる人材を育成するためのプログラムや奨学金制度等について講演を行いました。また、欠席となったカリフォルニア大学バークレー校 Masayoshi Tomizuka教授による報告が予定されていた、同大学工学部の国際協力について本学岸本工学系長が代理としてプレゼンテーションの概要を説明しました。

左上より時計回りに
ランチ交流会の様子
講演するカリフォルニア工科大学・Joseph Shepherd教授
ジョージア工科大学・Brian Woodall教授
本学・岸本喜久雄教授

第3セッションでは、本学が主導するASPIREリーグの加盟大学でもあるKAIST(韓国科学技術院)、清華大学、南洋理工大学、香港科技大学の代表者の講演が行われました。KAIST YongTaek Im教授は、TKT CAMPUS Asia Consortiumを通した日中韓の教育交流について報告し、清華大学・高虹(GAO, Hong)教授は、合同修士プログラム、海外派遣研究プログラム、国際的な履修課程等、同大学の国際化の取り組みについて説明しました。また、南洋理工大学 Meng Hwa Er副学長は、同大学の国際性の高いプロフィールを紹介したうえで、Global Education and Mobility (GEM)などを通した人材育成プログラムについて講演し、香港科技大学 Neil Mickleborough教育工学イノベーションセンター長・教授は、同センターの国際的な活動や、同大学のメインキャンパスと中国南沙キャンパスとの連携的な教育研究活動について報告を行いました。

休憩をはさんだ後、本学工学研究科クロス教授の司会によるオープンディスカッションが行われました。クロス教授から東工大の国際交流の理念や取り組みについて説明が行われた後、フロアからのコメントや質問を基に参加者の間で意見が交換されました。具体的には、大学の国際化のための教員の資質の向上、国際的な教育の質の保証、企業における大学に対する海外人材育成の期待などのテーマについて活発な議論、意見交換が行われ、シンポジウムは盛況のうちに閉会となりました。

左上より時計回りに
講演する韓国科学技術院(KAIST)・Yong-Taek Im教授
清華大学・Gao教授
南洋理工大学・Meng Hwa Er教授
香港科技大学・Neil Mickleborough教授

RSS