東工大ニュース
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公開日:2013.06.10
東京大学大学院工学系研究科の平林由希子准教授と東京工業大学大学院理工学研究科の鼎信次郎教授の研究グループは、東京大学生産技術研究所、英国ブリストル大学の研究者らと共同で、11の最新気候モデル出力と最先端の河川・氾濫モデルを用いることによって、2100年までの世界の洪水リスクの変化を推計した。
地球温暖化の進展に伴う洪水リスクの増大は、アジア・アフリカの湿潤地域において顕著であった。一方、ヨーロッパの多くの地域では洪水リスクは減少しそうである。利用した11の気候モデル間のばらつきが大きな地域もある。また、温室効果ガス排出削減目標の検討の際に洪水リスクに関する情報を組み入れるための第一歩として、全球平均気温上昇と世界全体の洪水リスク増加との関係性の提示を試みた。その結果として、気温上昇に伴う洪水リスクの増加トレンドだけが懸案事項ということではなく、洪水リスクは年々の変動が大きく、増加トレンドが顕著になる前に適切な適応策を推進する必要があることも示唆された。 本研究は内閣府の最先端・次世代研究開発支援育成プロジェクト、科学技術振興機構の戦略的創造研究推進事業 および環境省の環境研究総合推進費(S10)の補助を受けて実施された。
詳細はこちら ⇒ https://www.titech.ac.jp/news/pdf/pr20130610_kanae.pdf
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