東工大ニュース
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高校生が4日間をかけて難題を解くプログラムを作成し、その性能を競う「スーパーコン」。本年度は東京工業大学と大阪大学の2会場で同時開催され、予選を勝ち抜いた20チームが参加しました。8月23日(金)に東京会場と大阪会場をTV中継で結び、成果発表会と表彰式が行われました。
成果発表会
本年度の課題「宇宙の起源を探せ!(宇宙の起源探索問題)」です。
この問題では、非常に単純化した宇宙(2次元のトーラス格子)の上で、ある法則に従って12,000個の星が衝突や拡散を繰り返すという、架空の宇宙を使います。この宇宙の星の状態を過去に遡って計算してもらい、宇宙の起源である星の状態を与えられた候補の中から正しく絞り込むという問題でした。
競技結果の発表に先立ち、優れたプログラムを作成したチームに贈られる学会奨励賞が発表されました。
YOSUBATO (麻布高等学校)【東京会場】
(受賞理由は「アルゴリズムの工夫とGPUプログラミング技術の高さ」です。)
実は、昨年のスーパーコンでは波乱があり、運営側が想定していなかった高速な解法(最小費用流アルゴリズム)により、想定よりも高速に問題を解かれてしまったのですが、今年はそうならないように慎重に問題を作成したつもりでした。しかし、提出されたプログラムを審査したところ、1チームが、今年も想定外の高速な解法を使っていました! コロンブスの卵で分かってしまえば簡単なのですが、問題で設定した衝突モデルには「運動量保存の法則」のような保存される法則があることに気付き、その法則を使って星の状態を比較することによって、真面目に時間を遡らなくても高速に答えを導き出せてしまったのです。
ということで、波乱による第1位は imishinn (久留米工業高専) の3人組でした。
1位から3位までのチームには東京工業大学 大谷清理事・副学長より賞状、盾、メダル、記念品が授与されました。
1位 チーム imishinn (久留米工業高専)
【大阪会場】
合計計算時間 0.049秒
ネット授与の模様
2位 チーム YOSUBATO (麻布高等学校)【東京会場】
合計計算時間 26.99秒
3位 チーム Answer (早稲田高等学校)【東京会場】
合計計算時間 63.09秒
来年もまた「夏の電脳甲子園」でお会いしましょう。
東京会場で記念撮影