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瀧ノ上正浩講師が第2回「明日の象徴」研究者部門を受賞

2013.09.04

総合理工学研究科知能システム科学専攻の瀧ノ上正浩講師が第2回「明日の象徴」研究者部門を受賞しました。

「明日の象徴」は、医療、保健、ライフサイエンスの分野で活躍している35歳以下の期待の精鋭の活動を顕彰しています。若い人の活動に光を当てることで、若い世代全体にイノベーション追求の機運が広がること、またそれを奨励、促進する環境を醸成することを目的としています。また、イノベーションを通じて国民の健康を促進し、健やかな日本の明日を築き、やる気ある優秀な人材を育て、世界的な競争力を高め、産業の育成を目指しています。
表彰式は10月に行われます。

業績概要

瀧ノ上氏は、物質やエネルギーの流入出のある『非平衡開放系』を細胞サイズで実現することに成功し、非生命の物質から生命のような自律的な挙動を行う人工細胞を構築する基礎技術の開発に成功した。非平衡開放系は、生命が自律的な活動を維持する際に必須であることが知られており、生命と非生命の違いである「自律性」を実現するための基礎となる物理学の概念である。瀧ノ上氏は、マイクロ流体技術を利用するという全く新しい発想でこのような技術の開発に成功し、これにより、『生命とは何か』を物理科学的な観点で解明するための新規技術の開発、たとえば、細胞内のダイナミックな反応をモデル化して実験・解析する細胞サイズの反応システムや、時間発展のある人工細胞などの開発が可能になると考えられている。このような新規技術により、細胞内の生化学反応を調べる生命科学の基礎研究のみならず、モデル細胞系を利用した医薬品開発等において発展が期待できる。
また、一方で、瀧ノ上氏は、ナノメートル・マイクロメートルのスケールにおいて、生体分子システムの自律的な運動の実現や、生体分子による自律的なコンピュータの実現にも成功しており、これらは、将来、病気の診断や治療を体内で自律的に行うメンテナンスフリーな微小生体分子ロボットの開発などにつながる可能性を秘めており、科学的意義に加え、医療、医薬産業分野の創出につながる革新的な研究である。

今回の受賞を受けて瀧ノ上講師は次のようにコメントしています。

栄誉ある賞を頂き大変光栄に思っております。『生命とは何か』という普遍的な問いを、物理学的な考え方や技術に基づいて解明していくことが、基礎科学のみならず応用科学にもつながる可能性があることが認められたというだと考えています。まだスタート段階に立ったばかりのフロンティア研究だと思いますので、さらに大きな発展ができるよう邁進して参りたいと思います。」

詳しくはこちら ⇒ 「明日の象徴」 外部リンクアイコン


瀧ノ上正浩 講師