東工大ニュース
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公開日:2013.10.24
10月3日(木)東工大蔵前会館のくらまえホールにて、TSUBAME産業利用シンポジウムが開催されました。このシンポジウムは、文部科学省 先端研究基盤共用・プラットフォーム形成事業に採択されている「『みんなのスパコン』TSUBAMEによる日本再生」により、東工大のスーパーコンピュータTSUBAMEを利用した研究課題の成果が発表される場であるとともに、これからの利用を考えている企業と、事業を運営する東工大スタッフとの意見交換の場として、年に一度開催されています。今年は141名が参加し、以下のような講演が行われました。
『みんなのスパコン』TSUBAMEの可能性
東京工業大学 学術国際情報センター 副センター長 青木尊之教授
9月10日より運用を開始したTSUBAME 2.5の性能、昨今の産業利用に供するスパコンの動向と、本学の取組についての概要を紹介する。
発表資料
衛生陶器設計のための並列GPGPU気液二層流シミュレーション
TOTO株式会社 池端昭夫氏
自社で開発した流体解析コードをGPU化し、衛生陶器の水の流れを正確にシミュレートするため、TSUBAMEにて、より細密に格子分割したモデルを用いた。その結果、実験値とほぼ適合する結果が得られ、なおかつ自社の計算機資源と比べ数百倍の速度向上がなされた。
FPUの周波数移行に向けたアンテナの特性解析
日本放送協会 小郷直人氏
本事業の新規施策である「商用アプリバンドル型トライアルユース」の三次元電磁界解析ソフトを用い、マラソン中継などで用いられる放送中継車の周波数移行にともなうアンテナ特性の解析と、放送中継車に乗務するアナウンサー等の乗員への電磁波暴露の影響をTSUBAMEにより解析し、新しい法令の策定に寄与した。
同様に、本事業によりTSUBAMEを利用している企業から9件のポスターセッションが行われ、多くの質疑応答が活発に取り交わされました。
閉会後には、事前に希望した76名の参加者が、TSUBAME 2.5を見学しました。
シンポジウムは、多くの参加者のTSUBAMEに対する関心の大きさが感じられる催しとなりました。