東工大ニュース
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公開日:2013.11.08
11月7日、ロシアの宇宙船ソユーズで、宇宙飛行士の若田光一さんらが国際宇宙ステーションでの長期滞在ミッションへ出発しました。約6か月間宇宙ステーションに滞在する間、若田さん達は様々な科学実験に取り組みます。その一つが、本学 大学院生命理工学研究科 工藤明教授らのチームによるメダカを用いた骨代謝実験、 "Medaka Osteoclast II" です。
宇宙ステーションのような非常に重力の小さな環境で長期間生活すると、宇宙飛行士の骨量は減少してしまい、将来長期間の宇宙探査を行う際の大きな問題となります。これは骨をつくる「骨芽細胞」のはたらきと、骨を吸収する「破骨細胞」のはたらきとがバランスしなくなるためだと考えられています。工藤教授らはこのメカニズムの解明に挑んでおり、本実験は2012年に国際宇宙ステーションで行ったメダカの骨代謝実験 "Medaka Osteoclast" に続くものです。
前回の実験では、蛍光タンパク質で骨芽細胞と破骨細胞を識別できるようにした「トランスジェニックメダカ」を用い、微小重力下で長期間飼育したメダカのサンプルを得ました。今回の実験では、1週間にわたって、生きたトランスジェニックメダカをリアルタイムで観察し、骨の細胞のはたらきに迫る計画です。これが明らかになれば、宇宙飛行士の活動期間の延長だけではなく、骨粗しょう症の原因究明にもつながる可能性があります。
メダカ飛行士たちは、若田宇宙飛行士らに一足遅れて来年の2月に宇宙へ向かう予定です。実験の詳細は関連リンクをご覧ください。