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サイエンスカフェ 2013 Vol.1 「計算の限界って?」開催報告

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公開日:2013.11.19

東京工業大学博物館・百年記念館主催のサイエンスカフェが、11月12日 東京工業大学博物館・百年記念館3階 フェライト記念会議室にて、高校生を中心に38名が集まり、開催されました。
今回のサイエンスカフェ シリーズ Vol.1のテーマは「計算」、文科省新学術領域「計算限界解明プロジェクト」(領域代表: 渡辺治 情報理工学研究科)との共催で行われました。


入口でメニューを見てテーブルを選ぶ参加者

コンピュータが私たちの生活に不可欠なものとなっている現在、「計算」はつねに我々の身近に存在します。実際、肌身はなさず持っているスマホは、休むときなく「計算」して、必要な情報を私たちに伝えてくれます。では、そうした「計算」とはいったい何なのか?となると、実はわかっているようで、まだまだわからないことが沢山あります。

たとえば、21世紀の7大未解決問題の1つの「P≠NP予想」は、計算をどこまで効率化できるのか?という根本的な問いですが、今のところ答えるすべがありません。こうしミステリアスな「計算」が今回のサイエンスカフェのテーマです。

こうした数理科学的な研究では、カフェはとても重要です。もちろん、通常は、研究に疲れた頭をリラックスさせるための息抜きの場です。ですが、ときには、そうしたリラックスの時間の中で新たな着想がうまれたり、カフェでの議論の中から新たな定理の発見が得られる場合も少なくありません。

今回のサイエンスカフェは、そうした研究者の雑談かつ活動の場であるカフェの雰囲気の中で、参加者の皆さんに「計算」に接してもらおう、と考えました。講演など一切無しです!各テーブルごとにホスト役の講師を中心に、お茶を飲みながら、カフェでの雑談の雰囲気の中で、「計算」の様々な側面にふれて頂こう、という企画です。

カフェではテーブルを6つ用意しました。その各々のテーブルのホストは、計算限界解明プロジェクトで世界をリードする研究者です。各々が得意とする話題(以下の表)がそのテーブルの御馳走です。参加者(約40名)は、入口で、メニューから好みの話題(テーブル)を選び、そこで雑談を楽しんでもらいました。

ホスト役の研究者たちは、口八丁手八丁、小道具、クイズ、そしてPCなどを使いながら、自分のテーブルを選んでくださったお客さんたち 6 〜 7 名を「計算」の世界に引き込んでいったのでした。

こうした企画ははじめてだったので、2時間も話が持つのかなぁ、と主催者側としては少々不安でしたが、皆さん、時間のたつのも忘れてカフェの雰囲気とホストとの話を楽しんで下さったようです。

「研究者と気軽に話ができて良かった」
「P≠NP問題の概略について聞いて、日常生活にも数学の概念が潜んでいることに感激しました」
「正十二面体の展開図が4万通りくらいあるということに驚き」
「もっと長い時間や月1回のような回数であったら、様々なことを学ぶことのできる良い機会になると思います」

アンケートには、このような感想をいただき、言葉は知っているもののイメージを掴みにくい「P≠NP予想」を身近な具体的事例を通じて知っていただけた様に思います。これは、研究者とゆっくりと気軽に話をできるサイエンスカフェならではの効果ではないでしょうか。 最後にまとめの話をして、区切りをつけましたが、名残惜しそうな方も多く、カフェの雰囲気は十分出せたのではないかと嬉しく思った次第です。

サイエンスカフェ企画担当
情報理工学研究科 数理・計算科学専攻
渡辺 治

各テーブルの話題とホスト


テーブル1 ゲームとパズルで知る計算複雑さ
上原隆平(北陸先端科学技術大学院大学)


テーブル2 積み木で形を作ること
岡本吉央(電気通信大学)


テーブル3 PとNP
河村彰星(東京大学)


テーブル4 展開図のフシギ
堀山貴史(埼玉大学)


テーブル5 あみだくじゲーム
山中克久(岩手大学)


テーブル6 量子力学と計算
河内亮周(東京工業大学)

お問い合わせ先
東京工業大学博物館
電話 03-5734-3340
E-mail centcafe@jim.titech.ac.jp

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