東工大ニュース
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公開日:2014.05.30
東京工業大学社会理工学研究科の大上淑美助教と小谷泰則助教は、人がなにかを予測する場合、顔の出現を予測する方が、言葉や記号などの予測よりも素早いことを発見し、顔に関する情報処理は実際に顔を見るよりも前から始まっていることを実証した。「予測」に関係する脳活動を顔、言葉、記号の3つを用い、刺激先行陰性電位(SPN)と呼ばれる脳波を測定して比較し、実現した。
さらに、SPN は右脳の働きの方が大きくなるという特徴を持っているが、右脳の働きは(1)顔・言葉・記号などの予測される情報の種類(2)めずらしい物を検出する注意システム(3)動機づけ(やる気・報酬)―の程度によって影響されることがわかり、右脳と左脳の相対的な働きはこれらの3つの要素によって変化することを明らかにした。これらの新知見は人の予測に関する脳活動の研究進展に重要なデータを提示することになる。
この成果は国際学会誌の「サイコフィズオロジー(Psychophysiology、心理生理学)」誌に掲載される。
左(グラフ): SPNに対し、主成分分析(PCA)を行った結果。
右: Early SPNを頭皮上のマップとして描くことにより、後頭顔領域(Occipital Face Area)の活動を捉えることが出来た。
お問い合わせ先
大学院社会理工学研究科 社会工学専攻助教
大上淑美
Email: ohgami.y.aa@m.titech.ac.jp