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「もっと身近にサイエンス!  超分子化学:ナノサイズのカプセルを作る」開催報告

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公開日:2015.03.17

3月8日、東工大蔵前会館のロイアルブルーホールで、サイエンスカフェ「もっと身近にサイエンス!  超分子化学:ナノサイズのカプセルを作る」 を開催しました(開催責任者:吉沢道人 准教授)。今回は、本学博物館と目黒区教育委員会の連携講座として、高校生対象に参加者を募集したところ、予想に反して小学生から大人(80代)まで幅広い年齢の方々から申込みがあり、約30人が参加しました。

資源化学研究所 穐田・吉沢研究室は、約2年半前に同様の企画を、本学博物館と共同で開催していますが、今回はその経験を活かした拡大版(2倍)として、講義と実験と“カフェ”を含めて3時間の内容を準備しました。ポイントのひとつ目は、身の回りのサイエンスから大学の研究成果までを理解してもらい、研究室で初めて作った化合物の合成や初めて見つけた現象を参加者の手で再現してもらうことです。もうひとつは、日々研究と格闘している学生に指導してもらい、実際の研究を参加者に直接伝えることです。今回は、穐田・吉沢研究室メンバーの近藤 圭さん(博士課程3年)が中心となり、11名の大学院生が2人1組となって実験指導を行いました。

分子模型を使った講義

分子模型を使った講義

前半の講義(60分)では、吉沢准教授が「新しい分子フラスコの開発を目指して」と題して、身近にある“分子”のフラスコの例を紹介した後、研究室の最近の研究成果として、新しい分子フラスコの設計や合成を説明しました。講義中の急な質問(「なぜ、ガラスのフラスコを使うの?」など)にも参加者は積極的に答えてくれました。また、分子フラスコの性質について、現在進行中の研究成果も含めて紹介しました。講義後の質問時間では、「新しい分子フラスコに可愛いネーミングを!」というアドバイスもありました。専門的な内容を多く含みましたが、終了後のアンケートでは、参加者の7割が講義を“良く理解できた”または“理解できた”と答えていました。

大学院生の指導による化学実験

大学院生の指導による化学実験

講義後は6つの班に分かれて、各机で参加者と学生が飲食をしながら科学について気軽に語り合い(カフェ:20分)をした後、後半の実験(110分)をスタートしました。まず、分子模型を組み立て、実験に使う分子の立体構造を理解してもらいました。その後、大学院生に1つ1つの操作や原理を教わりながら、参加者は水中で組み上がる“柔軟な”分子カプセルの合成や、そのカプセル内への様々な大きさや形の分子の取り込み実験を行いました。そして、このカプセル特有の溶液色や蛍光色の変化などを観察してもらいました。沢山の疑問や質問に大学院生が丁寧に答えつつ、用意していた12個の全実験を完了することが出来ました。実験についてのアンケートでは、約9割の参加者が“理解できた”以上でした。

サイエンスカフェの実行委員
サイエンスカフェの実行委員

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お問い合わせ先

資源化学研究所 吉沢道人
Email : centcafe@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-3340

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