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「中性子で元素を変えよう」高校生・一般向け講演会開催報告

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公開日:2015.03.30

研究成果を国民に易しく発信するため、高校生・一般向けの講演会「中性子で元素を変えよう-放射能を無くする原子核変換を目指して-」を、3月15日、本学原子炉工学研究所で開催しました。

今、原発の使用済み核燃料に含まれる放射性物質が問題となっています。この問題を解決する切り札として、中性子をぶつけて放射能を減らす「核変換」が注目されています。核変換は現代の錬金術であり、寿命の長い放射性物質を減らすことができます。

講演会は、講演1「原子・分子、原子核の性質」と講演2「放射能を無くする原子核変換を目指した基礎研究」の2部構成で、いずれも講師は本学原子炉工学研究所の井頭政之教授が務めました。中性子を使った実験の専門家である井頭教授による講演は、基礎知識の説明と原理から最先端の研究まで含んでいました。

講演を熱心に聴講する参加者の様子
講演を熱心に聴講する参加者の様子

参加者は35名で、内訳は高校生10名、30代2名、40代1名、50代7名、60代以上15名でした。各講演は質疑応答時間も含めて80分で、長時間にもかかわらず参加者は熱心に聴講していました。質疑応答も非常に活発で、特にお年を召した方からの質問が多かったです。アンケート結果から、両講演ともに内容について「大変面白かった」と「かなり面白かった」が約80%、理解度についても「良く理解できた」と「かなり理解できた」が約80%で、当初の目的を達成できました。

アンケートの自由記述欄には、「今回の講演の様に、東工大の他の研究室の研究についても講演をしてほしい。」(同趣旨の記述が他11名)、「この会合の案内が新聞の折り込みできたのには驚きました。」、「質問時間を多く取って頂けたのは大変良かった。」、「東大からは多くの講演会や実習等の案内が来ますが、東工大からはとても少ないと思っています。(高校の物理担当教員)」などが書かれていました。東工大からの研究成果の更なる発信が期待されていることが伺えました。

お問い合わせ先

井頭政之
Email : iga@nr.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-3378

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