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東工大ニュース

Startup Weekend Tokyo Tech Vol.2 レポート

2015.05.19

4月24日~26日の3日間、東京工業大学を会場にStartup Weekend Tokyo Tech(以降SWTT)Vol.2が開催されました。Startup Weekend(以降SW)とは、参加者が、起業する仕組みを実際に体験できるイベントです。週末の54時間でアイデアピッチ(1分プレゼン)、チームビルディング、プロダクト開発、顧客開発、ビジネスプラン立案まで行い、最終日に業界を代表する審査員によってその優劣を競うイベントで、110カ国を超える世界中で開催され、実際に多くの起業家がここから生まれています。日本でも2012年に第1回が開催され、現在は全国各地で毎回80名近くを集める人気のあるイベントです。

今回、東工大で開催されたのは、“Tech”に焦点をあてたSWで、去年11月の開催に続き2回目となります。科学技術に関連したビジネスを扱うということで、今回も東工大は、音圧分布測定器や酸素濃度で色が変わる素材、ERFマイクロアクチュエータなど様々な最新の科学技術を提供しました。

アイデアピッチ
アイデアピッチ

チーム作り

チーム作り

初日、4月24日の夕方、会場となった蔵前会館には多くの参加者が集まりました。今回の参加者は会場の都合で、限定された30名です。その中にはSW最年少になる14歳の中学生も参加していました。開始の18時になると、本学の丸山俊夫理事・副学長(教育・国際担当)の挨拶でSWTT Vol.2が開幕しました。

その後、参加者は軽食付きのパーティー雰囲気をほぐし、ミニゲームが開始されました。30分ほどのゲームでも参加者の思考の癖や、個性が見受けられ、会場は非常に盛り上がったようです。ミニゲームでのウォーミングアップが終了したところで、1分間のアイデアピッチが行われました。約20人の参加者が事前に考えてきたビジネスアイデアのプレゼンを行い、プレゼン後は互いに情報収集しながら「一緒にやってみたい!」と思うアイデアに投票をします。投票しながらチームメンバーが集まっていき、最終的に5チームが結成されました。

2日目、大岡山キャンパスの石川台地区に4月にオープンした「デザイン工房」に会場を移し、朝9時から開始されました。デザイン工房には6台の3Dプリンターが並び、3Dスキャナーや数々の文具・工具も用意されています。ここはスタンフォード大でインタラクティブ・ティーチングの経験を積んだ教員たちがデザインした工房で、チーム活動がしやすいテーブルと椅子が配置されています。

朝食の後、イベント・ファシリテーターのリー氏によるプレゼンがありました。リー氏の進行で、SWが目指すもの、審査基準、Minimum Viable Product※1とは何かについて説明があり、参加者は作業を開始しました。各自のチームに分かれて、白熱した議論を行いました。午後からは、12名のビジネスコーチ・技術コーチが参加し、それぞれの専門的な観点からコーチングを行いました。技術コーチがついているところがこのSWTTの特徴です。ビジネスの面からも、コーチたちの経験を生かした的確で現実的な意見が、参加者に向けられました。

ビジネスアイデアの検討

ビジネスアイデアの検討

ビジネスの方向性に悩む

ビジネスの方向性に悩む

SWでは「試してみる」ことも重要視されています。今回は、3Dプリンターが参加者の目の前に並んでいることから、「ちょっと作ってみたい」というニーズにもすぐに対応することができます。工房の工作室では大きな発泡スチロールを切り出して試作品を作るチームや、アプリのモックを作ってユーザーヒアリングし、仮説を検証するチームもいました。中には、自由が丘まで行きインタビューをしてきたチームもありました。この日は、21時で終了でしたが、閉場ギリギリまで粘るチームや、場所を近くのお店に移して自主的に議論を続けたチームもあったようです。

3Dプリンターで試作

3Dプリンターで試作

試作品

試作品

朝から集中してディスカッション

朝から集中してディスカッション

3日目は顧客検証の続きが行われました。最終プレゼンは17時からとなっており、2日目に実施したアンケートを元に試作品に修正を加えるチームや、再度、街に出て現物検証してくるチームなどさまざまな試行が行われていました。デザイン工房にはソファがある部屋もあり、車座になってプレゼンを検証するチームもありました

最終プレゼンでは、3人の審査員と、CBEC(チーム志向越境型アントレプレナー育成プログラム)※2の運営委員、その他大勢のゲストを前にプレゼンが行われました。4月24日にお台場で開催されたSLUSH ASIA※3の仕掛人であるアンティ・ソンニネン氏も参加しました。

また、今回は5つのチームのプレゼンが終わった後、特別なプレゼンがありました。最年少で参加した14歳の少年は人前に出るのがとても苦手だったそうですが、頭の中にはアイデアが渦巻いていたようで、自分からアイデアピッチをしたいと言い出したのです。そして、見事に2分間、聴衆の前に立つことができました。自分のアイデアをテックのチカラを借りて形にしていく過程はその場での体験は少年のみならず、参加者全員の糧になったようです。体験することで味わえる感動や達成感が、この日のデザイン工房には溢れていました。

緊張のプレゼン

緊張のプレゼン

審査員からのコメント

審査員からのコメント

プレゼン終了後、優勝発表と打ち上げパーティーが行われました。SWTT Vol.2の優勝は、工作室で何回も試作品を作っていた入力デバイスのチームが受賞しました。打ち上げパーティーは、参加者とゲストやコーチが熱をもって語り合ったり、さっそく次に集まる相談をするチームも見受けられ、参加者にとって、とても有意義な体験になったようです。最後に、リー氏から「SWはこれからも続きますこの体験からの学びを次回に繋げて欲しい」という話があり、全員で記念写真を撮影して、白熱した週末の54時間は幕を閉じました。

審査員からの優勝発表

審査員からの優勝発表

打ち上げ

打ち上げ

次回のStartup Weekend Tokyo Techは半年後の開催を予定しております。

興味を持った方は、ぜひご参加ください。

集合写真
集合写真

※1
Minimum Viable Product : ビジネスアイデアの価値を検証するために、最小限の機能をもたせた製品
※2
CBEC(チーム志向越境型アントレプレナー育成プログラム) : 2014年に採択された文科省グローバルアントレプレナー育成促進事業の本学プログラム名称(特別教育研究コース)。新規事業創出のマインドセットと、起業に必要なMBA関連知識をもち、異分野多国籍チームで共創するための実践的な人材育成を行っている。
※3
SLUSH ASIA : フィンランドで毎年11月に開催される北欧最大級のテック・スタートアップのイベント「SLUSH」が初めてアジア(東京・お台場)で開催され、10カ国を越える国から3000人以上が集まった。

問い合わせ先

チーム志向越境型アントレプレナー育成プログラム事務局

Email : query@cbec.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-3475