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「平成27年度原子炉工学研究所研究交流・発表会」開催報告

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公開日:2015.09.02

東京工業大学 原子炉工学研究所が、6月3日、大岡山北3号館1階多目的ホールで、研究交流・発表会を開催しました。

原子炉工学研究所は現在、第2期中期目標・計画に従って、4つの重点研究分野、及び、それらを支える基礎・基盤技術分野の研究を組織的に推進しています。また、2011年の東京電力福島第一原子力発電所事故以降は、除染技術の研究開発をはじめ、福島復興に向けた取り組みにも積極的に貢献しています。昨年度からは、研究所の資源である実験装置、ソフトウエア、データベース等を基盤とした、他大学・研究機関との共同研究をバックアップするため、「共同利用・共同研究」の制度をスタートさせています。学界・産業界・社会のニーズに広く応えるための新しい研究体制を整備しました。

今回の研究交流・発表会では、昨年度の「共同利用・共同研究」課題の成果、及び所内各研究室の研究活動が披露されました。参加人数は、学外からの参加者も含め61人でした。

矢野所長による開会挨拶

矢野所長による開会挨拶

矢野豊彦所長による開会挨拶、及び、研究所の近況報告に引き続き、まず第1部では、研究所の代表的なミッション研究が紹介されました。物質工学部門の竹下健二教授より「東電福島第一原発事故の終息に向けた先進的廃棄物処理・減容技術」、続いて物質工学部門の小原徹教授より「エネルギー・資源・環境問題の解決に資する革新的原子力システム」と題する講演がありました。それぞれ、原子力に関わる喫緊の課題に対する対応、及び、今後の長期的な人類の生存に関わる原子力の役割が議論されました。

休憩をはさみ、第2部として共同利用・共同研究の学外共同研究者による2件の招待講演がありました。札幌医科大学医学部の染谷正則講師よる「DNA修復の分子メカニズムに基づく放射線感受性・癌罹患性予測の展望」に対しては、国民の関心が極めて高いガンの発生・治療に関わるテーマでもあり、会場との間で活発な質疑応答が交わされました。日本原子力研究開発機構大洗研究開発センターの井上利彦研究員よる「制御棒吸収材料B4Cの照射後試験」についても、高速炉開発を含む今後の原子力技術の発展に不可欠な材料開発の観点から、いくつかの専門的で高度な議論が交わされました。

これらの講演の終了後、第3部として所員による共同利用・共同研究課題及び原子炉工学研究所各研究室の研究活動に関するポスターセッションが開催され、学外者も含めた活発な意見交換が行われました。ポスターの発表件数は27件でした。最後に情報交換会に移行し、盛会のうちに閉会となりました。

ポスターセッションでの質疑応答ポスターセッションでの質疑応答

問い合わせ先

研究交流・発表会事務局

Email : atom2015@nr.titech.ac.jp

Tel: 03-5734-3052

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