東工大ニュース
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8月7日~8日、大岡山キャンパス石川台1号館において、高校生向け体験授業「コンピュータビジョン、ヒューマンビジョン、あなたのビジョン2015」が開催されました。このプログラムは、独立行政法人日本学術振興会による「ひらめき☆ときめきサイエンス~ようこそ大学の研究室へ~KAKENHI」事業の支援を受け、実施されました。
「コンピュータビジョン、ヒューマンビジョン、あなたのビジョン」は、機械系を専門とする葭田貴子准教授と田中正行准教授が、互いに異なる専門知識を生かして2014年から実施している体験型講義のシリーズです。機械に外界環境を認識させたり、機械を人にとって安全で使いやすいものにするためには、コンピュータビジョンと、人の視覚の脳科学(ヒューマンビジョン)を両方知ることが重要です。
今年は、大きなオーロラの3D立体映像をバーチャルリアリティで体験することを通じて、ヒトが3Dの飛び出す映像を感じる脳の仕組みや、3Dの情報を伝える機器の原理と安全性を、高校生に考えてもらいました。講師からは特に、立体視の原理を用いて高さを測定する原理や、人が頭部を動かすことにより世界を認識する仕組みを説明しました。その上で、機械系にコンピュータやヒトに関する複数の視覚の研究室がある意味や、これらの研究室が相互に協力することで実現できるコミュニケーションやサービスの可能性を理解してもらうことに主眼が置かれました。
また、2次元の平らなディスプレイから3次元の立体が感じられるという、ヒトの主観的体験を扱う内容であるため、講義は全て、高校生が自らの身体と視覚、脳で感じながら学ぶ体験型で行われました。参加者には、赤青フィルムによるアナグリフ眼鏡と、スマートフォンにより簡易ヘッドマウントディスプレイを作るためのレンズのついた小さな箱が配布されました。どのような視覚経験が論じられているか、自身の身体で体感する仕組みです。さらに、これらを持ち帰ることで、大学で得た体験を、自宅に帰ってからも家族や学校関係者と共有し、夏休みの宿題等今後の科学活動にも活用することができます。結果、文系・理系双方の学生から好評価が得られたほか、主催者側も研究室を超えた議論や機材の交換が続き、充実した2日間となりました。
使用した一部機材の作成方法は、以下で紹介されています。