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国際開発サークルのネパールバイオ炭プロジェクトチームが「コカ・コーラ環境教育賞」優秀賞を受賞

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公開日:2017.03.07

東京工業大学 国際開発サークル(IDAcademy)のネパールバイオ炭プロジェクトチームが、環境教育に関する顕著な活動への顕彰および環境保全・環境啓発に寄与する新しい企画への支援を行う「第23回コカ・コーラ環境教育賞」(公益財団法人コカ・コーラ教育・環境財団主催、読売新聞社、コカ・コーラ環境ハウス協力、文部科学省、環境省後援)の次世代支援部門において、優秀賞を受賞しました。

バイオ炭生産装置の制作に協力してくださった方々と

バイオ炭生産装置の制作に協力してくださった方々と

コカ・コーラ環境教育賞とは

コカ・コーラ環境教育賞とは、地域に根ざした環境教育・環境保全活動を促進することを目的とした、コカ・コーラ教育・環境財団による公募型の賞です。選考は、一次選考(選考委員による書類選考で5団体がノミネート)と最終選考会(ノミネートされた5団体によるプレゼンテーション)の2段階があり、次世代支援部門では、受賞グループに対して最優秀賞(1組)に50万円、優秀賞(4組)に30万円の企画支援金が贈呈されます。第23回では、応募総数87団体(活動表彰部門:52団体、次世代支援部門:35団体)の中から選ばれた小学生から大学生までの15団体(活動表彰部門:10団体、次世代支援部門:5団体)が8月6日の最終選考会に臨み、各団体が手掛ける環境活動の実績や成果、企画を発表しました。

国際開発サークルとは

国際開発サークル(IDAcademy)は東京工業大学の公認サークルであり、理工系知識を活かし、技術を通じて社会に貢献することを目指しています。開発途上国向けの安価でかつ機能的な義足の開発や、福島県川俣町で行っている小学校高学年対象の川俣シャモをモチーフにしたロボットづくりワークショップの開催など、チームを組んで様々なプロジェクトを実施しています。ネパールにおけるバイオ炭プロジェクトは、国際開発サークルが行うプロジェクトのうちの1つです。

ネパールバイオ炭プロジェクトとは

ネパールでは、家庭で使用されている燃料のほとんどが伐採した木材であり、森林の過度な伐採と、屋内での薪等の燃焼による室内空気汚染による人々への健康被害が問題となっています。そこで、私たちネパールバイオ炭プロジェクトは、農業廃材や家畜排泄物を材料としたバイオ炭の生産技術とその持続的な普及システムを確立し、問題の解決を目指しています。また、ターゲット消費者である村民に対して森林保全のための環境啓発と煙による健康被害を喚起し、バイオ炭に対する需要を高め、この活動を通して将来的な森林伐採規制への反発の軽減に繋げることも目的としています。

バイオ炭の生産方法や利点に関するワークショップ開催時に参加者と

バイオ炭の生産方法や利点に関するワークショップ開催時に参加者と

受賞者のコメント

プロジェクトメンバー 澤村新之介さん(環境・社会理工学院 融合理工学系 修士課程1年)

現在メンバー7人で活動しており、メンバーの国籍は日本、ネパール、インドネシア、タイと多岐にわたり、また学年も学士課程1年から博士後期課程1年までと多様な学生がいます。

今年の夏には実際にネパールに2週間程度滞在し、バイオ炭の生産実験、バイオ炭に関連した政府機関、NGOへの聞き取り調査、対象農村での家庭調査や女性コミュニティへの聞き取り、ワークショップを実施しました。そこで得た実験結果や調査結果をもとにさらなる活動を進めていきたいと思います。

プロジェクトメンバー ケサブ・ラジュ・ポッケレルさん(環境・社会理工学院 融合理工学系 修士課程1年)

IDAcademyの活動に参加することで、私の母国ネパールにて室内空気汚染の問題解決に貢献する機会を得ることができました。この問題は、従来のストーブを使い、薪を燃やすことによって生じますが、私もネパールではこのようなことを日々行なっていました。我々のネパールバイオ炭プロジェクトの実施のために経済的な支援をしてくださったコカ・コーラ教育・環境財団及び関係者の方々にとても感謝しております。

IDAcademyはネパールバイオ炭プロジェクトに加えて、他の種類のプロジェクトを同様に他の国で行なっております。実社会に対する貢献に挑戦したいと思っている学生にとっては、IDAは良いプラットホームだと思います。興味のある方、社会に貢献しうる、あなたの創造的なアイデアを実現するため共に挑戦しましょう。

お問い合わせ先

東京工業大学 国際開発サークル(IDAcadey)

E-mail : ida.tokyotech@gmail.com

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