東工大ニュース
東工大ニュース
本学では、2007年よりタイ国立科学技術開発庁およびタイのトップクラス大学と連携し、TAIST- TokyoTech(以下、TAIST※)という修士課程プログラム(自動車工学、組込情報システム、環境工学の3分野)をタイで実施しています。
TAISTを活用した学生交流プログラム「TAIST-Tokyo Tech 学生交流プログラム(TAIST-Tokyo Tech Student Exchange Program)」は2年目を迎え、東工大生がTAISTで、TAISTの学生が東工大で、それぞれ異文化に触れながら専門分野の研究に取り組みました。
2016年8月から2017年3月にかけ、東工大生18名が、各自で設定したスケジュールに沿って2週間から2ヵ月間タイで過ごしました。今回は、自動車工学コース(AE)に15名、環境工学コース(EnvE)に3名が参加し、渡航1~2ヵ月前からメールでタイ側の受入研究者とインターンシップの内容について打合せを行うなどの準備を進めました。タイ到着後は、タイランドサイエンスパーク(TSP)内にある学生用宿舎シリントーン サイエンス ホームに滞在し、TAISTの講義受講とインターンシップに取り組みました。
受入先では、研究室のメンバーに温かく迎え入れられ、日々英語で意見交換しながら演習を進めました。研究室を離れたところでは、クラスメイトと一緒にスポーツをしたり、観光名所を訪れたりと、現地学生との交流を楽しみました。また、タイも日本同様、英語が公用語ではないので、一歩街中に出ると英語はほとんど通じませんが、現地の方々に親切に声をかけてもらい、身振り手振りで意思を伝え、言葉が通じなくても気持ちが通じ合えるという経験を幾度となくしました。参加学生は、日本とは異なる環境で専門分野を学び、自身の成長を実感して帰国しました。
1月11日から3月17日にかけての約10週間、TAISTの学生5名が東工大に派遣され、副指導教員となっている東工大の研究室に所属し、修士論文のテーマに沿って研究を進めました。
5名が来日したのは寒さが厳しさを増す1月でしたが、プログラムを通して全員が元気に過ごしました。期間中は、研究活動の他に学内見学、研究室訪問、民間企業訪問、休日の観光などさまざまな活動に参加しました。TAISTの学生にとっては、毎日遅くまで他の学生と研究室に残り、時には休日にも実験を行うなど、研究室の一員として過ごしたことが、たいへん貴重な経験となりました。
帰国前日の3月17日に行われた報告会では、TAIST協力教員や副指導教員、研究室の学生たちを前に、5名それぞれが研究成果を発表しました。研究に重点を置いた本プログラムの趣旨にかなう成果が報告され、発表を終えた5名の表情には大きな達成感が見られました。続いて行われた懇親会では、本学の教員や学生と来日中の日々を振り返り、将来の再会を誓い合いました。
東工大生がTAISTに派遣されている間、TAISTの学生たちがとても気軽に声をかけてくれ、渡航前の不安はすぐに解消され、毎日楽しく過ごせました。また、TAISTの学生が来日した際は、受入研究室のチューターのほか、TAISTに短期留学したことのある東工大生が、積極的にTAISTの学生と交流していました。
東工大生がTAISTへ、TAISTの学生が東工大へと行き来が増えるに従い、お互いの国への理解が深まっています。本プログラムを通して、今後ますます交流の輪が広がっていくことが期待されます。