東工大ニュース
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科学技術創成研究院 フロンティア材料研究所の細野秀雄教授・元素戦略研究センター長の研究成果が、東京書籍株式会社が出版する高校の化学の教科書2冊に掲載されました。
細野教授はこれまで、液晶ディスプレイや有機ELテレビに使用されているIGZO半導体の創出を始め、常識を覆す鉄系超伝導物質の発見や、電子化物を用いた低温・低圧でのアンモニア合成方法などの研究を行ってきました。
教科書では、これらの研究の原点でもある、ありふれた元素から構成されるセメントの構成物質12CaO・7Al2O3(C12A7)のユニークな結晶構造と、開発された電子伝導性、触媒機能などを紹介し、物質には秘められた大きな可能性をあることを解説しています。これらの教科書は、来年の4月から全国の高校で使用される予定です。
今回1ページのコラム欄に個人的に最も愛着のあるC12A7を舞台とした機能開拓の話が載ることになり、大変に感激しています。この研究は元素戦略の象徴とも見做されているものです。鉄系超伝導体は既に大学学部用の世界標準的な教科書に載っておりますが、まさか高校の教科書でこの研究を取り上げて頂けるとは想像外でした。
今年になってIGZO-TFTで駆動する大型有機ELテレビが一気に上市され、いろいろなところで見られるようになりつつあります。新しい学術分野の創出とその社会実装を目指してもうひと頑張りしたいと思います。
4月から使用される予定の2冊の教科書