東工大ニュース
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東京工業大学 環境・社会理工学院 融合理工学系の髙木泰士准教授が、科学技術・学術政策研究所(NISTEP)※の科学技術イノベーションの発展に顕著な貢献した「ナイスステップな研究者2017」11名のうちの一人として選定されました。
「ナイスステップな研究者」は、科学技術・学術政策研究所が2005 年より科学技術への顕著な貢献をされた方々を選定しているもので、選定の観点としては、優れた研究成果、国内外における積極的な研究活動の展開、研究成果の実社会への還元、今後の活躍への広がりへの期待等となっています。この名称は、すばらしいという意味の「ナイス」と、飛躍を意味する「ステップ」を組み合わせ、研究所の略称 「NISTEP(ナイステップ)」にからめてつけられたものです。
選定理由
「アジアなど開発途上国における沿岸域防災研究とアウトリーチ」
髙木准教授は、開発途上国の沿岸域防災研究という新しく、かつ学際的な研究分野を推進しています。詳細な現地調査を行い、その調査結果と、港湾工学や海岸工学といった個別の工学分野の知見を融合させることで、沿岸域災害の原因究明や具体的な防災対策の提案などを行っています。工学を中心としながらも、災害意識や避難行動など社会学の領域にも果敢にチャレンジしています。
現地調査を精力的に続ける傍ら、多くの国際ジャーナルへの寄稿や書籍出版、国際会議での発表など国際的に顕著な研究業績を残しており、気候変動や急激な都市開発・人口増加で、ますます災害リスクへの対応が求められる中、沿岸域防災研究という学際融合的な研究領域において、リーダーとして研究及びそのアウトリーチ活動の推進が期待されています。
今年度の「ナイスステップな研究者 2017」には、今後の活躍が期待される若手研究者を中心に、新しい領域を先導する研究者、科学技術と社会との共創を推進する研究者、国際的に活動を展開する研究者、日本を拠点に国際的に活躍する外国人研究者、画期的な研究手法・ツールの開発者、研究成果をイノベーションにつなげている研究者など、多岐にわたる分野の研究者が揃っています。
この度は過分な賞をいただき大変光栄です。
当方の研究室では、地域・住民視点の災害リスク評価をもとに、有効な防災・減災対策の創出に向けて、ボトムアップ型の国際共同研究をアジア諸国で推進しています。格好良く言えばHolistic(全体論的)、簡単に言えば出たところ勝負の研究で、このような賞とは無縁と思っていました。選考いただいた関係の皆様方、ひいては日本の学術風土の懐深さに頭が下がります。また、このような研究は一人ではできませんので、ここまで支えていただいた共同研究者や恩師、先輩、後輩、同僚、多くの方々に感謝申し上げます。
これからも学生と共に、大学ならではの自由で多様なアプローチで開発途上国の防災に貢献していきたいと思います。