東京工業大学は、3月20日に文部科学大臣から指定国立大学法人の指定を受けました。
指定国立大学法人制度は、日本の大学における教育研究水準の著しい向上とイノベーション創出を図るため、文部科学大臣が世界最高水準の教育研究活動の展開が相当程度見込まれる国立大学法人を指定するものです。
林芳正文部科学大臣から指定書を受け取る三島学長
指定書を手にする三島学長
学長コメント
この度、指定国立大学法人の指定を受けたことは、本学の長期目標「世界最高の理工系総合大学の実現」に向けて、大きな追い風になると考えております。今後、指定国立大学法人としての矜持をもち、教職員が一丸となって以下の構想を推進する所存です。そして、科学技術を基に、より良い人間社会の構築に寄与する人材の育成、科学技術の様々な分野における真理の探求、社会との対話と連携を通した新たな技術の創出に弛まぬ努力を続けてまいります。
国立大学法人 東京工業大学
学長 三島良直
本学の指定国立大学法人構想とその概要
本学の指定国立大学法人構想は、「科学技術の新たな可能性を掘り起こし、社会との対話の中で新時代を切り拓く」ことを目指して、アカデミアとしての教育研究の充実、社会連携による研究成果の社会実装を推進するとともに、これらを持続・発展させる強力なガバナンスと大学経営を実現するものです。
その中核として学内外の多様な専門家からなる「未来社会DESIGN※1機構」を新設し、科学技術のファシリテーターとして、豊かな未来社会像=“ちがう未来”を描きます。そして、以下に示す教育・研究・社会連携・運営にかかる5つのアウトカムを有機的に連携させつつ、各種取組を強力に推進します。
- ※1
- DESIGN:Laboratory for Design of Social Innovation in Global Networks(「未来社会DESIGN機構」の英語名称)より
1. "Student-centered learning※2"の実現と多様な学生・教員の獲得
教育
1. "Student-centered learning※2"の実現と多様な学生・教員の獲得教育
- 学生の「志」の育成と主体的な学びを狙いとする教育体系を、より多様な学生のニーズに応えるものに昇華
- 学生・教職員のダイバーシティを推進し、多様な文化的背景を有する学生同士が切磋琢磨する環境を充実
- ※2
- Student-centered learning:「学生本位の学び」の意
2. 研究成果の世界的認知度の向上研究
- 本学の研究の強みに基づき、重点化を図ることを通じて、優秀な人材を惹きつける研究成果を発信
- 一流の研究者の集う世界の研究ハブとして、国際共同研究を推進し、革新的科学技術を創出
3. 新規・融合分野の研究領域の開拓研究
- 豊かな未来社会の実現に向けて新たな領域を開拓する戦略的研究を、Team東工大により推進
- 長期的な観点から、若手教員・研究者が自由な発想に基づく研究に集中できる環境を構築
4. 新たな領域の知の社会実装等の社会連携活動の強化
社会連携
4. 新たな領域の知の社会実装等の社会連携活動の強化社会連携
- 学術的な叡智に立脚した社会や科学技術に対する客観的な分析と深い洞察により、未来社会像をデザインし、その実現に向けた方策と共に国際的に広く発信
- 新たな産学連携共同研究、ベンチャー育成などによる研究成果の産業への転化及び高度リカレント教育を通じた社会貢献を推進
5. 教育研究基盤発展の自立化運営
- 世界の有力大学と伍しうるガバナンス体制を構築し、より長期的・俯瞰的視点での大学経営、教学運営の高度化、積極的な社会連携を実現
- 産学連携活動を通じた資源獲得のみならず、東工大基金の増強やキャンパス等の資産の有効活用等の多角的な方法により財務基盤を強化
国立大学法人東京工業大学 指定国立大学法人構想の概要(クリックで拡大)
ちがう未来を、見つめていく。
役員・教職員・学生の参加によるワークショップを通じて、2030年に向けた東京工業大学のステートメント(Tokyo Tech 2030)を策定しました。
Tokyo Tech 2030
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- 3月22日 09:10 関連リンクを追加しました。