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グローバル理工人育成コースの成果報告書を発行

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公開日:2018.06.27

平成25年度に開設したグローバル理工人育成コースは、文部科学省支援による「経済社会の発展を牽引するグローバル人材育成支援事業」(平成24年度~平成28年度)としての5年が経過し一つの節目を迎えたことから、その成果を報告書としてまとめました。ぜひご一読ください。

グローバル理工人育成コースとは

グローバル理工人育成コースは、新興国を含む世界でリーダーシップを発揮できる人材を育成することを目的とし開設されました。2013年度~2016年度は学士課程の学生のみを対象としていましたが、コース設置初年度に入学した学生が修士課程に進学する2017年度より対象を修士課程、専門職学位課程の学生にまで広げ、初級、中級、上級の3つの段階的なコースで構成することと致しました。これは、大学改革により「学修一貫」の教育課程を開始し、修士課程修了までに国際的な活動をすることを強く推奨していること、および、本学学士課程の学生の約9割が修士課程に進学するためです。本コースは、「国際基礎力」「国際実践力」「国際協働力」を段階的に発展させる国際性涵養に特化した教育カリキュラムです。専門性を基礎としたアイデンティティー・知識・経験・技術力を基軸とし、多様性を理解し、倫理観を持って、グローバル社会の未知な課題に対応できる「科学・技術の力で世界に貢献する人材」の育成を目的としています。本コースの所属生数は、大学改革初年度である2016年度には1,000名を超え、2018年5月時点では所属生総数が1,480名となり、学士課程の学生の約4人に1人が本コースに所属しています。

シーギリヤロックにて(スリランカ超短期海外派遣プログラム)

シーギリヤロックにて(スリランカ超短期海外派遣プログラム)

グローバル理工人育成コースの特徴

本コースの特徴は、将来国際的に活躍したいと希望する学生に対し、留学経験の提供に加えて、アクティブラーニング型の講義等の受講や、自身の専門性と社会を関連付け、視野を拡大する科目の履修、実践的な英語力を強化する支援等を通じ、総合的なカリキュラムを提供していることです。本コースの所属生は、大きく二つのタイプに分けられます。一つは、国際的・グローバルな活動への希望や必要性を感じているがまだ具体的ではなく、本コースの活動や所属生・留学生との交流を通じその目的や学生時代にやるべきことを明確にする学生、もう一つは、国際的・グローバルな活動について、長期留学、海外への就職、海外での研究、国際機関での勤務等明確な目的を持ち、本コースを自身の将来計画の準備として位置づける学生です。本コースは、双方のタイプの学生に様々な学習・活動の場を提供しています。

セネガル出身の留学生TAのファシリテートのもと、セネガルの農業振興について議論している様子(1年生向け講義「グローバル理工人入門」)
セネガル出身の留学生TAのファシリテートのもと、
セネガルの農業振興について議論している様子
(1年生向け講義「グローバル理工人入門」)

海外の大学等で勉学・研究するために必要な英語力の習得を目指した講義の様子(英語力・コミュニケーション力強化プログラム)
海外の大学等で勉学・研究するために必要な英語力の習得を
目指した講義の様子(英語力・コミュニケーション力強化プログラム)

インペリアルカレッジにて、現地大学生によるキャンパスツアーの様子(イギリス超短期海外派遣プログラム)
インペリアルカレッジにて、現地大学生による
キャンパスツアーの様子(イギリス超短期海外派遣プログラム)

インド工科大学マドラス校の学生に連れて行ってもらった世界遺産マハーバリプラムにて(インド超短期海外派遣プログラム)
インド工科大学マドラス校の学生に連れて行ってもらった
世界遺産マハーバリプラムにて(インド超短期海外派遣プログラム)

グローバル理工人育成コースの成果

本コースの顕著な成果としては、英語スコアの向上、留学経験者数の増加が挙げられます。英語スコアの向上については、2015年度の調査によれば、本コースの所属生は、1年次からすでに全学生よりも平均点数が高いだけでなく、コースの様々なカリキュラムを経て4年次に至るまでに、平均点が70点以上上昇したことが分かりました。留学経験者数については、本コース開始以前の2012年度には、本学学士課程全体で約100名程度でしたが、海外派遣への参加をコース修了要件としたことで、2016年度には300名以上に増加しており、本コースが大きく貢献していることがわかります。

本コースの所属生の中には、学生英語プレゼンテーション大会(文部科学省「経済社会の発展を牽引するグローバル人材育成支援」採択大学主催)において、第1位(2016年度)、第2位(2015年度)の成績をおさめた学生もいます。また、国際的リーダーシップの育成を目的とし本学が実施している「東工大学生リーダーシップ賞」の受賞者は、ほとんどが本コースの所属生であるなど、本コースは世界に貢献できる人材になるための能力を修得する場を学生に提供しています。

グローバル理工人育成コースでは、今後も多様なカリキュラムや留学プログラムを企画し、学生の様々なニーズを満たす支援を提供することによって、本学のグローバル人材の育成に貢献していきます。

ストックホルム大学にて。学生交流が盛んに行われました。(スウェーデン超短期派遣プログラム)

ストックホルム大学にて。学生交流が盛んに行われました。(スウェーデン超短期派遣プログラム)

お問い合わせ先

グローバル人材育成推進支援室

E-mail : ghrd.info@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-3520

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