東工大ニュース
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公開日:2018.07.19
東京工業大学と東北大学は7月18日、量子コンピューティングを中心とした情報科学の基礎と応用の研究において世界的にリーダーシップを発揮することを目指し、連携協定を締結しました。
量子コンピューティングは、従来の方法では長い計算時間を要するいくつかの問題をより短い時間で解く可能性を期待されており、各分野で注目されています。
東京工業大学は、最初に商用化されすでに多くのユーザに利用されている装置の動作原理である量子アニーリングの概念を1998年に初めて提唱し、その基礎理論研究において20年にわたり世界のトップを走ってきました。また、東北大学では、量子アニーリングに関するソフトウェア科学とその応用研究で世界を先導しており、産業界と広く連携することによって、各種の重要課題の解決を系統的に推進しています。
このような背景のもと、東京工業大学科学技術創成研究院に7月1日に発足した量子コンピューティング研究ユニット※1と東北大学学際研究重点拠点「Q+HPCデータ駆動型科学技術創成拠点」※2で、研究拠点を形成し、両大学の強みを活かして組織的な連携を行います。また、企業と協力して「量子アニーリング研究開発コンソーシアム(仮称)」を組織し、実社会における問題の解決を図ります。
形成される拠点では、人材の集中や量子アニーリングマシンの設置など、研究開発環境の整備を行う予定です。研究面では、量子コンピューティング研究ユニットで行われる量子アニーリングの基礎理論の整備・構築と、Q+HPCデータ駆動型科学技術創成拠点で行われるソフトウェア科学や具体的な問題への応用が展開されます。さらに、量子アニーリング分野では基礎研究と応用研究の距離は近く相補的であることから、応用研究での様々な分野への量子アニーリングの活用は、ノウハウの蓄積だけでなく基礎研究の発展を促し、その基礎研究の発展がさらなる活用分野の拡大につながるという好循環を生みだします。これにより、日本の量子アニーリング分野の基礎と応用におけるイニシアチブを獲得することを目指します。
実績と強みをそれぞれ有する東京工業大学と東北大学が、密接な連携のもとに共同研究を推進する意義はここにあります。
両大学は次の事項等について連携を行います。