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東工大代表団がASPIREフォーラム 2018 に出席

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本学が加盟しているASPIREリーグ※1が主催する「ASPIRE フォーラム」が7月9日から13日に南洋理工大学(NTU、シンガポール)で開催されました。本学からは、水本哲弥理事・副学長(教育担当)を団長に、学生5名を含む教職員14名(加盟大学からは総勢60名)が参加しました。

フォーラムに参加した東工大教職員と学生

フォーラムに参加した東工大教職員と学生

フォーラムは、開催テーマについて理解を深め、議論する「学生ワークショップ」、各大学研究者が関連する研究成果について講演を行う「シンポジウム」、加盟大学の副学長及びシニアスタッフがリーグ活動報告や今後のリーグ活動について意見交換を行う「副学長会議」で構成されています。今年のテーマである「Smart Cities ― 先端技術を活用して、継続的な経済発展を目指す住みよい都市づくり」を通して、参加者による様々な交流が行われました。

学生ワークショップ

7月9日から13日まで開催された学生ワークショップは、テーマに関連した講義、研究施設訪問、グループワークの3つの要素で構成されています。本学からは以下の5名の学生が参加しました。

  • ダン・ジンシャンさん(工学院 機械系 修士課程1年)
  • ジ・ユシンさん(環境・社会理工学院 建築学系 修士課程1年)
  • 山田優志さん(環境・社会理工学院 融合理工学系 修士課程2年)
  • 大野馨子さん(環境・社会理工学院 建築学系 修士課程 2年)
  • ムハマッド・アル・アティキさん(情報理工学院 情報工学系 修士課程2年)

本学学生5名に加えて、ASPIREリーグ加盟大学、およびIDEAリーグ※2加盟大学から修士、博士課程の学生23名が参加し、初日に、学生の専門研究分野をもとに大学混成の5グループが編成されました。

各グループは、「Mobility:可動性」、「Clean Energy:クリーン・エネルギー」、「Home and Environment:住まいと環境」、「Workplace Productivity:職場における生産性」、「Health and Enabled Aging:健康と高齢社会対策」、「Public Sectors:公共サービス」の6つのトピックスから1つのトピックスを選び、選択したトピックスをテーマとした最終日に行われる発表に向けて、参加者、講師、および研究者と活発に議論を交わし、準備を進めました。

講義は、「Smart Nation(スマート国家)」を目指すシンガポール政府の政策やスマートシティの実現を可能にするIoT(Internet of Things:モノのインターネット)、AIの先端、応用技術について、NTUの研究者やシンガポール政府関係者によって行われました。また、NTUのロボット研究所や自律走行車のテストコース、シンガポール・チャンギ国際空港の研究施設見学等も行われました。

講義、施設見学、グループワーク、最終日の発表の様子

講義、施設見学、グループワーク、最終日の発表の様子

学生たちは、ワークショップの講義や施設見学等で得た知見や自身の専門知識をもとに、選択したトピックスの効率化を図るために、どのような技術や政策を活用すべきか、グループディスカッションを重ねました。最終日には、そのグループワークの成果をリーグ加盟大学の副学長、シニアスタッフの前で発表しました。

優秀グループ発表賞受賞チーム(右から3番目が山田さん)
優秀グループ発表賞受賞チーム(右から3番目が山田さん)

優秀発表者賞を受賞したジさん
優秀発表者賞を受賞したジさん

優れた発表を行ったグループに贈られる「優秀グループ発表賞(Best Group Presentation)」は、本学の山田さんが参加したチームが受賞しました。同グループは、「Public Sectors」をトピックスとして、深刻な水事情を抱えるシンガポールの家庭、コミュニティ、町単位での水の消費を効率化するために、IoTを活用したモニタリング・管理システムを提案しました。

ワークショップを振り返って、山田さんは、「人口増加が顕著な現代において、ビッグデータを用いていかに効率的に物事を進めていくことが重要であるかを学びました。水道のプロフェッショナルになりたいと考えているので、将来的には、いかに効率よく配水できるか、ビッグデータやAIを用いて挑戦したいと思います。」と話しました。

個人に贈られる「優秀発表者賞(Best Presenter)」は、本学のジさんが受賞しました。ジさんは、「この5日間で私たちは友情を育み、お互いから多くのことを学びました。優秀発表者賞の受賞は、グループワークの成果です。」と、約1週間を共に過ごした仲間への感謝の言葉を述べていました。

シンポジウム

7月12日午前に開催されたシンポジウムでは、加盟大学の研究者が「Smart Cities」に関連した技術や研究成果に関する講演を行いました。同シンポジウムには、リーグ加盟校の副学長、シニアスタッフ、学生ワークショップに参加していた学生も出席しました。

本学からは、情報理工学院 情報工学系の下坂正倫准教授が、「Human Mobility Sensing Towards Urban Computing(都市情報学に向けた人間移動情報センシング)」というテーマで講演を行いました。携帯電話のGPS機能などをセンサーとして活用し、収集した群衆の活動データを基に、東京マラソンなどの都市部での大規模なイベント開催やゲリラ豪雨や地震といった予測不可能な自然現象発生時の「異常な混雑(人の流れ)」を「予知」するシステムについて紹介しました。

また、東工大が創設した研究グラント(助成金)をもとに2017年から、リーグ加盟大学の研究者と「タンパク質ケージによる持続可能なバイオ材料開発へ向けた精密機能設計」の共同研究を行っている、生命理工学院 生命理工学系の上野隆史教授は、今までの研究交流の実績と研究成果について報告を行いました。

講演を行う下坂准教授(左)と上野教授(右)

講演を行う下坂准教授(左)と上野教授(右)

講演を行う下坂准教授(左)と上野教授(右)

副学長会議

本学でのASPIREリーグの活動について報告をする水本理事・副学長
本学でのASPIREリーグの活動について報告をする水本理事・副学長

7月12日午後に行われた、各大学の副学長およびシニアスタッフが出席する「副学長会議」には、本学からは、水本理事・副学長、関口秀俊副学長(国際連携担当)、ASPIREリーグ事務局の三原久和教授(生命理工学院 生命理工学系)、ASPIREリーグ運営チームの西條美紀教授(環境・社会理工学院 融合理工学系)が出席しました。

2019年、2020年のASPIREリーグの議長校を東工大が務めることが同会議で承認され、水本理事・副学長は、「リーグ設立10周年の節目の年となる2019年と東京でオリンピックが開催される2020年に、ASPIREフォーラムを本学で開催できることは大変光栄なことです」と話しました。

(左から)水本理事・副学長、ナンシー・イップ副学長(香港科技大学)、アラン・チャン副学長(NTU)、ジェイヒョン・リー副学長(KAIST)、ジェン・リー副学長(清華大学)

(左から)水本理事・副学長、ナンシー・イップ副学長(香港科技大学)、アラン・チャン副学長(NTU)、
ジェイヒョン・リー副学長(KAIST)、ジェン・リー副学長(清華大学)

※1 ASPIREリーグ

本学が発案し、2009年に設立された科学技術の発展と人材の開発を通してアジアにおけるイノベーションのハブを形成することを目的とした、アジア地域における理工系トップ大学のコンソーシアムです。加盟大学は、清華大学(中国)、香港科技大学(中国)、NTU(シンガポール)、KAIST(韓国)と東京工業大学の5大学。東工大は、設立当初より事務局を務めています。

※2 IDEAリーグ

デルフト工科大学(オランダ)、スイス連邦工科大学チューリッヒ校、アーヘン工科大学(ドイツ)、シャルマーズ工科大学(スウェーデン)、ミラノ工科大学(イタリア)のヨーロッパ理工系大学5大学で構成されたコンソーシアム。両リーグでは、2011年より各サマープログラムに学生の相互派遣を行っています。

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