東工大ニュース

2019年度以降入学者(学士課程・大学院課程)の授業料を改定

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公開日:2018.09.13

東京工業大学は、2019年4月以降の学士課程入学者、および2019年9月以降の大学院課程(修士課程・専門職学位課程・博士後期課程)入学者の授業料について、学士課程、大学院課程とも、現行の授業料 535,800円(年額)を、635,400円(年額)に改定することといたしました

授業料改定に伴い、本学では、国際化の推進、教育環境等の整備、学生の国際交流活動の充実といった教育内容・環境の向上を図ると同時に、自主財源を増強する努力を続け、志のある学生が経済的状況により本学で学ぶ機会を逸することがないよう、新たな給付型奨学金を創設するなど学生の経済的支援の充実に努めてまいりますので、ご理解を賜りますようお願いいたします。

2018年度以前に入学した学士課程学生、2019年4月までに入学した大学院課程学生については、当該課程に在籍している間は、2019年度以降も現行の授業料535,800円(年額)のままです。
ただし、現在在籍している課程を卒業又は修了等し、新たに課程に入学又は進学した場合には、入学・進学時の授業料年額が適用されます。

学長メッセージ

2019年度以降に入学を希望される皆様及び保護者の皆様

(授業料改定及び学生支援・教育環境の充実に関するご理解のお願い)

東京工業大学は、創立150周年を迎える2030年に、世界トップ10のリサーチユニバーシティとなることを目指し、教育改革、研究改革を推進しています。

本学の高度な研究水準と卒業生の卓越した素養はこれまでも高く評価されてきましたが、それをさらに高めるため、本学は2016年度から教育体系を抜本的に改編いたしました。この教育改革においては、学生の高い志を育み、日本と世界を牽引する真のリーダーとなる修了生を輩出することを目指しています。最先端の研究を通した高度な専門的知識・能力の養成に加えて、常に学び続ける姿勢の涵養に努めます。また、一人ひとりの潜在的な可能性を掘り起こし、自らを活かし他者を活かすことのできる卓越した人材を育成することを目指します。このため、学士課程から博士後期課程までのカリキュラムを一新し、極めて先進的な教育の場を実現させました。

2016年度以降の新しいカリキュラムでは、学士課程卒業者の90%以上が大学院へ進学する本学の特色に合わせて、日本で初めて学部と大学院を統一した6つの学院が、それぞれの専門分野について、継ぎ目のない教育を推進しています。その一方で、新入生のための統一授業「科学・技術の最前線」では、一年目の学生全員が専門の枠を超え、国内外から招聘された一流の研究者・技術者のレクチャーを受けることで、自然科学の多様多彩な分野への知識と関心を広げ、社会における科学の位置付けや自分の専門との関わりについて考えを深める機会を提供します。

それらに加えて、学士課程から大学院課程にいたるまで全学の教養教育を担当する組織として「リベラルアーツ研究教育院」を新設しました。社会で活躍し、未来を創造していくためには、専門性を高めるだけではなく、幅広い視野、柔軟な発想や自身で課題を見つけ考え抜く力が必要であるという信念から、本学は伝統的に教養教育を重視してきました。その伝統を踏まえ、今回の教育改革では、著名な人文社会系学者や文化人を含む教員たちが各自の専門を教えることに加え、総力で全学のアクティブラーニング教育を推進しています。学士課程から博士後期課程まで、学生同士が活発に意見を交換し、ワクワクする環境の中で「志」を掘り起こす斬新な新時代型教養教育は、東工大生の積極性と発信力を飛躍的に高め、既に内外から大きな注目を集めるものとなっています。

このほか、グローバル化した社会での活躍を目指し、講義の英語化の推進等、外国語による教育の充実を図るため、外国人教員・研究者の拡充にも努めています。また、学生が入学の早い段階から研究の楽しさ、奥深さに目覚めることを目的に学士から博士まで一貫した東工大独自の教育を推進します。こうした教育体系は、大学における工学系教育のあり方のひとつのひな形として注目されています。

このような改革の成果が評価され、2018年度に本学は、文部科学省から「世界最高水準の教育研究活動の展開が相当程度見込まれる国立大学法人」である指定国立大学法人5大学の一つとして指定され、世界の大学と伍していく中核的教育研究拠点として大きな期待を集めています。

こうした社会の期待と注目を背景に、卒業生が世界の産業界・学術界等でより一層活躍できるよう、2019年度から教育の環境と内容をさらに充実させることにいたしました。具体的には、高度な研究を通した教育を実施するための最先端設備・施設の整備と、学生が何をどのように学び、将来のキャリアにどうつなげていくのかを考える能力を育む初年次教育とリベラルアーツ教育のさらなる充実、本学卒業生の寄附による学生交流施設の完成を機に学生間のアクティビティを促進する支援サービスの強化に加えて、

  • 早期に最先端の研究環境に触れ、研究のおもしろさを体得しながら社会をリードする能力を養う「早期研究志向学士・修士・博士一貫型教育」の提供
  • 社会にイノベーションをもたらす「気づき」やアイディアの創発を促すため、世界各界の第一人者を招聘して行う最先端科学技術・文化に関する講義の充実
  • グローバル化する社会をリードできる能力を涵養するため、本学の高い留学生比率を踏まえて推進する大学院講義の英語化をはじめとした教育の国際化

を進めて参ります。

このような他の国立大学と一線を画した「東工大モデル」の教育を着実に実現するため、本学では授業料の改定をお願いすることといたしました。2019年4月以降に本学の学士課程に入学される方、2019年9月以降に修士課程並びに博士後期課程に入学される方から、現行の年額535,800円の授業料を年額635,400円に改定させて頂きます。

これと同時に、志のある学生が経済的状況により本学で学ぶ機会を逸することがないよう、産学連携等による資金獲得や本学の有する資産の活用などにより自主財源を増強する努力を続けて、学生への経済的支援の充実も図ります。具体的には、新たな給付型奨学金の創設等により、本学への進学機会に対する経済格差の解消に努めます。

本学の教育効果は、現在の教育環境・内容においても、就職に関する国際的な大学ランキング(Employability)で世界19位に評価されています。上記の教育環境と教育内容の充実により、本学卒業生が新たなステージに進まれる際に、本学での学びの成果が今回の改定に見合うもの以上であったと得心頂けるよう、さらには、その結果として本学の教育効果が世界トップ10に入る評価を得られるよう、教職員一丸となって不退転の決意で取り組んで参りますので、ご理解のほど、よろしくお願いいたします。

Times Higher Education Global University Employability Ranking 2017 による

国立大学法人 東京工業大学
学長 益 一哉

お問い合わせ先

広報・社会連携本部 広報・地域連携部門

E-mail : media@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975

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