東工大ニュース
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最先端研究領域を開拓し、世界の研究ハブとしての地位を継続的に維持・発展させるため、活力にあふれた若手研究者・技術者を育成する場として、今年7月に東京工業大学「基礎研究機構」が発足しました。
基礎研究機構は、本学が世界をリードする最先端研究分野で顕著な業績を有する傑出した研究者を塾長に据えた「専門基礎研究塾」と、本学のすべての若手研究者が塾生として3カ月間研さんを行う「広域基礎研究塾」から構成されています。
本学が指定国立大学法人の構想で示したアウトカムの一つ「新規・融合分野の研究領域の開拓」の「長期的な視点から、若手教員・研究者が自由な発想に基づく研究に集中できる環境を構築する」ことを具現化する研究組織として基礎研究機構が設立され、小山二三夫機構長のもと、科学技術創成研究院内に配置されました。あわせて、すずかけ台キャンパスS2棟2階(西側)にオープンラボが整備されました。
機構長 小山二三夫 教授(科学技術創成研究院 )
グローバルな競争下で日本が発展を続けていくためには、高度な専門知識と独創性を有する若手研究者・技術者が社会の様々な場面で活躍することが求められています。日本が継続的に発展していくためには、活力にあふれた若手研究者・技術者を養成し続けることが必要です。本機構の取り組みを通して、優秀な若手人材に、若いうちに自由な発想のもと、新たな課題に挑戦する機会を提供し、将来の新しい産業の芽となるイノベーション創出に繋がることを期待します。
細胞科学分野の将来を担う卓越した研究者を育成することを目指します。若手研究者が落ち着いた研究環境の中で自身の学術的興味から細胞科学の研究課題を見出し、仮説の立案と検証を存分に行うことの出来る研究の場を提供して基礎研究の発展を支えていきます。
塾長 大隅良典 栄誉教授(科学技術創成研究院 細胞制御工学研究センター長)
基礎研究機構は、研究力強化に対して本学が出した一つの答えです。そして専門基礎研究塾は未来を担う若手研究者の活躍を図るのが目的です。今回、細胞科学分野に、細胞制御工学研究センターから助教5名、特任助教6名、生命理工学院から助教2名の計13名の塾生が入塾しました。ファシリテータをはじめ、多くの方々が積極的に関与し協力して、若い人たちが伸びやかに研究できる環境を共につくっていくことを期待しています。
来年には、科学技術創成研究院 西森秀稔教授(量子コンピューティング研究ユニットリーダー)が塾長となる専門基礎研究塾が発足予定です。
若手研究者に、研究分野に関わらず自らの学術的興味に基づいて独創的・萌芽的な研究課題を見出し、社会的な期待や責任を自覚しつつ研究を推進することの重要性を肌で感じられる場を提供することにより、人材育成と研究大学としての本学の発展を支えていきます。
塾長 大竹尚登 教授(科学技術創成研究院)
研究テーマを考える時間は、研究者として非常に重要です。広域基礎研究塾は、時には先達の知恵に接したり未来社会像を描いたりしながら、自分は研究者として何がしたいのか、どんな挑戦がその先に待っているのかを思索する時間を若手教員に提供します。さながら科学・技術のゆりかごのように、未来の科学・技術の息吹きが本機構から発せられることを期待しています。そして、10月15日に開催された大隅塾の入塾式に集った研究員、学生の皆さんを始め、多くの若手研究者に、来年から始動する広域基礎研究塾の将来の塾生として活躍していただきたいと思います。