東工大ニュース
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科学技術創成研究院 未来産業技術研究所の小山二三夫教授が、米国光学会(The Optical Society、以下OSA)から、2019年ホロニャック賞(2019 Nick Holonyak, Jr. Award)を受賞することが決まりました。小山教授の業績として「面発光レーザフォトニクスとその集積技術への顕著な貢献」が認められ、2019年受賞者として選出されたものです。
OSAは、光学・フォトニクス関連分野における最も権威のある世界最大規模の国際学会です。ホロニャック賞は、半導体技術の黎明期に初めて半導体による可視光の発光を成功させ「LEDの父」と呼ばれるニック・ホロニャック2世博士を記念した国際賞で、1997年に創設されました。光半導体デバイス・材料に関して顕著な貢献のあった個人を対象として、毎年1名に授与されています。過去には、半導体ヘテロ構造の発明で2000年ノーベル物理学賞を受賞したジョレス・イヴァノヴィッチ・アルフョーロフ博士(2000年※)や、青色発光ダイオードの開発で2014年ノーベル物理学賞を受賞した中村修二博士(2001年※)も同賞を受賞しています。国内では、東京大学の荒川泰彦博士(2011年※)に次いで、3人目の受賞となります。
贈呈式は、2019年5月に米国サンノゼで開かれる2019年レーザー・電子工学会議の会期中に行われる予定です。
面発光レーザーは、本学の伊賀健一名誉教授・元学長が1977年に発明した半導体レーザーです。近年、インターネットや携帯端末の普及により、データセンター内の大規模光インターコネクト、携帯端末での3D光センサ、自動運転用の光レーダーなど、その応用分野は多岐にわたっています。IoTの進展により、国内外でさらに研究開発が加速され、市場規模も数千億円にまで拡大しています。
今回の受賞は、恩師の末松安晴先生と伊賀健一先生のご指導と、これまでともに研究を進めてきた同僚の研究者、大学院学生など、多くの方々の貢献によるもので、深く感謝しています。この受賞を励みに、東工大の強みと伝統を活かして、今後も研究に邁進していきたいと思っています。