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Slush Tokyo 2019 エンジニアリングデザインプロジェクト出展報告

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2019.05.07

Slush Tokyo 2019 エンジニアリングデザインプロジェクト出展報告

2月22日~23日にかけて、東京ビッグサイトで「Slush Tokyo(スラッシュ トーキョー) 2019」が開催され、東工大エンジニアリングデザインコースの実践型科目「エンジニアリングデザインプロジェクト」から生まれた製品・サービスが出展されました。Slush Tokyoは、世界80ヵ国から投資家やスタートアップなど6,000名以上が参加し、400名のボランティアで運営する世界最大級のスタートアップイベントです。フィンランド発祥のイベントで、東京では5回目の開催です。東工大は、2017年に日本の大学として初めてSlush Tokyoにブースを出展し、今年で3回目の参加になります。

エンジニアリングデザインプロジェクトとは

本学大学院生が東京藝術大学・武蔵野美術大学の学生、社会人とともに5~6名のチームを組んで、半年間、協力企業から提供された課題にデザイン思考のフレームワークで取り組みます。ユーザーリサーチを通じて焦点を絞り、ユーザー像を特定して問題を再定義し、新たなユーザー体験を提供する製品・サービスの高度プロトタイプ実装までを行う授業です。 今年度は、9社の協力企業による課題提供があり、Slush Tokyoではその中の5チームが会場を訪れた投資家や企業の新規事業開発担当者などに製品・サービスを説明しました。

東工大の参加チーム

チーム「シャンシャンFC(エフシー)」は、パナソニック株式会社、東京藝術大学の学生と、ブラインドサッカーの観戦体験をデザインしました。東京2020のパラリンピック競技であるブラインドサッカーは、視覚に障がいのある選手らがアイマスクをつけてボールの音と声でコミュニケーションを取りながらプレーを行うため、その妨げにならないよう観戦者は声を出せません。そこで、観戦者同士が振動で感動を共有して盛り上がることを可能にする「にぎにぎブラボー」をデザインしました。にぎにぎブラボーは、試合中に観戦者1人1人が持って興奮したときに握ってもらうことで、他の人の持つにぎにぎブラボーが振動して感動を振動で共有できるようにしています。初めて観戦する人でも、このタイミングのこのプレーが魅力的であると知ることができ、ブラインドサッカーならではの魅力を感じながら試合を楽しむことができます。

チームシャンシャンFCがデザインしたにぎにぎブラボー
チームシャンシャンFCがデザインしたにぎにぎブラボー

シャンシャンFC PV

チーム「ぱんだ」は、株式会社オロ、武蔵野美術大学の学生と、発達障がい児のための「お金が見える」教育ツール「mirumiru(ミルミル)」をデザインしました。発達障がい児が自立を目指す上でお金の管理の問題があります。電子マネーはお金を使っている感覚がなく使いすぎてしまうことと、相場が分からず高すぎるものを買ってしまう恐れがあるためです。そこで、ICカード用のケース型デバイスに予め保護者が用途と金額を提示して、お金の使い方の目安を教えるプロダクトをデザインしました。

チームぱんだが開発したmirumiru
チームぱんだが開発したmirumiru

2018 東工大 EDP-BC Team-ぱんだ

また、チーム「nandarone(ナンダローネ)」は、エイベックス株式会社、武蔵野美術大学の学生と、ライブ終了後に気の合う友人を見つける体験をデザインした「Re:miX(リ:ミックス)」を展示しました。Re:miXは、ライブに参加する際に装着する腕輪で、心拍数を測定して一定以上の心拍数となった時間を記録し、2分間のライブ音源を録音します。心拍数を計測した時間によってLEDの発光色が変化し、自分の感性に近い同じ色の人を見つけやすくしたり、2つの腕輪を近づけると音源が再生される仕組みにより、1人で参加しても気の合う友人を増やしたり、周囲のファンと交流するきっかけを提供します。

チームnandaroneが製作したRe:miX
チームnandaroneが製作したRe:miX

Re:miX

会場では、手にとって体験できるハードウェアの展示が目立ったようです。

各チームが提案する新たな価値に対して、5チーム全ての説明を聞きに来た熱心な学生や、障がい者支援を行っている会社を紹介してくれた投資家、どのようなフレームワークで開発を行ったのかを質問する新規事業の開発担当者など数多くの来場者の関心を集めました。

今回は、授業終了が開催時期に近かったため、選抜されたメンバーがプレゼンテーションを行うピッチコンテストへの出場はかないませんでしたが、参加した東工大生からは、「スタートアップのホットな分野を実感できました」「起業に対する心理的ハードルが下がりました」「関係者ではない本当の意味での他人の意見を聞けて多くのことを学べました」といった感想が集まりました。

エンジニアリングデザインコースとは

大学院課程のエンジニアリングデザインコースは、既存の科学・工学体系を俯瞰的に理解しながらもその枠に囚われずに、人類が抱える様々な課題の解決に寄与し、社会で求められる新たな技術・価値・概念の創出に貢献できる能力、すなわち、エンジニアリングデザイン能力の涵養を目標としています。

異なる学問領域を融合し、新たな学問領域を確立した上で教育にあたる先駆的なコースとして複数の学院や系にまたがっている「複合系コース」の1つです。工学院の機械系、システム制御系、経営工学系、及び環境・社会理工学院の建築学系、土木・環境工学系、融合理工学系に設置されています。

東工大エンジニアリングデザインコースおよびCBEC(チーム志向越境型アントレプレナー育成)プログラムでは、2020年2月か3月に予定されているSlush Tokyo 2020に向けた学生ボランティア募集説明会の開催や、学生派遣を予定しています。また、東工大社会人アカデミーでは、社会人受講生を募集しています。興味を持った方は、下記までお問い合わせください。

お問い合わせ先

チーム志向越境型アントレプレナー育成プログラム事務局

E-mail : query@cbec.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-3475

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