東工大ニュース
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2018年度「東工大の星」支援【STAR】(英語名称:Support for Tokyo Tech Advanced Researchers【STAR】)の採択者に物質理工学院 応用化学系 稲木信介准教授と元素戦略研究センター 北野政明准教授の2名が決定しました。
「東工大の星」支援【STAR】とは、東工大基金を活用し、将来、国家プロジェクトのテーマとなりうる研究を推進している若手研究者や、基礎的・基盤的領域で顕著な業績をあげている若手研究者へ大型研究費の支援を通じて、次世代を担う本学の輝く「星」を支援するものです。
第6回目の今回は、2名の「星」が学長及び研究・産学連携本部長の協議により選考されました。
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研究概要:バイポーラ電気化学に基づく機能性高分子材料の開発
陽陰極を同時に発現するワイヤレス電極(バイポーラ電極)を利用するバイポーラ電気化学は、古くからその原理が知られているものの、近年では電気エネルギー(電子)を試薬とする化学合成法への応用、すなわち、次世代の軽く、柔軟な有機・高分子材料を創製する分野として再注目されています。この古くて新しいバイポーラ電気化学により、配線せずに導電性高分子をパターニングする技術や導電性高分子ネットワークの形成、バイポーラ電極表面に生じる電位分布を巧みに利用した傾斜高分子材料の開発などを実現し、これまでにない技術・材料を提案してきました。さらに、広い意味でのレドックス(酸化・還元)化学と融合させ、スマート分子変換技術やエネルギー変換、ならびにレドックス系を精密に複合化したスマートシステムの構築などの新しい価値創造を目指します。
受賞にあたってのコメント
今回、東工大の星」支援【STAR】に採択いただき、大変光栄に存じます。バイポーラ電気化学という面白い現象に出会って以来、興味本位で楽しみながら、ともに研究を推進してきた学生や共同研究者に御礼申し上げます。本支援を機に、さらに挑戦的な研究に取り組みたいと考えております。東工大基金を通じて支援していただいた寄附者の皆様に感謝申し上げます。
研究概要:電子化物、またはヒドリド化合物を含む新規固体触媒の開発
アンモニア(NH3)は、窒素系肥料や食品、医薬品などの原料として広く使用されています。近年では水素エネルギー貯蔵材料としても注目されており、益々需要増加が見込まれます。現在は、大量のエネルギーを使い、高温高圧の環境下で空気中の窒素と水素を反応させるハーバー・ボッシュ法で合成されています。結晶骨格中に電子やヒドリドイオンを高密度に含有する新規電子化物や水素化物を開発し、それらを利用することで窒素分子を低温で活性化する触媒を創生し、現在の工業プロセスを凌駕するアンモニア収率を目指していきます。
受賞にあたってのコメント
この度は、「東工大の星」に選んでいただき大変感謝しております。今回いただいた支援でこれまで以上に自分自身の研究を発展させ、独創的かつ世界トップレベルの研究成果を上げることで、支援いただいた恩に報いていきたいと決意しております。基礎研究として優れた成果を上げることはもちろんのことですが、触媒は世の中で使われることが重要ですので、実用化を目指した研究にも邁進いたします。
東工大基金を活用し、本学における優秀な若手研究者への大型支援を実施することにより、本学の中期目標である基礎的・基盤的領域の多様で独創的な研究成果に基づいた新しい価値の創造を促進し、もって、学長の方針に基づく本学の研究力強化に資することを目的とします。
公募によらず、様々な業績を勘案し、学長及び研究・産学連携本部長の協議により決定します。
若手研究者を准教授以下(原則40歳以下)とします。